【新刊】研究情報誌『流通情報』の特集は「進化するプライベートブランド」~論文レポート4編のご紹介~

公益財団法人流通経済研究所(東京都千代田区、理事長:青山繁弘)は、『流通情報』2025年5月号を発刊しました。特集「進化するプライベートブランド」では4編の論文を掲載しています。

公益財団法人流通経済研究所

最新号の特集は「進化するプライベートブランド」。日本においてプライベートブランド(PB)は消費者に広く浸透してきており、小売業においてもPBを一層強化する傾向にあります。

近年日本ではPBの普及に加え、大手メーカーとの共同企画によるPBが一般的なものとなり、PBとNBの境界が曖昧になってきました。ECの発展などもふまえ、本特集では国内外のPB動向を確認し、PBの立ち位置や今後のPBの発展を展望します。

URL:https://www.dei.or.jp/information/info01

「進化するプライベートブランド」のポイント

ヨーロッパの先行事例から学ぶ欧州PBの専門家、コーエン・デ・ヨング氏(IPLC)による欧州PBのポートフォリオの拡大、プレミアム化の変遷

消費者の「PB観」はどう変化しているか?国内消費者を対象にした最新調査をもとに、PBの選好傾向をデータで可視化

生協PBの展開 消費者のみならず生産者や製造者にも配慮し、社会にとって「よい」商品をどのように提供しているコープPBを概観

定国内小売業への実践的示唆 欧米のPB政策・事例を参考に、日本の小売業がとるべき方向性を提言


「進化するプライベートブランド」の論文レポート概要

論文レポート① 欧州におけるプライベートブランドの歴史と動向

―IPLC マネージングパートナー コーエン・デ・ヨング(Koen de Jong)

―監訳:神谷 渉((公財) 客員研究員/玉川大学 教授)

プライベートブランドの進化と、近年の欧州における小売戦略を概観した。かつて価格競争の手段として活用されたプライベートブランドは、品質や独自性を重視し、消費者の信頼を獲得した。背景には、消費者の購買行動や小売業の戦略の変化がある。パンデミックなどを経てディスカウンターが成長したことを契機に、従来の小売業者はプライベートブランドの高付加価値商品を拡充した。AIやソーシャルメディアを活用した商品開発やプロモーションや、サプライヤーとの連携による迅速な消費者ニーズへの対応により、プライベートブランドは差別化の手段として存在感が高まっており競争力を維持するための戦略的ツールとなっている。

「欧州におけるプライベートブランドの歴史と動向」より抜粋

■論文レポート② プライベートブランドに関する消費者の意識調査

―(公財)流通経済研究所 常務理事 山﨑 泰弘

―(公財)流通経済研究所 研究員 田嶋 元一

昨今の流通環境や消費環境の変化を受けプライベートブランド(PB)に対する注目度が高まっている。小売のPB戦略は消費者ニーズの多様化に応えるために階層化した商品開発・品揃えが行われ、企業・商品ごとに独自のコンセプトを打ち出すようになった。かつては「安価だが質が劣る」と評されていたPBだが、低価格PBにおいても品質面でも信頼性でも消費者に受け入れられている。物価高と所得の先行きが不透明な環境で、消費者はPBに低価格を求めるが、「価格以上の価値」を実感させることができるPBが、小売業のPB戦略において、ますます重要な位置づけを占めるだろう

「プライベートブランドに関する消費者の意識調査」より抜粋

■論文レポート③ 生協(コープ)とプライベートブランド

―(公財)生協総合研究所 研究員・編集長 鈴木 岳

生協のプライベートブランド(=コープ商品)に関して記した。まず日本の状況をみると、戦前から戦後期を経て、1960年代からさまざまなコープ商品が開発されたが、各単協で開発したものが徐々に日本生活協同組合連合会へ集約されるという歴史があった。いまでは、コープ商品といえば日本生協連の商品が中心的な存在である。一方で、全国でのこだわりを持つ生協のプライベートブランド(PB)も無視しえなく、さらには主な地域生協でもいまも自前のコープ商品が開発されている。また国際的にも、コープ商品は早くから開発されて、いまでも有力な生協では重要な位置を占めている

「生協(コープ)とプライベートブランド」より抜粋

■論文レポート④ 欧米食品小売業のPB動向を踏まえた国内小売業への示唆

―(公財)流通経済研究所 客員研究員/玉川大学経営学部国際経営学科 教授 神谷 渉

西欧の中でもプライベートブランド(PB)大国ともいえる英国では、テスコに代表される上位食品小売業においてすでに定着している高品質なプレミアムラインを強化することでPBの更なる拡大が進展している。また、米国でもウォルマートが高品質のPBラインを新たに展開するなど、同様の動きがある。日本では、定番PBの品質向上が消費者に認知されてきた段階で、今後高付加価値型PBへ強化が模索されることになるだろう。高付加価値型PBにおいては、食品小売業のPBの競合はナショナルブランド(NB)ではなく、レストランなど高付加価値サービスを展開する他業種との競争になっていくことも想定される。PBの進化を捉えるうえで、市場の再定義を行わないと見誤ることになるだろう。

「欧米食品小売業のPB動向を踏まえた国内小売業への示唆」より抜粋

◆『流通情報』2025年5月号の詳細

特集 「進化するプライベートブランド」

寄稿論文「英国のTesco等食品小売チェーンによる食品寄贈の展開 -店舗モデル“FareShare Go”による日配・生鮮品等の寄贈を中心に-」

―(公財)流通経済研究所 理事/専修大学 商学部 教授 渡辺 達朗

―(一社)サスティナブルフードチェーン協議会 特任研究員/専修大学 兼任講師 山﨑 万緋

視点 「フィジカルAIが拓く流通業の未来」

――流通科学大学 商学部 教授/近畿大学デザイン・クリエイティブ研究所 廣田 章光

新刊紹介 Koen de Jong「The Power of Private Label」

―監訳:神谷 渉((公財) 客員研究員/玉川大学 教授)

発行日:2025年5月7日(水)

詳しくはこちら:https://www.dei.or.jp/information/info01

◆研究情報誌 『流通情報』

『流通情報』は、流通活動・マーケティングに関連する重要なテーマに焦点を当てた会員向けの研究情報誌です。

食品業界、小売業、卸売業、物流業などの流通業や研究者・学生など、多岐にわたる分野の関係者に向けて、当研究所の研究員による報告など、他では得られない独自のコンテンツを提供しています。

■発行頻度:隔月刊(年6号刊行)

■購読特典:電子版利用

 ※2017年1月以降のコンテンツ読み放題

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■コンテンツ詳細:

https://www.dei.or.jp/information/info01

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会社概要

公益財団法人流通経済研究所

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業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都千代田区九段南4-8-21 山脇ビル 10F
電話番号
03-5213-4531
代表者名
青山繁弘
上場
未上場
資本金
-
設立
1966年10月