タカラベルモント株式会社及びタカラベルモントグループは、企業に助産師が顧問につき、人生のステージに合わせて社員が抱える、キャリアや家族、心と身体の悩みに対して相談を通して寄り添う「ライフステージ相談制度」を１２月１日から導入しました。今回は、この制度の導入推進チームで、女性目線の議論を展開した宮田由子が、その背景等についてお話ししていきます。

誰もが好きな仕事に集中して取り組めるように

あまり身体が強くないのもあり、特に入社して数年は仕事しながらの体調管理に苦戦しました。幸い大病はしていないですが、今も婦人科には通い続けています。そんな中で、もしかしたら家庭を持つかも、お母さんになるかも、ずっと独身だとしても体力は続くだろうかと思うと、私はどれだけ仕事を頑張れるだろう？今から仕事をセーブすることも考えなくちゃいけないのかな？と不安でした。

実際に周囲の女性社員も多くが同じような悩みを抱えていました。せっかく好きな仕事に就けても、思いきり楽しめないのはもったいない。週5日8時間、多くの時間が「仕事」に費やされるのだから、楽しく過ごせるに越したことはなくて、どうしたらその状態に近づけるだろうとずっと考えていました。

そこに、2021年に迎える創業100周年に向けた全社プロジェクト「MOVE_T」と顧問助産師のサービスを提供するWith Midwife社との出会いがあり、今回人事制度化したライフステージ相談制度を導入することができました。プロであり看護師の上級職である助産師が、第三者目線でデリケートな悩みの相談に乗ってくれる。これだけでどれだけ救われる環境になるか。まだ制度が始まる段階で、本当に良いものになったか不安はありますが、まずは一歩踏み出せて本当に嬉しいです。

職場でなかなか理解されない女性のワークライフバランスにおける悩み

職場には女性も多いですが、まだまだ古い体質も感じます。男性社員も気持ちを理解しようとしてくれますが、どうしても理解しきれない部分はあるだろうと思いますし、伝わりきらない壁を感じることは少なくありません。そもそもデリケートな話題なので、理解しあうための一歩を踏み出すのもハードルが高い。男性が多い会社でもあるので、女性たちがただ声を上げても、なかなか解決されにくい。

女性の活躍推進が謳われて、嬉しい反面、不安も大きいです。まだまだ社会的に女性の方が家庭や育児に携わる割合が多かったり、そもそも男性に比べて体力が少ない中、さらに仕事を今まで以上に期待される。仕事が好きでも、ただ+αで圧し掛かってしまうのはしんどい。だから、とてもデリケートな話だけど、周囲の人の理解と助け合いは必須です。だけど、「じゃあどう助け合えばいいのか」がまだ見えていない、手探り状態なのが今だと思います。

女性目線で言ってしまいましたが、同様の悩みは男性にも、あらゆる年齢の人にもあるだろうと思います。ジェンダー論などもありますが、シンプルに、「心身の変化と、仕事やプライベートをどうバランスをとっていくか」は、いつ誰にとっても課題になります。この課題を、美と健康を謳う当社だからこそ、もっと真剣に語られる会社になってほしいと思います。

救うべき人は救えるか？良い会社づくりができるか？常に自問自答しながら

実は制度の導入にあたっては、私自身はあまり苦労した覚えがありません（笑）。一緒に携わってくれた方々が、理解しようとしてくれ、すぐに動いてくださる方ばかりだったので、恵まれたんだと思います。

それでも、女性がどれだけ深く悩んでいるか、どうしても人対人として、理解されにくい部分はあるなとは感じました。本当に私が代表して声を上げて良いのかもずっと悶々としていましたし、制度が導入されると決まった今も、結果が出ているわけではないので不安はあります。

それと、当初私が思っていた「女性社員がもっと楽しく働けるように」という狙いから、「年齢や性別にこだわらない、すべての社員にウェルネスサポートを」と目的が拡大されてからも葛藤しました。導入にあたって様々な生き方をされている社員の方々に話を伺っていて、女性と同様に男性にも特有の悩みがあること、家庭の事情まで汲んでサポートできるようにすべきこと、やはり気軽に相談するのは難しいといったことなどが分かり、視野が広がりました。が、できるだけ多くの人を救いたいという願いは持ちつつ、そうすると当初の狙いは薄まってしまわないか？本当に救うべき人は救えるか？これで少しは良い会社づくりができるだろうか？というのは常に自問自答しながら進めていました。

仕事上で壁にぶつかった時にしていること

・まずはいっぱい食べていっぱい寝る！しんどくなる時は、だいたい休息が足りていないので。

・手帳に一言日記をつけているのと、LINEのメモ機能やなんでも帳で、その時の気持ちや、ほしいもの・やりたいことなどを何でも書き出すようにしていて、常に気持ちを整理するようにしています。

・スマホのメモ帳に「言われて嬉しかったことリスト」をつくっていて、落ち込んだ時に見返すと気分が上がります。

・悩みはできるだけ抱えない。愚痴で終わらせない。できるだけ早く、助けてくれそうな人に相談してしまう。

性別・年齢など関係なく、仕事を通した幸福度があがるように

　「妊娠したいけど仕事が忙しい」、「子供の成長になんか自信がない」といった悩みを抱える女性はもちろんなのですが、実は男性の悩みも結構デリケートだと感じていて、男性にも利用して頂いて悩みから解放されれば良いなと思っています。例えば、奥様が妊娠しないのをご自分に問題があると捉えているような旦那様はきっと誰にも相談できなくて悩んでいらっしゃると思います。そんな方々のお辛さも、この制度で救われることがあるのではないかと思っています。制度は万能ではありません。ですが、こうしたセーフティネットが張られているだけで、救われる人も多いのは間違いなく、そして悩みが軽くなるだけで、仕事を通した幸福度が上がるプロフェッショナルたちが増えていくと信じています。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000055758.html

開発本部　宮田由子

２０１３年入社　経営管理室に配属。２０１８年より部門横断的に構成された次世代プロジェクト「MOVE_T」の事務局として活動。２０２０年に開発本部に配属。大学在学中は、文化人類学のゼミに所属し、日本の女性の働き方について研究を行う。