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日本初のビーチマットとユニバーサルビーチが須磨ビーチに導入されるまで

#企画の裏側  #創業ストーリー  #ユニバーサルデザイン

2021年2月24日 13時30分 NPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクト

『みんなの「できない」を「できた!」に変える』を合言葉に、障がいを持っていても誰もが海を楽しめるユニバーサルビーチを須磨に導入したNPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクト(所在地:兵庫県神戸市、代表:木戸俊介)。須磨から全国へ、ユニバーサルビーチの普及をしている“出張ビーチマット”の導入数がが18都道府県20ビーチに至りました。

 

そんな須磨ユニバーサルビーチプロジェクトの創業エピソードと導入企画の裏側をお話しさせていただきます。

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【突然の交通事故で車椅子に】

 

須磨ユニバーサルビーチプロジェクトの代表である木戸は、大手広告代理店に勤務していた2015年のある日、交通事故のため脊髄損傷になりました。下半身の完全麻痺と診断され、現在は車いすでの生活をしています。

 

完全麻痺の場合、日本では車いすで生活するためのリハビリが中心で、歩くためのリハビリを行っている施設はほとんどありませんでした。そこで、リハビリ医療の最先端をいくオーストラリアで歩くためのトレーニングをすることになりました。

 

【オーストラリアのビーチは誰もが楽しめるユニバーサルビーチ】

  

リハビリ先のオーストラリア東海岸のゴールドコーストでは、海岸に「ビーチマット」が敷かれていて、波打ち際まで自分の力で車いすを動かして行くことができ、そこから水陸両用車いすを使えば海へ入ることもできました。

 

気持ちの上では「障がいがあってもなくても変わらない」という心がまえでいるけれど、物理的な面では障がいのある人の方が諦めなければならないことが多いのも事実です。ゴールドコーストでは友だちと同じように海へ入ることができました。これを日本でも実現させたい、体験してほしいと感じました。

 


【まずは仲間集め】

 

帰国前から知り合いの海の家の店主に相談を持ちかけました。それからは人が人を呼び、活動をともにしたいという神戸・須磨の海が好きな12人の有志メンバーが集まりました。メンバーは、障がい者・ライフセーバー・サラリーマン・海の家オーナー・公務員・看護師・医師・報道関係者からなり、普段は全く異なる仕事をしていました。

 

しかし、共通している想いがありました。それは、「既成概念をぶち破りたい」という想いでした。その既成概念とは「車いすでは海を楽しめない」です。須磨を車いすの方とそのご家族が一緒に海を楽しめる、素敵なユニバーサルビーチにすることを目標としました。

 

 

【偶然?必然?での出会い】

 

須磨のビーチに、ビーチマットを導入することにし、仲間も集まりました。

 

しかし、このマットを日本で導入している海岸はまだなく、製造・販売しているメーカーもありませんでした。

 

どうやってアクションをとっていこうかと困っていたろころに奇跡が訪れました。

 

神戸ライフセービングクラブに 古中信也 という日本で唯一の車椅子ライフセーバーがいたこと、ユニバーサルビーチを目指してビーチマットの導入を検討し始めていたところ、神戸ライフセービングクラブと、オーストラリア・ゴールドコーストのバーレイ・ヘッズ・ライフセービングクラブがフレンドシップの関係があったこと、この奇跡があり導入が加速しました。

 


【ビーチマット検証】

 

自分たちで、身の回りのモノを利用しビーチマットを作ろうと考え、代用品のアイデアを募ったところ大きな反響となり、たくさんのアイデアが集まりました。いただいたアイデアで実際に可能かどうか検証しましたが安全面に不安が残る結果となりました。安全面だけは妥協できないので、アメリカから輸入することに決めました。

 

 

【クラウドファンディングに挑戦】

 

しかし、海外からマットを購入するために必要な金額は130万円でした。どうしても海を諦めている方の力になりたいと思い、クラウドファンディングに挑戦することを決めました。私たちの想いが届き167人から159万円の支援が集まりました。たくさんの人の思いが集まり、ビーチマットを日本の須磨に導入することができました。

 

【須磨の海にビーチマット導入】

 

ビーチの砂浜に海岸に向かって伸びる青いマットを敷くことができました。車いすの方も介護者や家族の方と一緒に砂浜を通り波打ち際まで行くことができるようになりました。

 

遠くから眺めることしかできなかった海を、誰もが・みんなで楽しむことができるようになりました。

  

 

【ビーチマットの意外な良いところ】

 

このビーチマットの良かったところは設置・撤去に人手がいるということです。デメリットにしか見えないのですが、このおかげでたくさんの市民ボランティアの方が集まってくださりました。そのボランティアの方の人数はひと夏で100人を超えました。

 

私たちだけがつくるのではなく、みんなでユニバーサルビーチをつくっていくことができると感じました。障がいがあっても関係なく、みんなで助け合い楽しむこの場は、今ではみんなの大切なサードプレイスとして機能しています。

 

 

【ヒッポキャンプ導入】

  

マットで波打ち際までいけるようになると、海に入りたくなります。大きな反響とたくさんのご要望に応えるために、水陸両用車イスであるヒッポキャンプを導入することを決めました。導入のために寄付を募った結果、本当に多くの方がご支援くださり、82万円が集まりました。

 

ヒッポキャンプが導入され、車いすのまま海に入ることができるようになりました。初めて海を体験した方の笑顔を一生忘れることができません。

 

 

【夢が1つかなう】

 

ビーチマットとヒッポキャンプのおかげで、海を楽しむことを諦めていた方も含め本当に皆さんに、海をご家族で楽しんでいただくことができるようになりました。人が人を呼び、ビーチマットで渋滞が起こりました。ひと夏で133名もの方が利用されました。このビーチが「できない」ことが「できた」に変えられる、何かに挑戦するきっかけの場所になってほしいと考えています。

 



<法人概要>

法人名:NPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクト

所在地:兵庫県神戸市長田区駒ヶ林町1丁目14-10ドルフ21-102

代表者:木戸俊介

設立:2017年11月2日

URL:https://sumauniversalbeach.com/

事業内容:みんなの”できない”を”できた!”に変えるを合言葉に、障害を持っている方やお年寄り、小さなお子さんまで、誰もが楽しめるユニバーサルデザインなビーチを普及していく活動をしています。


<問い合わせ先>

事務局長 土原翔吾

HP:https://sumauniversalbeach.com/ のフォームより

TEL:080-3782-4405

e-mail:sumauniversalbeach@gmail.com


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