住み慣れた家で、続けたい暮らしをつくる。「介護に頼らない家®」の実践
現地の行動観察と機能分析から、住生活シナリオをつくる。2021年に始め、現在も続く住まいのデザイン事業。
2026年10月25日 訂正・補足|2021年10月28日に発表した「介護に頼らない家®」の取り組みは、現在も継続しています。方針に関する記載を訂正しました。
「家族と同じ食卓を囲みたい」「自分で身支度を選びたい」。本人が続けたい暮らしを知り、日常の行動と住環境を一緒に考える。「介護に頼らない家®」は、そのための現地の観察と住生活シナリオづくりを事業として始めた取り組みです。

現地の行動観察から、住生活シナリオをつくる
2021年10月28日、リクエスト株式会社は「介護に頼らない家™」のデザイン事業開始を発表しました。企業の人材開発で培ってきた行動観察と継続を支える知見を、施主とご家族の住生活へ広げた取り組みです。
事業開始後の更新を含む発表本文では、ABAオペレーションズ研究センターおよび公共行動研究室との共同による取り組みとして紹介されています。
施主様とご家族の、できていることと、難しくなりつつある生活行動を、実際の暮らしの中で確かめます。Behavior engineerが相手の立場から行動を観察し、ABAにもとづく機能分析を行います。住居内の安全な行動を無理なく増やすために、この現地の観察と機能分析を踏まえ、住生活シナリオをつくります。

当時、住生活シナリオで特に着目したのは「しゃがんで立ちあがる」「歩幅を広げる」という日常の動きでした。どの場面で行動が始まり、何が続ける手がかりになるかを、現地の観察と機能分析から考え、日光、風、開口部や壁面の工夫も設計に含めました。原発表では、企業向けに培ったNudge Product®を住環境へ取り入れた当社初のケースと位置づけています。機能訓練の場を別につくるだけでなく、慣れた暮らしの中で続けられる形をつくることを目指した実践です。

住環境へ取り入れた Nudge Product® と行動テクノロジー®。発表資料の関連図。
できる生活行動を、住まいの中で支える設計方針
慣れ親しんだ住まいの中で、自分の身体を使って生活し、人と関わる。本事業は、そのために本人ができる生活行動を維持し、難しくなりつつある行動を無理なく支えることを目指しています。
住居内の安全な行動を無理なく増やすため、原発表では「バリアフリー化は原則行いません」という設計方針を示しました。この方針と、現地の行動観察・機能分析を踏まえた住生活シナリオづくりは、現在も続く実践です。小さな行動が日常の中で始まり、続く条件を住まいからつくります。
個々の住まいで何を維持し、何を変えるかは、施主様とご家族の生活行動を現地で観察し、本人の状態と安全に関する条件を確かめて設計します。
住み続けるための設計を考える、公的な資料
国土交通省「高齢者が居住する住宅の設計に係る指針」(2022年3月31日最終改正の掲載版)
高齢者がそのまま住み続けるための基本的な設計上の配慮と、本人の状態に応じた個別の配慮を示す指針です。本事業の設計方針を紹介したうえで、個別の住環境を専門家と検討する際の参照資料として位置づけています。
本人が望む暮らしを、必要な支援とともに。
図:本人と家族の暮らしを、現地の行動観察・機能分析から住生活シナリオへつなぐ。

現地の観察から、住生活シナリオへ。新しい6ページ資料の図。
出発点は、本人が続けたい暮らし
食事、身支度、庭や外の様子を見る時間。本人が大切にしていることと、いま困っている場面を一つずつ聴きます。家族が心配していることも持ち寄り、同じ暮らしの一場面として話します。
本人が選ぶこと、できる範囲で関わること、支援を頼むことを一緒に考えます。「どんな時間を続けたいか」が具体的になると、専門家に相談したい場面や、家族だけでは分からない条件も整理できます。
続けたい活動と、安全に使える環境を一緒に
原発表でも、バリアフリーやユニバーサルデザインの知見の有用性と、それによって助かることを認めています。個別の住環境は、本人・家族と、建築、医療、介護、リハビリテーション等の専門家が、本人の状態、続けたい活動、安全に関わる条件を確かめながら検討します。
国土交通省の住宅設計指針は、転倒・転落を防ぐ基本的な措置と、居住者の状態に応じた個別の配慮を示しています。本人が望む生活の場面を、必要な安全対策と結びつけるための参照資料です。
暮らしの例:食卓へ移る場面を確かめる
たとえば、こんな場面です。「家族と食卓を囲みたい」という希望がある場合、移動する経路、足元の見え方、使う用具、必要な介助、本人が負担に感じる場面を確かめます。
家具の配置や動線の調整を検討するときも、本人が望む行為と安全性を一緒に確認します。この例は運動や住宅改修の個別の指示ではなく、専門家へ相談する前提を整理するものです。
家族それぞれの事情を、話せる一場面から
暮らしの中で、相手が大切にしていることや家族の負担をどう話せばよいか迷う方へ。「公共行動研究室®」では、家庭・学校・地域の身近な場面から、事情の違いと対話を考える材料を公開しています。まず、いまの暮らしに近い場面を一つ読んでみてください。
本人が続けたい暮らしを一つ選び、いま自分でできていること、負担に感じるところ、家族や専門家と確かめたいことを並べてみてください。住生活シナリオを考える出発点になります。個別の住環境は、本人の状態と必要な支援、安全に関する条件を専門家と確かめながら検討します。
発表資料に掲載された開発・事業の背景
以下は、後年の更新を含む発表資料に掲載された、開発内容と会社の紹介です。画像中の年数・実績数は掲載時点のものです。

芸術と応用行動分析学に基づく開発の紹介。

発表資料に掲載された研究開発・共同開発プログラムの紹介。

発表資料に掲載された会社・代表者の来歴。

関連する Nudge Product® の紹介。
Nudge Product®:小さな刺激で行動の始まりと継続を支える
「介護に頼らない家」を広める動機:Tokyo FM取材の紹介
現在の発行主体と公開方針(2026年10月追記)

リクエスト株式会社は、980社・33.8万人の働く人のデータを基盤に、組織行動科学®の研究・教育開発を行っています。「成果につながる方法を、本人が使える仕事へ。」を軸に、仕事の問いから使える図解資料と実践の場を公開しています。

会社名:リクエスト株式会社
代表者:代表取締役 甲畑 智康(こうばた ともやす)
本社:東京都新宿区新宿3丁目4番8号 京王フレンテ新宿3丁目4F


本件に関するお問い合わせ
リクエスト株式会社
メール:request@requestgroup.jp
本事業の考え方や公開資料についてのご質問、暮らしを考える研究の活用、取材についてご相談いただけます。

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