不安、照れ、謝罪…すべて「気まずい」に変換。Z世代が複雑な感情を一言に要約する「感情の簡略化」現象をZ-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)(運営:Fiom)が分析。
「KY(空気を読めない)」から「きまZ」へ。平成の“空気を読む文化”から進化した、Z世代があらゆる感情を“一言”で片付ける心理的背景と処世術。
Z世代に特化したクリエイティブカンパニーFiom合同会社(本社:東京都渋谷区、代表社員:竹下洋平)が運営しているZ世代の実態や価値観を分析するシンクタンク、Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)は、Z-SOZOKEN THINKTANK 最新調査研究レポートの第二弾として『Z世代の気まずいの感覚』についての調査研究レポートの第7章インサイトサマリー「気まずいの感情の成り立ちと文化的背景」をリリースしました。

Z世代同世代目線による分析で新たなインサイトを発掘、探求するZ世代特化の調査研究機関「Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)」が調査研究レポートの第二弾として、『Z世代の気まずいの感覚』について独自に調査いたしました。
本調査は、Z世代当事者によって実施されました。
多様なバックグラウンドを持つZ世代当事者である研究員が、約300名のZ世代を対象にアンケートを実施し、彼らの対人関係における「気まずさ」の正体と、それをコミュニケーションに利用する心理を分析。
全52ページに渡る調査レポートを基に、Z世代が「気まずさ」をどのように捉え、消費しているのかを調査しました。
本調査の第7章では、「気まずい」という言葉が内包する感情の多層性と、その歴史的・文化的背景に迫ります。
かつて平成の若者が「KY(空気を読めない)」という言葉で場の空気をコントロールしようとしたように、令和のZ世代は「気まずい」という言葉で、不安や照れ、謝罪といった複雑な感情をあえて簡略化し、円滑なコミュニケーションを図ろうとしている実態が明らかになりました。
「語彙力不足」ではない。あえて言葉を濁すZ世代の高度なコミュニケーション
本調査の第7章から、Z世代が多用する「気まずい」は、単なる状況説明ではなく、複数のネガティブな感情を総称する「万能な緩衝材」として機能していることが判明しました。
感情の「簡略化」現象
「不安」「照れくさい」「緊張」「恥ずかしい」「申し訳ない」。これらは本来、別々の感情ですが、Z世代はこれらをすべて「気まずい」の一言で表現する傾向があります 。 感情を細かく言語化しすぎると、相手に重く受け取られたり、説明責任が生じたりします。あえて解像度を下げて「気まずい」と表現することで、深刻さを回避し、相手からの「共感」を得やすくする狙いがあります。
「KY」文化からの進化
かつて「KY(空気を読めない)」という言葉が流行し、場の空気を読むことが是とされた時代がありました。Z世代はその文化を継承しつつ、さらに一歩進んで、何とも言えない微妙な空気や間を「気まずい」と明確に言語化(ネーミング)することで、その場を成立させるという手法を編み出しました 。 空気を読むだけでなく、空気に名前をつけて共有することで、心理的な負担を軽減しています。
【調査研究レポート解説】第7章「気まずいの感情の成り立ちと文化的背景」
レポート本編では、言葉の成り立ちから現代の使われ方まで、Z世代の言語感覚を紐解いています。ここでは、第7章の主要なスライドの内容をご紹介します。
「気まずい」という感情の原点 〜身体感覚から状況説明へ〜

もともと「気まずい」やそれに類する表現(息が詰まるなど)は、身体的・場面的な苦しさを表す言葉でした。それが「友達の失言で場の雰囲気が悪くなる」といった対人関係の文脈で多用されるようになり、現代では個人の内面的な感情を表す言葉としても定着しています。
「KY」から「きまずい」へ 〜空気を読むことが当たり前の世代〜

平成の「KY(空気を読めない)」文化は、空気を読むことを強制する風潮を生みました。SNSの発達により、さらに人間関係に慎重になったZ世代は、その「空気」自体を「気まずい」と定義し、ポップに表現することで対処しています。 かつては「隠すべきもの」だった場の悪さを、あえて口に出して共有するスタイルへと変化しています。
Z世代は感情を簡略化して表現する? 〜複雑な心境を一言にパッケージ〜

「不安」「照れ」「緊張」「恥」「謝罪」といった多様な感情が、「気まずい」という漏斗(じょうご)を通って一言に集約される様子を図解しています。 以前までは明確に言語化されていた感情も、「気まずい」に置き換えられています。これは語彙力の低下ではなく、共感と空気を読むことを最優先するZ世代の「処世術」としての簡略化と言えます。
調査概要
調査名:Z世代のきまずいの感覚についての意識調査
調査対象:全国のZ世代(18歳~24歳)
調査期間:2025年7月~8月
調査方法:インターネットを利用したアンケート調査
有効回答数:n=299
調査分析:Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所 運営:Fiom合同会社)
Z-SOZOKEN所長のコメント
◆竹下洋平(たけしたようへい)
Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)所長
Fiom合同会社CEO
2005年生まれ。2021年10月にFiom合同会社を設立。Z世代のクリエイターの創造性を最大化させるをミッションに、Z世代によるZ世代向けのコミュニケーションプロデュース事業、リサーチ&プランニング事業を展開している。上場企業から大企業、中小企業、ベンチャー、スタートアップ、行政や自治体と幅広い組織の支援実績を持つ。Z世代の創造性を活かし、Z世代向け広告コミュニケーションの上流設計から制作、運用までワンストップで実行支援する。

「最近の若者は『ヤバい』とか『気まずい』しか言わない。語彙力が低下しているのではないか」
大人の方から、そんな指摘をよく耳にします。
しかし、Z世代当事者として断言させていただくと、それは言葉を知らないからではありません。
むしろ、相手やその場の空気に気を使いすぎた結果、あえて言葉を選ばずに「濁している」のです。
例えば、先輩からの食事の誘いを断る場面を想像してください。
「行きたくありません」と言えば角が立つ。「予定があります」という嘘も気が引ける。
そこで私たちは「あ〜、その日はちょっと気まずいですね(笑)」といったニュアンスで、拒絶や謝罪の意を柔らかく伝えます。
本来であれば「申し訳ない」「不安だ」「恥ずかしい」と言語化すべき感情を、あえて「気まずい」という一言に集約(簡略化)する。
そうすることで感情の解像度を下げ、深刻さを回避し、相手との摩擦を減らすことができるからです。
かつて平成の時代に「KY(空気を読めない)」という言葉が流行り、場の空気を壊さないことが美徳とされました。
私たちZ世代はその文化をさらに進化させ、壊れそうな空気に「気まずい」と名前をつけ、ネタとして共有することで修復しようとしています。
「気まずい」は、私たちにとっての最強のクッション言葉であり、ハイコンテクストなSNS社会を生き抜くための、高度な生存戦略なのです。
「Z世代に刺さる気まずさとは何か?〜Z世代の気まずいの感覚を徹底解剖〜」

今回の内容をZ世代当事者のリアルな声と共に深掘り解説する「Z-SOZOKEN ACADEMY」
その第2回目となる講座を、2025年12月9日に、「Z-SOZOKEN ACADEMY 第二回特別講座」の開催を決定しました。
特別講座のテーマは、「Z世代の気まずいの感覚」について。
全52ページにわたる調査レポート『Z世代の気まずいの感覚についての意識調査』 をもとに、Z世代のインサイトを詳しく分析・解説。
そこから、Z世代が抱える「気まずさ」というネガティブな感情を、いかにして「共感」や「エンターテイメント」へと昇華させているのか、そのメカニズムとマーケティングへの応用プロセス(2R1Sフレームワークなど) を、実践例を交えてご紹介します。
さらに、以下のURLよりお申込みいただいた方には、通常11,000円(税込)の参加費を、初回参加に限り"無料”でご招待いたします。
「『気まずい』がなぜトレンドになるのか、その背景が理解できない」
「Z世代に向けたコミュニケーションで、距離感を誤り『痛い』と思われていないか不安」
「ネガティブな感情をポジティブな共感に変える、コンテンツの切り口を知りたい」
そんな課題をお持ちの方は、ぜひご参加ください。
▼「Z-SOZOKEN ACADEMY 第二回特別講座」概要
タイトル:「Z世代に刺さる“気まずさ”とは何か?〜Z世代の気まずいの感覚を徹底解剖〜」
日時:2025年12月9日(火)19:00~21:00
開催形式:オンライン配信(Zoom Webinar)
参加費:通常11,000円(税込)→ 初回限定“無料”ご招待
主催:Fiom合同会社 / Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)
▼スケジュール
19:00-19:40:Z世代リサーチャーによる調査レポート解説
19:40-20:20:現役Z世代当事者によるZ世代リアルボイスが体感できるトークセッション
20:20-20:50:参加者によるZ世代へのリアルタイム壁打ち質問コーナー
20:50-21:00:クロージング
調査研究レポート(全52ページ)を無料でダウンロード
今回ご紹介した内容は、調査レポートのほんの一部です。
レポート本編では、「Z世代が気まずさを感じる具体的なシチュエーション」や「気まずさを活用したマーケティングフレームワーク(2R1S)」など、明日からの企画やコミュニケーション設計にすぐに活かせる実践的な情報を多数掲載しています。
少しでもご興味をお持ち頂きました方はぜひ下記よりダウンロードしてご活用ください。
Z世代への訴求にお悩みの方へ
「Z世代向けの広告が『広告っぽい』と言われ、すぐにスキップされてしまう…」
「リアル風の広告を作っても、Z世代には『巧妙な広告だ』と見抜かれて不信感を抱かれていないか…」
「Z世代が『SNS疲れ』しているのは分かるが、では企業はどうコミュニケーションを取ればいいのか…」
今回の調査結果を見て、少しでもそう感じたご担当者様へ。
弊社はメンバー全員がZ世代当事者で構成されたZ世代に特化したクリエイティブカンパニーです。
Z世代ならではの感性や同世代の視点を活かしたアプローチで、マーケティングリサーチ、戦略設計から企画立案、制作、運用までワンストップで統合的にご支援しております。
Z世代や若年層向けの企画制作マーケティング/ブランディングでお困りの方はお気軽にご相談ください。
「Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)」について

Z世代の創造性で未来を創る。Z世代特化の次世代型シンクタンク。
「Z-SOZOKEN」とはZ世代向けクリエイティブカンパニーFiom合同会社が運営しているZ世代同世代目線による分析で新たなインサイトを発掘、探求するZ世代特化の次世代型シンクタンクです。
Z世代の実態や価値観をZ世代当事者たちが様々な観点から把握・分析。
時代の最先端をゆくZ世代の未知なる文化を解き明かし、時代を切り開く新たな価値観を探求しております。
リアルZ世代起点でZ世代に届く共感を軸としたコミュニケーションやプロモーション設計に活用できる実践的なマーケティング情報を提供しています。
公式サイト:https://z-sozoken.studio.site
Fiom合同会社について

Z世代に特化したZ世代のクリエイティブカンパニー
メンバー全員がZ世代で構成されたZ世代に特化したクリエイティブカンパニー。
Z世代の創造性を基点としたZ世代目線のアプローチを実施。
Z世代向け広告コミュニケーション領域の上流設計から制作・運用まで実行支援する。
時代の最先端をゆくZ世代の感性を活かしたクリエイティブカンパニー。
社名:Fiom合同会社
住所:東京都渋谷区神宮前6丁目23番4号桑野ビル2階
設立:2021年10月15日
代表:竹下洋平
HP:https://fiom-llc.studio.site
本件に関するお問い合わせ
メール info@fiomllc.com
お問い合わせフォーム https://fiom-llc.studio.site/contact
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