レバンガ北海道を支援しているスポンサーは現在250社を超える。企業によって経営課題や求めるメリットが異なる中、単純な露出広告営業ではなく、ソリューション型営業により、スポンサーという枠を超え、パートナーシップを築くことを目指して「寄り添う」営業を推進している。

今回は、スポンサー権益を活かした企業認知やロイヤリティーを高めたアクティベーション事例について、大豊資材工業株式会社 代表取締役の大関徹氏(以下、大関)とレバンガ北海道代表取締役CEO横田陽氏(以下、横田)に話を聞いた。

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-スポンサーになるきっかけと実際に良かった点をお聞かせください。-

(大関)　まず、我々はBtoB というビジネス形態であり、広告というのは論理上必要ないと思われています。かつての建設業界は目立つことを避けるという時代もありましたが、今はその風潮も変わってきており、ある程度の露出をしていくような方向性に切り替わってきました。

また、新たに人材を獲得するには認知度を上げる必要があると感じていましたので、そのタイミングでレバンガさんからオファーをいただき、そこに挑戦しようと思ったのがきっかけで、支援させていただいております。バスケットボールが好きなお取引先もいらっしゃるので話題になるということや、権益で提供いただくチケットをお渡しすると大変喜んでくださっています。

　レバンガ北海道を支援した一番の狙いは、若い学生さんに対して認知度を上げること。学生向けの合同企業説明会を行う際に BtoC企業の認知度に比べると、行き詰まりを感じていましたので。会社の名前を聞いただけでイメージできるのは大きなアドバンテージがあると思います。

　そういった経緯の中で、スポンサー契約後はやはり学生さんへのヒット率や採用応募数というところは非常に上がりました。レバンガさんは圧倒的にファンの年齢層が若い。子どもたちは小学校でバスケットボールに接しますし、そのプロチーム、憧れの存在としてレバンガを認識している。レバンガをきっかけに幼少期から長い時間をかけて記憶に刷り込まれ、大豊資材工業という名前を知ってもらうことができれば、非常に嬉しい効果と言えます。

実際に採用において学生さんが集まってくれたということが一番よかった点だと思っています。

-レバンガ北海道としてBtoBの企業に対してのアプローチはどのようなものだったのでしょうか-

(横田)　スポンサーの割合としてはBtoC企業が大半ではあるのですが、我々の営業は企業の皆様の経営課題に対してチームや選手といったコンテンツを活用してどのような解決提案ができるのかを考えております。

今回は建設業界全体の課題ともいえるイメージ戦略や認知度向上による採用実績を高めていきたいということでしたので、まずは弊社の強みである若年層へのアプローチを考えました。選手の等身大ロールスクリーンに広告を掲出いただき、アリーナ内外に設置することでフォトスポットの役割も備えたことから、お客様が記念撮影し、自身のSNSで拡散いただくことができたと思います。

-採用という面でも手ごたえはありましたか？-

(大関)　採用への手ごたえはありました。採用スタッフやHP、パンフレットを変えた等の要因もあるかもしれませんが、間違いなくレバンガ北海道の効果はあったと思います。元々バスケットが好きできたえーるに通っているうちに社名が目について認識するようになったという学生もいました。建築資材という商材や業界も一般の方には馴染みが少ないため“大豊資材工業”という名前自体の認知はまだ足りないと思いますが。

-実際に足を運んだ時に会場を見ていかがですか？-

(大関)　多いときは5～6千人入るような会場に自分たちの会社の名前が出ることに関してはもちろん気分の悪いことではないですね。一方で、影響力が大きいと感じるからこそ、名前が出れば出るほど責任は大きくなる。世間を騒がせるような不祥事や事故を起こしてはいけないという社会的なプレッシャーや責任感にもなっています。

また、年に一回チケット代を会社で出して、社員ほぼ全員で観戦をするような社内イベントをやっています。バスケットボールに対してネガティブな印象を受けている社員はいないようで、スポンサーになる以前より間違いなく一体感が増してきていると感じています。

-スポンサーになった効果を測るということはできるのでしょうか？-

(横田)　現在は広告換算値とファンのエンゲージメントを数値化して大豊資材工業様にご提出しております。広告換算値とは、メディア露出価値について、独自の指標を用いて、TV（中継・ニュース）、新聞・雑誌、オンラインニュースにおけるクラブスポンサーのメディア露出価値を調査・分析し、効果的な露出に対するインサイトを提供するものです。ファンエンゲージメントの数値化は、ファンクラブ会員やSNSのフォロワーなどを対象に、パートナー企業に対する意識、態度を分析することで、協賛効果の可視化を行っています。それにより、企業への好感度や検索件数がスポンサー以前と今ではどうなっているのかを数字でお示しできるようにしています。

-クラブ側からこういった報告をいただくのはいかがですか-

(大関)　スポンサーを集めた説明会で、こういった分析資料を提示されていて、スポンサーとしてお金を払うというのはこういうことなのだと驚きました。バスケットボールが好きだから頑張ってお金を払って支援するだけだと思っていたのですが、スポンサー支援というビジネスで考えていただいている。単なるスポーツへの情熱や支援を求めるだけではなくて、こちらが抱える課題解決の形を提供いただけるというのは非常に驚きました。我々の出しているお金がこういった形になっているという、可視化された資料をいただけるのは非常にありがたいですし、満足につながっています。認知度が上がったであろう、といった抽象的な印象だけではなく、数値化されたアウトプットを出していただけるからこそ、また来年もスポンサーを続けようかと具体的に検討できる。

(横田)　我々も数字が明らかになってくるからこそ、求められる価値に見合うチームとなり、露出効果をより高められるようにならなければいけないというプレッシャーも感じております。

(大関)　そうですね。広告露出の数字もさることながら、ぜひチームの成績の方も頑張っていただきたいですね。我々スポンサーはお金を出して支援することのほかに、叱咤激励してねじを巻くことも仕事かなと思っていますので、是非地区優勝とかも目指していってほしいですね。

-これから期待することは-

(大関)　大豊といえばレバンガだね、みたいなところまで行くのは10年20年かかることだと思いますし、できる限りは続けていくということも必要だと思っています。

　商社は信用取引というものが重要になってきます。ものを先に渡してお金をいただくため、信頼関係というものが必要不可欠です。レバンガさんのような認知度のあるクラブとタイアップさせていただくことで相手の受ける印象というのは変わってきていると思います。そんな会社が変なことしないだろう、というようなイメージを持ってもらえるというのは信用の獲得の一助に間違いなくなっています。

今はどこも新型コロナウイルスの影響がありますが、困難な状況だからこそプロスポーツから元気や希望をもらえる人は多いだろうし、スポーツの持つポジティブな要素は社会や国をよい方向に変えていける力があると思います。

我々の状況も決して楽とはいえないですが、こういう時だからこそスポンサーとして支えていきたいと思います。

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