タカラベルモント株式会社　広報室の桝井貞次です。

２021年10月に100周年を迎えるタカラベルモントは、次の100年に向けて次世代社員による大型プロジェクトが主導し、「美しい人生を、かなえよう。」というパーパスを2019年に制定。とは言え、「パーパス」という新しい概念を社内に浸透させていくことは簡単ではありませんでした。社内浸透を狙い、全社対象に全国各地での大型ワークショップを企画した中心メンバーだった大阪工場品質保証部の出町耕一さんに、当時の活動を振り返りながら、今の思いを語っていただきました。

■出来上がったパーパス、何度も読んで「これは好きだ」と思った

プロジェクトが発足し、メンバーに選ばれた時は、「100周年に向けたプロジェクトと言われても具体的に何をするのかよくわからなかったし、何をどんな風にするのか？と思っていた。」と3年前を振り返る出町さん。社内の部門各所から選出されたおよそ30名のプロジェクトメンバーと、パーパス策定に向けて様々な視点やテーマで何度も議論を交わしたと言います。「当たり前すぎて言葉として発することもなく、客観的に認識しづらい社風や文化が、30人の仲間と多様な視点から議論を重ねることで、その輪郭が浮かび上がり”タカラベルモントらしさ”というものが鮮明になっていきました。自分たちの”らしさ”が見えるようになったことで、企業として大切にしたいものに対する理解が深まっていき、多方向な意見が出ていたプロジェクトのベクトルも一つの方向に揃っていきました。

こうしたプロセスの中で、一番印象に残っているのは”ウェイ”と呼んでいる「行動指針」を策定する土台になった、”仕事の上で大切にしたい価値観は何か”を話し合った時。大切にしている価値観は人それぞれ違いました。でもその違いを認め合いながら、自分たちが「私たちらしい」と感じる行動指針を束ねていこうと話し合ったといいます。「どんな人でありたいか、どんな企業でありたいかを議論し、発表しあった時の記録を写真で残しているのですが、今でもたまに見返す。」という。

タカラベルモントは、社員やお客様の個性、人情のようなものを大事にしている会社だと、感じていた出町さん。「美しい人生を、かなえよう。」とパーパスが決まった時は、「このパーパスに共感できるから、これからもずっと働いていきたい。働き続けていいんだ。」と、ホッとしたそう。パーパスを何度も読み返しては、「とても好きなパーパスだ」と思ったといいます。

■国内32拠点、およそ２０００人が、対象！自分ごととしてパーパスを語れるよう、全国を行脚。

こうして決まったパーパスを全国の社員に伝える報告会を開催することになり、リーダーに選ばれた出町さん。国内32拠点、およそ2,000人の社員にパーパスを直接伝えにいくとなると大仕事です。自分がパーパスに共鳴したように、「ひとりでも多くの人に、パーパスに共感して欲しい。また小さなことでもいいからパーパスの実現につながる行動を、起こしたいと思ってもらうこと。」がこの報告会の狙いだと、目標をたてたそう。

初めてパーパスに触れる社員一人ひとりが、パーパスと自分の価値観を照らし合わせながら、自分事化できるようになって欲しい、そのための場を提供したいとは思いましたが「単に講義を聴いてるだけでは面白くないし、記憶にも残らないのではないかと思い、「美しい人生」がかなえられた姿をイメージし、それを語ってもらうワークショップ形式で報告会を行っていくことに決定しました。

次の力仕事は、社内調整。普段営業職のメンバーが、全国各地にある事務所の責任者へ連絡したほか、費用試算は、マーケティング、全国を回るスケジュール組みは、エクセルの得意な経理が担当、といったように、互いの得意分野を持ち寄って上手くフォローしあい進めたといいます。「メンバーに恵まれたし、間違いなく、一人じゃ絶対にできなかった。」と、部門横断で様々なスキルを持ったメンバーにより、　もたらされたチームワークとその化学反応の威力を強く感じたそうです。

■ 繰り返し考えることで自分ごとに

「一番初めに開催した札幌で、『今日はどうでしたか？』と参加者にきいたところ、間髪入れずに『楽しかった！』と言ってくれた。その時は本当に『よかったなぁ！』と思いました」。以降の回でも、はじめは面倒そうに会場に来た方も、いざ始まると熱心に話をする姿を見て、小さな一歩ではあるけれど、手ごたえを感じたし、思った以上にポジティブな人が多い会社だと感じたといいます。こうした感想や反省点は、学びとして、丁寧に他のメンバーと共有。毎回ワークショップのブラッシュアップを行ったといいます。

参加後のアンケート総計では、「他部署の人と話をできたことがよかった」と6割近くの社員が回答。人柄、経験、スキル、所属の違う人材同士が触れ合うことで、とてもポジティブなエネルギーが生まれることに驚かされたといいます。そして「仕事内容は違っても同じような価値観、似た思いを持って仕事をしていることの多さに気づいた」というコメントが多く寄せられたことに、「会社の縦割りが強く残る文化の中で、横のつながりを強くする一歩を踏み出せたのかな。」と感じたと出町さんは言います。

２か月に渡り、国内32拠点を回り、総勢2189名が参加した全国行脚のワークショップを開催してから1年半以上たった今、社内で、休憩中の同僚が雑談の中でふと「美しい人生ってなんだろう」って会話している様子を目にすることもあったといいます。折に触れてはパーパスのことを考える、地味で地道なひとつひとつの積み重ねによって、パーパスが自分のものになっていくのではないかと考えているそうです。

最後に出町さんの考える「美しい人生」について聞いてみました。「『自分らしい人生が、美しい人生だ。』というのは、納得感があります。自分自身が『美しい』と思う方向に進んでいけるならそれは美しい人生になるだろうと思う。もちろん、現実はそんなにシンプルにはいかない。でも、そうなりたいと思うことが大事なことなのだと思っています。

私たちのパーパスについて

　→https://www.takarabelmont.co.jp/100th/destinations/purpose/