Z世代のアイドル文化は「パフォーマンス」重視へ。「ビジュアル」7%、「疑似恋愛」5%と旧来の価値観と乖離。Z世代のアイドル文化についての意識調査をZ-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)が実施。
Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)が解き明かす、Z世代の「推し」は「最高のコンテンツ」。熱愛報道も52%が「祝福」と回答、アイドルの“本質”を重視する新時代のファン像。
Z世代向けクリエイティブカンパニーFiom合同会社(本社:東京都渋谷区、代表社員:竹下洋平)が運営する、Z世代当事者が実態や価値観を分析するシンクタンク「Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)」 は、全国のZ世代(18歳〜24歳)349名を対象に、2025年9月に実施した 「Z世代のアイドル文化についての意識調査」 の結果を発表しました。

近年、SNSが「推し活」を可視化するインフラとなり、個人の応援活動が大きな影響力を持つ現代において、企業のマーケティング活動は、推し活経済圏と無関係ではいられない転換点を迎えています。
特に、これからの消費の主役となるZ世代は、デジタルネイティブとしてSNSを駆使した新しい応援の形を確立しており、そのファン像は旧来の「疑似恋愛」や「熱狂」といったイメージだけでは捉えきれなくなっています。
多くの企業がZ世代の「推し活」の熱量に注目し、コラボレーションを試みる中で、表面的な熱量にだけ着目し、Z世代のファンが持つ本質的な価値観を理解しないままアプローチしたことで、「人気への便乗」 といった「認識のズレ」が発生している広告も散見されるようになりました。
こうした背景を踏まえ、Z世代の当事者目線による分析で新たなインサイトを発掘・探求するZ世代特化の調査研究機関「Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)」は、企業とZ世代の間に横たわる「アイドル文化」への認識ギャップを解明するため、本実態調査を実施しました。
多様なバックグラウンドを持つZ世代当事者である研究員が、アンケート調査を実施し、Z世代がアイドルに求める価値や、企業コラボに対する彼らのリアルな視点や本音を分析。
全38ページに渡る調査レポート を基に、Z世代が「推し」を「疑似恋愛の相手」として見ているのか、それとも「最高のコンテンツ」として見ているのか、その境界線を分析し、企業とZ世代の間に横たわる認識のズレを調査しました。
「Z世代のアイドル文化についての実態調査」調査サマリー
Z世代のアイドル観で「パフォーマンス」を最重要視、「ビジュアル」は7%
アイドルに求める最も重要なことは「圧倒的なパフォーマンス」(30%) がトップ。「ファンを大切にする誠実な姿勢」(23%)、「面白いトークや人間性」(21%) が続き、「常に完璧なビジュアル」は7% に留まりました。
「推し」は「疑似恋愛の相手」にあらず。61%が「最高のコンテンツ」と回答
「推し」の存在イメージは、「最高のコンテンツ」(61%) が圧倒的多数。「信仰の対象」(21%) が続き、「疑似恋愛の相手」はわずか5% でした。
熱愛報道、過半数52%が「祝福」。文化の「成熟」を示す結果に
「推し」の熱愛報道に対し、「個人の幸せなので、祝福したい」が52% 。アイドルのプライベートな幸せを尊重する価値観が示されました。
Z世代の心を動かすのは「自己肯定感を高めてくれる」歌詞
最も心を動かされる歌詞のテーマは、「夢や希望を歌い、自己肯定感を高めてくれる歌詞」(44%) がトップ。「恋愛」(19%) に大差をつけました。
アイドル文化の作法で「デジタル応援」が主流。60%が月額3,000円未満
応援活動は「無料動画の視聴」(47%)、「ストリーミング再生」(39%)、「SNSフォロー」(39%) が上位。月額は「0円」(28%)、「3,000円未満」(32%) が6割を占め、低コストでデジタルに支えるスタイルが主流です。
企業コラボへのシビアな視点。「人気への便乗」(40%)は失敗
成功する広告は「アイドルの個性やコンセプトが、商品の世界観と完全にマッチしている時」(55%)。失敗する広告は「人気にただ便乗しているだけ」 (40%) と、文化へのリスペクトを厳しく評価しています。
Z世代の「アイドル文化」の実態を深掘り
今回の調査結果から、Z世代のアイドル文化を象徴する8つのデータを抜粋して解説します。
Z世代の「推し」はいて当たり前。過半数の52%が熱心に応援中。

「あなたには現在、熱心に応援している『推し』がいますか?」という質問に対し、52%が「はい」と回答。Z世代の過半数が、何らかの対象を熱心に応援する「アイドル文化」の当事者であることが分かりました。
Z世代が重視するのは本質。「SNSの日常感」(58%)より「楽曲」(81%)と「ダンス」(78%)。

「推し」の魅力を感じる上で重要なコンテンツを尋ねたところ、「楽曲のクオリティ」(「非常に重要」60%、「少し重要」21%)が合計81%、「ダンスパフォーマンス」(「非常に重要」48%、「少し重要」30%)が合計78% となり、本質的な実力を示すコンテンツが上位を占めました。「SNSで見せる飾らない日常感」(合計58%) よりも重視されており、Z世代がアイドルの「本質」を評価していることがうかがえます。
アイドルは自己肯定感の源泉。Z世代の44%が「夢や希望を歌う歌詞」に最も心を動かされる。

「あなたが最も心を動かされるのは、どのようなテーマの歌詞ですか?」という問いに対し、44%が「夢や希望を歌い、自己肯定感を高めてくれる歌詞」 と回答。「恋愛の切なさや喜びを歌う、共感できる歌詞」(19%) や「社会や大人への反抗を歌うメッセージ性の強い歌詞」(15%) を大きく上回りました。
応援は「金」より「拡散」。Z世代の応援活動の1位は「無料動画の視聴・コメント」(47%)。

「あなたが普段行っている応援活動はどれですか?」という質問では、「YouTubeやTikTokなど無料動画コンテンツの視聴・コメント」(47%)、「音楽ストリーミングサービスでの楽曲再生」(39%)、「SNSアカウントのフォロー、投稿のチェックやシェア」(39%) がトップ3を占めました。物理的な「CDの購入」(22%) よりも、デジタル上で再生数や知名度向上に貢献する活動が主流となっています。
Z世代のアイドル文化は低コスト。60%が月の支出3,000円未満、「0円」も28%存在。

「『推し活』に1ヶ月あたり平均でどのくらいお金を使っていますか?」という質問に対し、「0円」が28%、「3,000円未満」が32% と、合計60%が比較的低コストでアイドル文化を楽しんでいることが判明しました。前項のデジタル応援と合わせ、Z世代の文化が「お金をかける=愛」とは限らないことが示唆されます。
「推し」は疑似恋愛の相手にあらず。Z世代の61%が「最高のコンテンツ」と回答、恋愛はわずか5%。

「あなたにとって『推し』とは、どのような存在ですか?」という問いに対し、61%が「最高のコンテンツ」 と回答し圧倒的多数でした。「信仰の対象」が21% で続き、旧来のイメージであった「疑似恋愛の相手」はわずか5% に留まりました。Z世代のアイドル文化は、「疑似恋愛」ではなく、人生を豊かにする「エンターテイメント」として受容されている実態が明らかになりました。
アイドルに求めるのは“顔”より“実力”。「完璧なビジュアル」(7%)を「圧倒的パフォーマンス」(30%)が圧勝。

「あなたがアイドルに求める最も重要なことは何ですか?」という質問では、「圧倒的なパフォーマンス」(30%) がトップでした。次いで「ファンを大切にする誠実な姿勢」(23%)、「面白いトークや人間性」(21%) と続き、「常に完璧なビジュアル」は7% と最も低い結果となりました。Z世代がアイドルの外見よりも、その実力や内面性を重視する文化であることが強く示されています。
“推しの幸せ=ファンの幸せ”。熱愛報道、Z世代の過半数52%が「祝福したい」と回答。

「もしあなたの『推し』に熱愛報道が出たら、どう感じますか?」という質問に対し、過半数の52%が「個人の幸せなので、祝福したい」 と回答しました。「悲しい気持ちになるが、これからも応援し続ける」(16%) も合わせると約7割が応援を継続する意向であり、「ショックでファンを辞める(しばらく休む)」(13%) は少数派でした。「推し」を「疑似恋愛」の対象と見ていないZ世代の価値観が、アイドルのプライベートな幸せを尊重するという、文化の成熟性を示していると考えられます。
調査概要
調査名:Z世代のアイドル文化についての意識調査
調査対象:全国のZ世代(18歳~24歳)
調査期間:2025年9月
調査方法:インターネットを利用したアンケート調査
有効回答数:n=349
調査分析:Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)(運営:Fiom合同会社)
利用条件
情報の出典元として「Fiom合同会社」であることを明記いただきますようお願いいたします。
本調査レポート完全版(全38ページ)を無料でダウンロード
今回ご紹介した内容は、調査レポートのほんの一部です。
レポート本編では、Z世代が「推し」を「自己認識(アイデンティティ)」 とどの程度結びつけているか、ファンコミュニティ(界隈)に何を求めているか、さらには「AIアイドル」へのリアルな受容度まで、Z世代のアイドル文化の深層を多角的に分析しています。
明日からの企画にすぐに活かせる、Z世代のリアルなインサイトが詰まっています。
少しでもご興味をお持ち頂きました方はぜひ下記よりダウンロードしてご活用ください。
Z-SOZOKEN所長のコメント
◆竹下洋平(たけしたようへい)
Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)所長
Fiom合同会社CEO
2005年生まれ。2021年10月にFiom合同会社を設立。Z世代のクリエイターの創造性を最大化させるをミッションに、Z世代によるZ世代向けのコミュニケーションプロデュース事業、リサーチ&プランニング事業を展開している。上場企業から大企業、中小企業、ベンチャー、スタートアップ、行政や自治体と幅広い組織の支援実績を持つ。Z世代の創造性を活かし、Z世代向け広告コミュニケーションの上流設計から制作、運用までワンストップで実行支援する。

「Z世代がアイドルに求めるのは『ビジュアル』(7%)より『パフォーマンス』(30%)」。この調査結果は、Z世代のアイドル文化が、私たちが想像する以上に「本質」を重視する成熟した文化であることを示しています。
彼らにとって「推し」は、もはや「疑似恋愛の相手」(5%) ではありません。人生を豊かにする「最高のコンテンツ」(61%) であり、自らの「自己肯定感を高めてくれる」 精神的な支柱です。だからこそ、熱愛報道が出ても「祝福したい」 と回答する成熟した価値観が生まれています。
企業に今求められているのは、彼らを「疑似恋愛層」として扱い、射幸心を煽るような短絡的なコラボを行うことではありません。 「推し」と「商品」の世界観がなぜマッチするのか、そのコラボが「推し」の価値やパフォーマンスを正しくリスペクトしているか、という「本質的な繋がり」を提示することです。 Z世代は、企業が自分たちの「アイドル文化」を「攻略対象」としてではなく、「価値ある文化」として誠実に扱っているかを、厳しく見抜いています。
Z世代への訴求にお悩みの方へ
「広告がZ世代に届かない、むしろ興ざめされているかもしれない…」
「当事者性が重要だと分かってはいるが、どう企画に落とし込めばいいか分からない…」
今回の調査結果を見て、少しでもそう感じたご担当者様へ。
弊社はメンバー全員がZ世代当事者で構成されたZ世代に特化したクリエイティブカンパニーです。
Z世代ならではの感性や同世代の視点を活かしたアプローチで、マーケティングリサーチ、戦略設計から企画立案、制作、運用までワンストップで統合的にご支援しております。
Z世代や若年層向けの企画制作マーケティング/ブランディングでお困りの方はお気軽にご相談ください。
https://fiom-llc.studio.site/contact
「Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)」について

Z世代の創造性で未来を創る。Z世代特化の次世代型シンクタンク。
「Z-SOZOKEN」とはZ世代向けクリエイティブカンパニーFiom合同会社が運営しているZ世代同世代目線による分析で新たなインサイトを発掘、探求するZ世代特化の次世代型シンクタンクです。
Z世代の実態や価値観をZ世代当事者たちが様々な観点から把握・分析。
時代の最先端をゆくZ世代の未知なる文化を解き明かし、時代を切り開く新たな価値観を探求しております。
リアルZ世代起点でZ世代に届く共感を軸としたコミュニケーションやプロモーション設計に活用できる実践的なマーケティング情報を提供しています。
公式サイト:https://z-sozoken.studio.site
Fiom合同会社について

Z世代に特化したZ世代のクリエイティブカンパニー
メンバー全員がZ世代で構成されたZ世代に特化したクリエイティブカンパニー。
Z世代の創造性を基点としたZ世代目線のアプローチを実施。
Z世代向け広告コミュニケーション領域の上流設計から制作・運用まで実行支援する。
時代の最先端をゆくZ世代の感性を活かしたクリエイティブカンパニー。
社名:Fiom合同会社
住所:東京都渋谷区神宮前6丁目23番4号桑野ビル2階
設立:2021年10月15日
代表:竹下洋平
HP:https://fiom-llc.studio.site
本件に関するお問い合わせ
メール info@fiomllc.com
お問い合わせフォーム https://fiom-llc.studio.site/contact
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