大型ガラスパネルに対応した半導体実装装置「UC5000」の本格販売を開始~パネルレベルパッケージでの高精度実装を実現~
東レエンジニアリング株式会社(本社:東京都中央区、社長:岩出 卓、以下「東レエンジ」)は、この度、AIサーバーを中心に需要が伸びている先端半導体パッケージ分野に向けてパネルレベルパッケージ(以下「PLP」)に対応した高精度実装装置(ボンダー)「UC5000」を開発し、2025年4月から販売を開始します。
本装置は、SEMI規格に準拠した515mm×510mm、600mm×600mmパネルに熱圧着(以下「TCB」)で±0.8umの高精度でチップを実装します。また、シリコンに変わる材料として注目されているガラスパネルへの高精度TCB実装も可能であり、次世代半導体パッケージの製造に貢献するものです。
当社は、「UC5000」を半導体製造メーカーに販売し、2025年度に30億円、2030年度に100億円の受注高を目指します。

昨今、半導体の高機能化に伴い、2.5次元パッケージに代表される複数の半導体チップを1つのパッケージに実装する技術である「チップレット」が注目されています。このチップレットで構成された半導体パッケージは、半導体チップ間を高速で伝送するためのインターポーザを用いるなどシリコンウェーハをベースにしたウェーハレベルパッケージが主流でした。今後の半導体パッケージの高性能化に伴う大型化に対して、ウェーハが大型化できないことと、丸形のウェーハから角型を切り出すのは製造効率が悪いことから、ウェーハよりも大きなサイズと角型が可能なガラスパネルをベースとしたPLPが注目されています。
しかしながら、大型ガラスパネルはウェーハと比較して反りが大きく搬送が困難なことや、パネルを加熱するためのヒータの大型化に伴い、装置内での熱制御や熱による材料の膨張・収縮を加味しながら高精度実装を実現することに課題がありました。
今回の装置は、当社がこれまで手掛けてきた100台以上の量産実績がある小型基板用のTCB実装装置でのハンダ溶融時の300℃以上の高温による熱影響を補正して実装精度を保つ技術、50台以上の量産実績がある大型パネル用ブリッジチップ搭載装置での高精度実装技術およびパネル反りの矯正搬送技術、さらに基幹制御システムを本装置用に完全リニューアルすることで、大型パネルかつTCBでの±0.8μmの高精度実装を実現しました。また、半導体後工程で採用され始めたSEMI規格対応FOUP(パネル/テープフレーム)に対応し、最新の工場での量産にも対応できる構成になってます。
東レエンジは、東レの先端繊維素材の製造技術から連綿と培った微細加工技術を生かして、半導体実装装置やディスプレイ製造装置などエレクトロニクス関連の分野に幅広く展開し、製造技術を高めてまいりました。
先端半導体パッケージ分野に向けてTRENG-PLPコーター、大型ガラス基板検査装置に加えて本装置をランナップに加えることで、PLPの一層の普及に貢献してまいります。
PLP対応ボンダー「UC5000」の詳細は以下の通りです。
記
1.商品名 : パネルレベルパッケージ対応ボンダー「UC5000」
2.製品特長 : ・SEMI規格準拠のパネル対応
(515mm×510mm、600mm×600mm)
・PLPかつ熱圧着での精度0.8μmを実現
・生産性に影響せずに、熱影響による精度ズレを
自動キャリブレーションする機能
・カスタマイズにより、従来機種の機能を引き継ぎ可能
3.展開用途 : パネルレベルパッケージ向け半導体チップの実装
4.受注目標 : 2025年度30億円
2030年度100億円
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