永井:最初のアメリカ出張のときに、まず覚えたフレーズはJust in case,(念のため言っておくけど)だった、と書かれていますね。
原:そうですね。これは、実際に現場で、コミュニケーションの行き違いや思い込みからくる失敗やミスが多いからだと思います。正確に相手に理解してもらっているかどうかを確認するために、このフレーズはすごく役立ちます。This is a heads-up.(事前に言っておくけど)も似たような例ですね。前もって誤解を排除したり、コミュニケーションをスムーズにしたりするためによく使われます。
原:1つはWhat’s the bottom line?(結論は何ですか?)です。日本人の話は前置きが長くてなかなか結論が見えないので、相手からこう聞かれることが多いんです。自分の方からBottom line is as follows.(結論はこういうことです)と先手を打って、後でゆっくり説明してもいいですしね。もちろん相手から要点を引き出すために、こちらから促すこともありますし。とにかくこれは非常によく使うフレーズです。
2つ目はLet me play devil’s advocate.(異論を言わせていただきます)。日本人は会議で満場一致だと安心しますが、アメリカ人は逆で、皆が賛成すると本当にこれで決めてしまって大丈夫?と思うみたいで、こう投げ掛ける参加者が出てきます。
あとは、アメリカ英語は野球由来のイディオムが多いですよね。Two down, one to go. (あともう少しだ)とかthrow a curve ball(意表を突く)、It’s a whole new ball game.(まったく新しい状況[話]です)など。やはりアメリカには、野球と切っても切り離せない文化が根付いています。