企業のUX注力レベルを評価する「UX注力企業格付け(仮称)」を始動。「UX検定™基礎」と連動し、今秋に第1回の結果を発表予定
この8月に国内初の本格的なジェネラリスト向けUX資格試験、「UX検定™基礎」を実施する一般社団法人UXインテリジェンス協会(所在地:東京都千代田区、理事長:遠藤 直紀、以下:UXIA)は、企業の経営層がどの程度UXに注力しているかを審査・評価する「UX注力企業格付け(仮称)」を開始することをお知らせします。
「UX注力企業格付け(仮称)」は、企業活動においていかにUXが重視されているかを一律に評価しその結果を公表することを通して、広く日本社会におけるUXへの関心を高め、UX領域への注力を促すことを目的としたものです。第1回の結果は2022年秋の公表を予定しています。
「UX注力企業格付け(仮称)」始動の背景
デジタルトランスフォーメーション(DX)の潮流が加速する中、UXの重要性が様々な場面で、様々な人物から語られるようになりました。そこで、各企業が実際にどの程度UXに注力しているのかをリサーチしたところ、明確にUX注力の姿勢を打ち出している企業が、ブランドランキングにおいても高く評価されているという相関性が明らかになりました。
表. ブランドランキング上位企業のUXへの注力状況
上表は、インターブランドジャパンによる「Best Japan Brands 2022 Rankings」(*1)の上位企業について、次の観点でUXへの注力レベルをリサーチした結果です。
- プレスリリースでのUX/CX/体験価値への言及有無
- 役員以上のUX/CX/体験価値に関するメッセージ有無
- 中期経営計画またはそれに準ずる経営方針資料におけるUX/CX/体験価値への言及有無
- UX/CXの向上を目的とした組織、または顧客体験の品質に責任を持つCクラス役員の有無
これを見ると、上位企業では多くの項目でUXに関する活動が見られるのに対し、25位前後を境に、明らかに活動数が少なくなっていることがわかります。
実際に時代の変化としても、世の中は急速に「UX志向」に向かっています。リアルとデジタルが融合したアフターデジタルの社会では、従来の属性データだけでなく「行動データ」を取得できるようになってきていて、取得した行動データをもとに、適切なタイミングで適切なコンテンツを提案することができるようになりました。そうした適切なコミュニケーションを繰り返すことで顧客との関係を育てることが可能になり、スポット的な関わりから、より長い期間寄り添うような関係に、企業と顧客の関係性のありようも変化しています。さらに、情報を受け取ることに価値を感じる時代は終わりを迎え、現在は「自分に何をさせてくれるのか」が顧客価値の中心になってきています。
その結果、企業に求められる役割は、「商品・サービスを提供する存在」から「顧客の行動実現や目標達成をリアル・デジタルの双方から支える存在」に変わりつつあり、この役割を果たすためには、企業戦略と直結する形でUXを構築する必要があるのです。
これは日本に特有の状況ではなく、UXへの注力とブランド力の相関は米国や中国においても同様に見られます。両国の企業価値ランキングの上位に入っているのは、商品やサービスそのものよりも、魅力的な世界観に基づいた優れたUXで知られている企業ばかりです。また、米国のある調査(*2)では、2017年には「顧客体験品質に責任を持つCクラス役員」がいる企業は調査対象の35%だったのに対し、2020年には90%に増えていたという報告もあり、UXへの注力が急速に進んでいることがわかります。
(*1)https://www.interbrandjapan.com/ja/bjb/japan_brands/2022.html
(*2)「Gartner Says Nearly 90% of Organizations Now Have a Chief Experience Officer or Chief Customer Officer or Equivalents」(https://www.gartner.com/en/newsroom/press-releases/2020-02-10-gartner-says-nearly-90--of-organizations-now-have-a-c)
「UX注力企業格付け(仮称)」の概略
以上のような背景から、UXIAでは特に大企業を中心とした日本企業に対して、UXへの関心を高め、UX領域への注力を促すことを目的に、企業活動においていかにUXが重視されているかを一律の基準で審査・評価する「UX注力企業格付け(仮称)」を実施します。
初回のリサーチは2022年8月頃から開始し、結果は10月に公表予定です。評価には、2022年8月にUXIAが実施する「UX検定™基礎」の合格者数などの指標が用いられます。具体的な評価項目は改めて公表いたします。
UXIAでは、今後もDXにおけるUXの重要性を啓蒙し、日本企業の競争力を強めるための活動を進めて参ります。
協会概要
UXIAは、新たな時代を切り開くDX人材に求められる基礎能力としての 「UXインテリジェンス」の普及・研鑽を通じて、社会がより善いUXで溢れ、ユーザーが自由にそれを選択できる社会の実現を目指し2021年5月に設立されました。会員は国内でDXを推進する企業で構成され、会員数は2022年6月時点で30社です。UXのより具体的な検討・研究を行う場として 三つの分科会「UX組織開発分科会」「先進事例研究分科会」「資格講習整備分科会」を設置し、各企業が積極的に活動を進めています。
名称:一般社団法人UXインテリジェンス協会(UX Intelligence Association、略称:UXIA)
所在地:東京都千代田区大手町2-2-1 新大手町ビル10階
代表者:理事長 遠藤 直紀(株式会社ビービット 代表取締役)
設 立:2021年5月19日
事業内容 :
・国内外における法人・個人に対するUXインテリジェンスの啓蒙と普及促進
・国内外における高品質UX事例の発掘・共有(交流会や表彰制度の実施等)
・UXインテリジェンスの標準化(資格制度創設、検定実施等)
・UXインテリジェンスの実践知習得に向けた学習環境の整備
URL:https://www.uxia.or.jp/
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像