社会人1年目社員の意識調査 理想の上司は「実務サポート型上司」

1位「細かく教えてくれる」、2位「間違いを正してくれる」

ALL DIFFERENT株式会社

累計13,000社420万人以上の組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社(所在地:東京都千代田区 代表取締役社長:眞﨑大輔)および「人と組織の未来創り🄬」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所🄬は2024年10月12日~10月15日、社会人1年目社員300人を対象に意識調査を行いました。本リリースでは社会人1年目社員の理想の上司像などについて調査・分析した結果を公表いたします。

背景

近年、業種や業界、規模を問わず、多くの企業が労働力不足に悩んでおり、社員一人ひとりの能力を伸ばす“育成”への取り組みが重要なテーマとなっています。

しかし人材育成は、一筋縄ではいかない非常にハードルの高いテーマです。実際、当社の調査*においても、部下の成長を導く管理職の最大の悩みは「部下育成」という結果が出ており、部下の指導やコミュニケーションに悩んでいる様子がうかがえます。

特に周囲からの影響を受けやすい社会人1年目社員の育成は、上司とのかかわり方や、業務に取り組む環境などによって、成長が大きく変わります。

本調査では、社会人1年目社員はどのような上司を求めているのか、上司とのコミュニケーションにおける入社前後のギャップなどについて調査しました。

*ラーニングイノベーション総合研究所「管理職意識調査(悩み・課題編)

https://www.all-different.co.jp/download/all/news_20240905.pdf

〈調査結果の概要〉

◆“上司とのコミュニケーション”について入社前後のギャップ、「あり」は34.0%。

「なし」が66.0%で過去最多

◆ ギャップ「あり」のうち、「想像以上に良かった」は43.1%、「想像以上に悪かった」は56.9%

◆「想像以上に良かった」と感じた1年目社員の受け止めは「嬉しい」・「安心」が高く、

「想像以上に悪かった」と感じた1年目社員は「貢献したい」がトップ

◆“理想の上司”は「具体的に手順を細かく教えてくれる」・「間違いを指摘して正してくれる」

〈考察〉1年目社員の成長の引き出し方

◆調査結果の詳細

1.“上司とのコミュニケーション”の入社前後のギャップ、「あり」は34.0%。「なし」は66.0%で過去最多

まず、上司とのコミュニケーションについて、入社前に想像していた状況と現実の差異について調べました。「入社前と入社後でギャップはありましたか」という質問に対し、「ギャップあり」と回答した人は34.0%、「ギャップなし」と回答した人は66.0%でした。

この調査結果を過去2年間のデータと比較したところ、入社前後で「ギャップあり」と答えた割合は2022年が57.7%、2023年が64.7%で、ともに「ギャップあり」と回答した割合は、「ギャップなし」よりも高い結果でした。2024年ではその割合が逆転し、3年間で「ギャップなし」と答えた割合が最大になりました。(図1)

2.ギャップを感じた社会人1年目社員、「想像以上に良かった」43.1%、「想像以上に悪かった」56.9%

続いて上司とのコミュニケーションについて、入社前後でギャップがあったと回答した人に、そのギャップが想像以上に良かったのか、悪かったのか質問しました。

結果、「想像以上に良かった」と回答した割合が43.1%、「想像以上に悪かった」と回答した割合が56.9%となりました。(図2)

3.「想像以上に良かった」と感じた1年目社員の受け止めは「安心」・「嬉しい」が高く、 「想像以上に悪かった」と感じた1年目社員は「貢献したい」がトップ

さらに上司とのコミュニケーションについて入社前後でギャップを感じている社会人1年目社員は、そのギャップをどう感じ取ったのかを調べました。

想像以上に良かったと答えた群では、「嬉しいと思った」「安心した」がともに52.3%で最多でした。次いで「不満を抱いた」(9.1%)、「会社を辞めたくなった」(6.8%)が続きました。半数以上がポジティブな回答を選んでいるものの、一部にネガティブな受け止めも見られました。

想像以上に悪かったと答えた群では、「貢献したいと感じた」(32.8%)が最も多く、「落ち込んだ」(31.0%)、「成長の機会だと感じた」(25.9%)が続きました。そのほか、「大変だと感じた」(22.4%)、「不安に感じた」(20.7%)などネガティブな回答の割合が、「想像以上に良かった」と答えた群に比べて高くなりました。(図3)

4.“理想の上司”は、「具体的に手順を細かく教えてくれる」がトップ

最後に、自分のキャリアアップにつながる“理想の上司”はどんな上司か質問しました。

結果、「具体的に手順を細かく教えてくれる」が26.7%で最も高く、続いて「間違いを指摘して正してくれる」が25.3%でした。3位は「誰に対しても公平でえこひいきしない」で、20.7%となりました。(図4)

◆まとめ

本調査より、上司とのコミュニケーションについて入社前後で「ギャップあり」と答えた社会人1年目社員の割合は34.0%で、「ギャップなし」は66.0%ということが明らかになりました。この3年間で「ギャップなし」と答えた割合は、今回が最も高くなったことから、社会人1年目社員が入社前に上司との関係性をイメージできていることや、あるいは現場の上司がより積極的なコミュニケーションを心掛けているケースが増えていることが推察できました。

また、ギャップの良し悪し及びギャップの受け止め方では、ギャップの内容が「想像以上に良かった」と回答した人が約4割いたのに対し、「想像以上に悪かった」と回答した人は約6割となりました。しかし、「想像より悪かった」と答えた群においても、3人に1人が「貢献したいと感じた」、4人に1人が「成長の機会だと感じた」と答えており、社会人1年目社員の前向きな姿が表れました。

自分のキャリアアップにつながる理想の上司像は、回答が分かれる結果になりましたが、「具体的に手順を細かく教えてくれる」と「間違いを指摘して正してくれる」が特に高い割合になったことから、実務に即して具体的な指導を望む傾向があることが読み取れました。

◆考察 1年目社員の成長の引き出し方

今回の調査で、上司とのコミュニケーションについて社会人1年目社員が入社前に想像していた状況と現状のギャップがこの3年間で最も低いことが分かり、良い変化が読み取れました。さらに、「想像より悪かった」と答えた1年目社員においても、そのギャップをどう受け止めたかという質問では「貢献したいと感じた」と前向きな回答が最多でした。

コミュニケーションの状況について入社前の想像と異なっていたとしても、上司が適切に業務アサインを行い、改善点を指摘することで、貢献意欲につなげられる可能性が示唆されました。

また、理想の上司としては「具体的に手順を細かく教えてくれる」「間違いを指摘して正してくれる」という回答割合が高くなったことから、上司に対し実務面でのサポートを求めていることが明らかになりました。

社会人1年目社員は、上司からの適切な指導や指摘を通じて、自身の克服すべき点や伸ばしていくべき強みに気づき、成長に向けた具体的なアクションに踏み出すことができます。しかし、このような指導・サポートが十分に実践できておらず、社会人1年目社員の成長が思うように進んでいない現場もあるでしょう。

多くの現場ではOJT(On the Job Training)を実施していますが、OJTの成功の鍵は「計画的・意図的・継続的」に取り組むことです。業務を通じた育成計画が立てられているか、立てた計画を実行できているか、その中でも業務の指示の仕方や業務遂行中のコミュニケーションが適切かを点検するとよいでしょう。

コミュニケーションの見直しについては、以下のポイントについてチェックしてみてください。

見直しポイント①【業務指示】

業務指示の過程で、社会人1年目社員は具体的に手順を細かく教えてもらうことを望んでいますが、手順を伝える前に、業務の目的や成長目標(その仕事を通じてどのような知識・スキル・マインドを身に付けてもらいたいか)を伝達すると、成長への意欲をより高めることができます。

また、順調に成長している1年目社員に対しては、果たしてほしい役割を伝達したうえで、自身で手順を考えてもらうように指示の仕方を変えていくと良いでしょう。これにより、与えられた役割を実現するためにどのように業務を遂行するかを考えて行動する基礎ができ、2年目以降での活躍につながります。

見直しポイント②【誤りの指摘】

上司や先輩からの指摘で気づかせることに加えて、内省支援(業務経験を通して得たものを今後の仕事で効果的に生かすためのサポート)ではコーチングなどを交えながら、業務が成功した要因や教訓に自ら気づけるように導くことで、育成対象者のさらなる成長につながります。

1年目社員にとって、入社後1年は社会人としての土台創りの時期です。企業や管理職は、今後の社会人人生に大きな影響を与えることを認識して育成に取り組むことが求められます。

事業会社を経てALL DIFFERENT株式会社(旧トーマツイノベーション/ラーニングエージェンシー)に入社。研修講師とコンサルタントを兼務し、サービスの企画・開発、研修講師育成、中堅~大企業に対して研修の企画・提案および実施などをはじめとした人材育成支援に従事。その後、サービスの企画・開発部門のリーダーとして、アセスメント・サーベイ、対面研修、オンライン研修などの新サービスを企画・開発。研修講師育成のリーダーとしても活動。研修講師としては公開講座や企業内研修等で、管理職研修を中心に年間100回以上の研修を実施。

ALL DIFFERENT株式会社

事業開発推進本部 コンテンツマネジメント部 部長

河合 司真子(かわい・しまこ)

◆調査概要

調査対象者

社会人1年目の就労者

調査時期

2024年10月12日~10月15日

調査方法

調査会社によるインターネット調査

サンプル数

300名

属性

(1)業種

農業,林業 6名(2.0%)

漁業 0名(0.0%)

鉱業,採石業,砂利採取業 1名(0.3%)

建設 12名(4.0%)

製造業 35名(11.7%)

電気,ガス,熱供給,水道業 3名(1.0%)

情報通信業 21名(7.0%)

運輸業,郵便業 5名(1.7%)

卸売業,小売業 18名(6.0%)

金融業,保険業 5名(1.7%)

不動産業,物品賃貸業 4名(1.3%)

学術研究,専門・技術サービス業 9名(3.0%)

宿泊業,飲食サービス業 13名(4.3%)

生活関連サービス業,娯楽業 1名(0.3%)

教育,学習支援業 17名(5.7%)

医療,福祉 52名(17.3%)

複合サービス事業 7名(2.3%)

サービス業,他に分類されないもの 28名(9.3%)

公務 9名(3.0%)

その他 16名(5.3%)

わからない 38名(12.7%)

  

(2)企業規模

1-50名        73名 (24.3%)

51-100名        45名 (15.0%)

101-300名      51名 (17.0%)

301-1000名    28名 (9.3%)

1001-5000名  28名 (9.3%)

5001名以上     25名 (8.3%)

わからない    50名 (16.7%)

*本調査を引用される際は【ラーニングイノベーション総合研究所「社会人1年目社員の意識調査(理想の上司編)」】と明記ください

*各設問において読み取り時にエラーおよびブランクと判断されたものは、欠損データとして分析の対象外としています

*構成比などの数値は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%とならない場合がございます

ラーニングイノベーション総合研究所について

当社の研究機関、ラーニングイノベーション総合研究所(以下、LI総研)は、「人と組織の未来創り🄬」に関するさまざまな調査・研究活動を行っております。
LI総研はデータに基づいた最適な解決策もご提供し、お客さまの組織開発をサポートしております。

ALL DIFFERENT株式会社について

当社は、組織開発・人材育成支援を手掛けるコンサルティング企業です。「真の未来創りの伴走者」として、人材育成から、人事制度の構築、経営計画の策定、人材採用に至るまでの組織開発・人材育成の全領域を一貫してご支援しております。

代表取締役社長 眞﨑 大輔

本社所在地  〒100-0006 東京都千代田区有楽町 2-7-1 有楽町ITOCiA(イトシア)オフィスタワー 15F(受付)・17F・18F

支 社     関西支社、中部支社

人員数     316名(2024年4月1日時点)

事 業    組織開発支援・人材育成支援、各種コンテンツ開発・提供、ラーニングイノベーション総合研究所による各種調査研究の実施

サービス 定額制集合研修「Biz CAMPUS Basic」/ライブオンライン研修「Biz CAMPUS Live」

ビジネススキル学習アプリ「Mobile Knowledge」/ビジネススキル診断テスト「Biz SCORE Basic」

IT技術習得支援サービス「IT CAMPUS」/デジタルスキル習得支援サービス「DX CAMPUS」

管理職アセスメント「Discover HR」「Competency Survey for Managers」/人事制度構築支援サービス「Empower HR」/経営計画策定支援サービス「Empower COMPASS」/転職支援サービス「Biz JOURNEY」ほか

URL https://www.all-different.co.jp/corporate

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代表者名
眞﨑 大輔
上場
未上場
資本金
-
設立
2006年02月