一度のミスで拡散される恐怖。Z世代の77%が人間関係に疲弊する背景と、ネガティブ感情を「ネタ」に変える生存戦略をZ-SOZOKEN（Z世代創造性研究所）（運営：Fiom）が独自に調査研究を実施。

「既読未読のプレッシャー」「SNS文化の影響」。常時接続社会が生んだ"失敗できない"心理と、共感を生むコンテンツの構造をZ-SOZOKENが解明。

Fiom合同会社

2025年11月24日 10時00分

Z世代に特化したクリエイティブカンパニーFiom合同会社（本社：東京都渋谷区、代表社員：竹下洋平）が運営しているZ世代の実態や価値観を分析するシンクタンク、Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)は、Z-SOZOKEN THINKTANK 最新調査研究レポートの第二弾として『Z世代の気まずいの感覚』についての調査研究レポートの第4章インサイトサマリー「なぜ流行? SNSネイティブ世代だからこそ広がった独自の背景とは?」をリリースしました。

Z世代同世代目線による分析で新たなインサイトを発掘、探求するZ世代特化の調査研究機関「Z-SOZOKEN（Z世代創造性研究所）」が調査研究レポートの第二弾として、『Z世代の気まずいの感覚』について独自に調査いたしました。

本調査は、Z世代当事者によって実施されました。

多様なバックグラウンドを持つZ世代当事者である研究員が、約300名のZ世代を対象にアンケートを実施し、彼らの対人関係における「気まずさ」の正体と、それをコミュニケーションに利用する心理を分析。

全52ページに渡る調査レポートを基に、Z世代が「気まずさ」をどのように捉え、消費しているのかを調査しました。

本調査の第4章では、なぜZ世代の間で「気まずい」という感覚がこれほどまでに流行し、定着したのか、その社会的・心理的背景を深掘りしています。

そこには、SNSネイティブ世代特有の「失敗への過敏さ」や「常に繋がっていることによるプレッシャー」が存在していることが明らかになりました。

誰もが抱く言葉にしにくいネガティブな感情を「共感コンテンツ」として昇華させる、Z世代独自のカルチャー消費のメカニズムについても分析を行いました。

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「失敗できない」プレッシャーが共感を生む。Z世代の流行メカニズム

本調査の第4章から、Z世代における「気まずさ」の流行は、彼らが日々感じている対人関係のストレスと、それを共有したいという欲求に起因していることが判明しました。

「共感」が流行のエンジン
「気まずい」という感情は誰もが経験したことがあるものの、その場では表現しにくい感情です。Z世代はこの「発散しにくい感情」をコンテンツ化することで、他者からの強い「共感」を獲得し、流行の中心へと押し上げました。

SNS拡散への恐怖と「失敗」への過敏さ
Z世代は、一度の失言や失敗がSNSで拡散され、取り返しのつかないことになるリスクを常に意識しています。「明確なミスではないが、相手に不快感を与えたかもしれない」という微細な違和感を「気まずい」と表現することで、予防線を張る心理が働いています。

77%が人間関係に悩みを感じている
「人間関係において難しさや悩みを感じていますか？」という問いに対し、77%が「感じる（よく感じる＋たまに感じる）」と回答。Z世代の大多数が、日常的な対人関係にストレスを抱えている実態が浮き彫りになりました。

SNS文化と既読・未読のプレッシャー
人間関係の難しさの要因として、「SNS文化の影響（22%）」や「既読・未読のプレッシャー（20%）」が挙げられました。常時接続社会ならではの精神的負担が、気まずさを増幅させる一因となっています。

【調査研究レポート解説】第4章「なぜ流行? SNSネイティブ世代だからこそ広がった独自の背景とは?」

レポート本編では、Z世代を取り巻くSNS環境と「気まずさ」の流行背景を複数のスライドで図解しています。ここでは、第4章の主要なスライドの内容をご紹介します。

共感を呼ぶ「言いにくい感情」のコンテンツ化

「気まずい」という感情は、いざその状況に直面しても、その場では口に出しにくいものです。 Z世代は、こうした「その場で発散しにくい感情」をあえて言語化し、コンテンツ化することで、周囲からの「わかる！」という強い共感を集めています。この共感のループこそが、流行の最大の要因です。

SNSネイティブ世代の「失敗」に対する価値観

Z世代にとって、SNS上での小さな失敗は、友人関係の破綻やデジタルタトゥーに繋がりかねない重大なリスクです。そのため彼らは「失敗」に対して非常に敏感になっており、「自分の言動が相手を不快にさせたのではないか」という不安を「気まずい」という言葉で表現し、確認し合う傾向があります。

対人関係の悩みとSNSのプレッシャー

アンケート調査によると、77%のZ世代が人間関係に難しさを感じています。その要因の内訳を見ると、「対人距離の取り方（43%）」や「もともとの性格（40%）」といった内面的な問題に加え、「SNS文化の影響」や「既読・未読のプレッシャー」といったデジタル環境特有の要因が約2割を占めており、SNSが悩みの種になっている現状がデータとして示されました。

「失敗」を「ネタ」に昇華する防衛本能

日常の些細な失敗や、空気を乱してしまった瞬間を「気まずい」と表現することは、他者の目を強く気にするZ世代にとっての防衛策でもあります。

ネガティブな状況を笑いに変え、ネタとして消化することで、彼らは心理的な負担を軽減しようとしています。

調査概要

調査名：Z世代のきまずいの感覚についての意識調査

調査対象：全国のZ世代(18歳～24歳)

調査期間：2025年7月～8月

調査方法：インターネットを利用したアンケート調査

有効回答数：n=299

調査分析：Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所運営：Fiom合同会社)

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Z-SOZOKEN所長のコメント

◆竹下洋平（たけしたようへい）

Z-SOZOKEN（Z世代創造性研究所）所長

Fiom合同会社CEO

2005年生まれ。2021年10月にFiom合同会社を設立。Z世代のクリエイターの創造性を最大化させるをミッションに、Z世代によるZ世代向けのコミュニケーションプロデュース事業、リサーチ＆プランニング事業を展開している。上場企業から大企業、中小企業、ベンチャー、スタートアップ、行政や自治体と幅広い組織の支援実績を持つ。Z世代の創造性を活かし、Z世代向け広告コミュニケーションの上流設計から制作、運用までワンストップで実行支援する。

第4章で見えてきたのは、Z世代が抱える「失敗への恐怖」と、それを乗り越えるための「共感」のメカニズムです。

SNSで常に「見られている」意識が強い私たち世代は、一度のミスで関係が終わってしまうかもしれないという緊張感の中で生きています。

だからこそ、誰にでも起こりうる「気まずい瞬間」を共有し、「自分だけじゃないんだ」と確認し合うことに救いを感じるのです。

企業がZ世代向けにプロモーションを行う際も、完璧でキラキラした世界観だけでなく、こうした「人間味のある失敗」や「あるあるな気まずさ」に寄り添う姿勢が、深い共感と信頼を生む鍵になるはずです。