10周年を迎えるレバンガ北海道が築く、ファンベースの新たなスポーツビジネス展開とは

バスケットボール

2020年5月20日 10時00分レバンガ北海道

B.LEAGUE に所属するプロバスケットボールチーム、レバンガ北海道は来シーズンで10周年を迎える。これまで築き上げてきたクラブの存在を、さらに世の中の人々にとってなくてはならないものとするべく、「オンラインファンサロン」をスタートした。

4月1日に選手個人のサロン「ASAHI TOWN」を開設、5月14日にはクラブのファンサロン「One Hoop」が開設。その経緯は？

代表取締役CEO　横田陽（以下、横田）：プロスポーツチームにとって重要なステークホルダーである「ファン」との関わりを考えたときに、これまでは単一的な情報発信や、顔の見えない状況でマスマーケティング中心の空中戦を行っていましたが、よりファンの皆様と双方向でコミュニケーションをとっていくことで、新たな気づきや繋がりを深めることにより、更なる共感や愛着を持っていただきたいという想いで、ファンサロンを開設することにしました。

代表取締役CEO　横田陽

なぜサロンなのか？新たな収益源となりうるのか？

横田：現在の新型コロナウイルス感染拡大によって、人々の生活や社会インフラが激変する中、プロスポーツチームとしても事業領域を拡げていくことは経営課題の一つでもありましたが、あくまでもサロンを始める理由は、収益化ではなく、前述のファンとの「繋がり」を深めることが主たる目的です。

ファンベースとして、クラブの価値に対して支持をしてくださっている方々に、より深い関係構築を図ることで、ファンのコア化を進め、LTV（Life Time Value）を上げていきたいと思っています。

先行した「ASAHI TOWN」は開設から1ヶ月が経過。運用してみての効果や反響は？

広報・PRディビジョン　山本千枝子（以下、山本）：まずはサロンの開設にあたり、相当な準備をしてきました。既存のファンクラブや無料のSNSがある中で、オンラインサロンがなすべき役割や特徴の理解から始まり、サロンのコンセプトやコンテンツ、料金設定など、協力会社のインディテール様から知見をいただきながら、オーナーである多嶋朝飛選手と何度も議論を重ねてきました。

広報・PRディビジョン　山本千枝子

開設後は多嶋選手とスタッフで、1週間単位で投稿内容を考えてスケジュール化し、どちらかが投稿するスタイルで進めています。オンラインサロンの特徴でもあり、このASAHI TOWNでも大事にしていることは、「サロンメンバーと一緒に創り上げる」という点です。ファンクラブのようにクラブが出したサービスをファンが楽しむ、SNSのようにクラブや選手から一方的な情報発信をするというものではなく、サロンメンバーが知りたいこと・見たいことは何かに耳を傾け、それに応えていくことがベースにあります。

現時点（5月9日現在）で83名のサロンメンバーの方々がASAHI TOWNに集っています。83名全員の感想を細かく聞き取ることはできていませんが、サロンメンバーがこのサロン内でプラスの感情を得てくださっていることは日々のコメントから感じています。まだまだ走り出したばかりなので、日々新しいことにチャレンジしてはサロンメンバーの反応感じての繰り返しではありますが、この空間をより良いものにしていこうと、サロンメンバーの方々も前向きにコミュニケーションをとってくださっているので非常に有難いです。

今後の課題や目標は？

山本：「ASAHI TOWN」「One Hoop」の両オンラインファンサロンが目指している姿は、サロンメンバーの皆さんにとって唯一無二の空間となること、そしてこのコミュニティをきっかけに、ホームゲームの熱狂を共に創り上げていくファンを増やしていくことです。新型コロナウイルス感染拡大の影響で昨シーズンは1/3試合を残し終了、次シーズンの開幕時期も不確実で、試合などのメインコンテンツを発信できない中ではありますので決して簡単ではありません。その中でも、サロンメンバーの皆さんの想いや声に耳を傾け、楽しんでいただけるコンテンツを日々丁寧に考えてコミュニケーションをとっていくことが課題です。