海外プロサッカーリーグに参戦する唯一の日系チーム アルビレックス新潟シンガポールが進める下部組織構築

#サッカー  #シンガポール  #アルビレックス新潟

2020年5月20日 10時00分 ALBIREX SINGAPORE PTE LTD


アルビレックス新潟シンガポールは2020年2月4日にアルビレックス新潟シンガポールU-15(以下U-15)に続く下部組織としてアルビレックス新潟シンガポールU-17(以下U-17)の設立を発表しました。


設立発表後のトライアウトを経て、2020シーズンの選手を確定しトレーニングを開始していましたが、現在は新型コロナウイルスの世界的感染拡大に伴い、オンライントレーニングのみの活動となっています。


本稿ではU-17設立に至った経緯に絡め、我々のシンガポールサッカーに対する想いを共有したいと思います。



■アルビレックス新潟シンガポールがシンガポールに存在しているということ

アルビレックス新潟シンガポールは世界で唯一外国リーグに参戦する日本人チームとして2004年よりシンガポールリーグに参戦していますが、2018年より、チームへの年齢制限*がかかると同時に、シンガポール人選手の獲得が認められて以降、純粋な日本人チームではなくなり、年々チーム構成におけるシンガポール人選手の割合を高めています。


2018年在籍のアダムスワンディ選手


SPL(シンガポールプレミアリーグ)へは今年で参入17年目を迎え、これまでカップ戦なども含め14回の優勝を数えますが、日本で例えるとJ1リーグにブラジル人チームが来て、リーグやカップ戦のタイトルをさらっていくようなもの。いつ参戦拒否の声が大きくなってもおかしくない中、SPL各チームやシンガポールサッカー協会の理解、そして何より、地域の方々と信頼関係を築きクラブを応援していただいているからこそ、活動を続けてくることができました。


地域との関わりの一例としては、コミュニティーや行政と一緒にサッカーアカデミーを設立し、地域の子どもたちのサッカー指導を行うほか、旧正月のお祝いイベントや清掃活動へ選手・スタッフが一緒になってボランティアとして参加しています。また、2013年からはホームゲーム入場者1名につき1SGDをスタジアム近隣のコミュニティセンターに寄付しており、現在までに総額132,183SGDの寄付となりました。


定期的に提携ローカルサッカースクールとトップチーム選手・スタッフの交流イベントを開催しています。


そうした背景の中、アルビレックス新潟シンガポールはシンガポールへの恩返しをこれまで以上に形にしていきたい、シンガポールサッカー界への貢献度を高めていきたい。

そんな思いがクラブ全体で膨らんでいます。


(年齢制限*)オーバーエージ枠1名, 23歳以下50%, 21歳以下50%

(YAFA*)ホームタウンであるYuhua行政区と手を取り合い、子どもたちのサッカー技術の向上とサッカーを通じた人間形成を目的として2014年に設立



■東南アジアとシンガポールサッカー

現在、東南アジアのサッカー界ではタイやベトナムをはじめ近隣諸国が着実に力をつけています。また、インドネシアではサッカー熱が爆発し、各試合熱狂的なサポーターでスタジアムが満員になるほど、サッカー人気の高まりを見せています。


シンガポールも日本人である吉田達磨氏を代表監督に招聘し、若者の育成を含めたシンガポールサッカー全体の強化に力を入れ、より活気のある国内リーグを目指す動きが高まっています。こうした経緯を受け、クラブとしても、将来シンガポールを担う育成年代の選手たちに対し、高いレベルでサッカーに取り組むことのできる環境を用意していくことは重要なミッションであると認識を強めました。


そこでクラブとして2019年にU-15を設立し、トップチームまで一貫したビジョン、方向性のもとで若い世代の競技力と人間形成両面において成長を図ることを主眼に置き、下部組織の構築を進めています。


クラブの下部組織構築イメージ



■クラブの手応えと若手シンガポール人選手の期待感につながったU-15の初年度

U-15はシンガポール人+外国籍枠2名で構成され、シンガポール代表通訳兼アシスタントスタッフの石橋稜コーチ(現アルビレックス新潟 U-11/10コーチ)の元、設立初年度の活動をスタートし、文化の違いに苦慮しながらも日本式のトレーニングを重ねました。


2019年6月より国内同カテゴリーリーグに参戦し、結果としては15チーム中10位の成績でしたが、アルビレックス新潟シンガポールの下部組織の一員として、これまで経験したことのないトレーニングや規律のもとで日々を過ごした選手たちの表情は1シーズンで大きく変わっています。実際にシーズン序盤は負けが続いていたものの、終盤は国内のアスリート育成機関であるシンガポールスポーツスクールを撃破するなど、急速な成長を実感したほか、シンガポールサッカーとの融合に一定の手応えを感じているところです。


アルビレックス新潟シンガポール U-15 シーズン最終戦を終えて


2020年、設立発表後すぐに告知したU-17のトライアルには申込期間3日で約300名もの応募があり、シンガポール人の若手選手の中での強い期待感を認識することとなりました。


クラブ全体として同じ方向を見て進むため、U-17の監督はトップチームの藤本雄基コーチが、U-15のGKコーチにはトップチームのGKハイロニザム選手が就任し、クラブコンセプトの共有を図っています。


また、U-15からU-17へ4名の内部昇格、U-17から2選手のトップチーム登録を行い、一つ上のカテゴリーでのトレーニング参加を通して、選手視点からも一貫した方向性を実感してもらうことやチームコンセプトの理解促進、個人課題の発見に役立ててもらうことを重要視しています。


もちろんこのような取り組みは選手のみならず、指導者へ向けた想いも込めています。U-15、U-17ともにローカルコーチを採用し、我々が持つ日本的な文化下でのトレーニングに触れてもらうことでシンガポールの指導メソッドにも刺激を入れていくことを目指しています。


下部組織構築はまだ1シーズンを経過したばかりであり、施策の定期的な見直しを行いながら、今後も進めていきたいと考えています。


トップチームとU-17の2種登録選手であるMF オンユーエン選手



■これからもシンガポールとともに

シンガポール人選手には日本人選手と比べて驚異的な瞬発力、フィジカルを持つ選手がいます。アルビレックス新潟シンガポールでは、世界を見据えて日本サッカーが学んできたことをシンガポールにも還元することで、アジア諸国やオーストラリア、そしてJリーグへと羽ばたき、シンガポールを代表する選手を育てたいと思っています。


シンガポールでもサッカーを仕事にしたいと願う選手が増え、サッカーで大きく成功したいと夢を見る。そんな姿を目指すシンガポールサッカー界に力添えをしていくことは我々の重要なミッションの1つです。


参考リリース

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