こどもに「自分で選んだ、決めた」という経験を。オリジナルランドセル『エスキース（esquisse）』に込めた想い

ランドセル

#ランドセル #シンプル #ストライプ

2023年11月3日 10時00分株式会社ギャレリア・ニズム

「SCENEに彩りを　時間に豊かさを」

これは「人生をたのしむ、仕事をたのしむ」ことを基本とし、様々なシーンに彩りを加え、時間を豊かにするものを提供したいという、わたしたち株式会社ギャレリア・ニズムの掲げるモットーです。

多くのお客様にご満足いただける最高の品揃え・最高のカスタマーサービスを目指し、より良いものを生み出しさらに高い独自のサービスを実現させていく。

今どんなものが求められているのか、どうしたらお客様の一番欲しいものが最高の状態でお届けできるか、、

何よりもお客様の気持ちを大切にして実店舗やECモールにて鞄や財布・小物の販売を行う当社が、新たな取り組みとして2023年8月に「オリジナルランドセル」を作成しました。

GALLERIA KID’s（ギャレリアキッズ）より、シンプルなデザインと上品なカラーリングで落ち着いた雰囲気漂う「フレンチシック」スタイルのランドセルが登場

PR TIMES

本ストーリーでは、新商品のランドセル作成に込めた想いやこだわりを担当者の津久井よりご紹介します。

「自分で選び、決める」　子どもたちの力を信じるランドセル選びを。

少子化で子ども一人にかけるお金や時間が増えている昨今、「ラン活」という言葉もずいぶん浸透してきました。私たちが子どもだった頃に比べて、子どもを取り巻く環境も、育児グッズや服飾雑貨に至るまであらゆるものが多様化し、選択肢が多くなっています。

わたし（津久井）が子どもの頃は、何の疑問も持たずに赤いランドセルを背負っていたし、どこのお店で買ったランドセルであろうとそれほどの違いはなかったように思います。

しかし、今はカラフルで個性あふれるランドセルが店頭にずらっと並び、子どもの望みを叶えてくれるような、ありとあらゆる工夫が施されたランドセルが珍しくない時代です。

人とは違う、おしゃれなものを持たせたいと願う親が増えたこと、SNSなどを通して他の家庭がどんなランドセルを選んでいるのかが見えるようになっていることもランドセル市場をにぎわせている理由かもしれません。

以前のギャレリアではキッズ商品の取り扱いがなかったのですが、ここ数年で積極的に取扱商品を増やし販路を広げてきた背景もあり、子ども時代の毎日をともに過ごすランドセルを自社で企画できないかという話が、今から4年前・2019年の夏に持ち上がりました。

まず第一弾として初めて世に送り出したランドセルは当時女の子に人気だった「刺繍が施された」ランドセルと、男の子用に「ミリタリー調でシルバー」という新しいカラーを採用したランドセル。はっきりと女の子用・男の子用という区別をしていました。

男の子用は珍しいシルバーカラーが注目され、お子さんの目を引いたこともあり売れゆきは好調。女の子用は流行やおしゃれに敏感なママ層に支持されていた北欧風のデザインを取り入れたもの。かわいらしいデザインと落ち着いたネイビーとブラウンのカラーで、大人からの支持は得られた実感はありましたが、 子どもが気に入ってくれた部分は「刺繍のかわいさ」。カラー選びには課題を残す結果となっていました。

そんな中、2022年に再びオリジナル作成の話が出たとき、あるスタッフから聞いた話で「誰の視点で作るのか」を考えさせられることになります。

『当店で行われたランドセルの展示会にきてくれた子が、お母さんの気に入った色を「欲しい」と言ったんです。でもその子がお母さんとスタッフとの話の中で、本当に自分が欲しい色はこの色なんだ、ということを教えてくれて。最終的にお子様の一番気に入った色をご購入されました』

実はわたし自身も、子どもに持たせたいランドセルがあり、年長さんだった当時の娘たちへ意図せず思い描いていたランドセルを選んでくれるように誘導してしまったかなという反省も込めた想いがあったことを、その時に思い出しました。

子どもは思った以上に親の気持ちを汲み取っていて、喜んでほしい気持ちが強いんだなということを感じた経験から、子どもがどれを選んでも、「いいね！！」って親子で笑顔になれるような、デザイン的にも洗練されていて、なおかつ性別問わず持てるカラーのランドセルを作ろうという方向に舵を切ることになります。

また、子どもが「自分で選んだ、決めた」という経験を、このランドセルを通してしてくれたらいいなという思いも強くありました。女の子がブラックを選んでも、男の子がレッドを選んでもしっくりくるデザイン。

誰に言われたではなく「自分で決めた」という経験が、ランドセルを大切に思う気持ちにつながったり、自分の「好き」を大切にしてこどもが自分の頭で考え、決断し、行動していく第一歩になってほしいという願いもあり、高いクオリティと独自のデザインも追及できる株式会社榮伸様での制作という運びとなりました。

男の子・女の子にとらわれることなく、自由に好きなものを選ぶ楽しみのために

内装のストライプ部分のカラーはサンプルでの微調整を繰り返し、一番映えるカラーをチョイス。 6年生になっても子供過ぎないストライプのデザインは、シンプルでありながら洗練された印象に仕上げています。

しかし男女問わず選べるランドセルということで、内装のデザインを決めるのには苦労がありました。どちらかに偏らないデザインというところで、様々な柄や色を検討しましたが、わたしたちは思った以上に性別にとらわれているんだなという意識を自覚したりも。

例えば、ドットを思い浮かべると、どうしても「女の子っぽいかな？」と感じたり、チェックの種類でもギンガムは女の子向きに感じるなど、案外フラットに捉えられるデザインが少ないように感じ、内装デザインの落とし込みは思った以上に時間がかかりました。

最終的に決めたのは、流行に左右されずにいつの時代もベーシックの代表として親しまれてきたストライプ柄に、外装カラーと相性の良い色味を組み合わせたオリジナルデザイン。毎日目にするものなのでファッションの要素もうまく取り入れて、洋服をコーディネートするように外装・内装カラーの配色を考えました。

また、装飾を施さないことで、ステッチやパーツをより印象的に感じられるデザインを目指しました。きわめてシンプルでスマートな作りですが、それにより引き立つステッチの美しさや各パーツの佇まいは、装飾でいっぱいのランドセルでは感じることのできない味わいになっていると自負しています。

おしゃれにも興味が出始める少し大人びてきた小学校高学年の子供たちにも、きっと似合うんじゃないかな。このランドセルを背負って入学する1年生が6年生になった時のことを思って、思わずにんまりしてしまったことも制作中の良い思い出です。

ランドセル制作の魅力は、1年生のときだけでなく、6年後にランドセルを背負った子供たちを想像できるというか、そんな未来に想いを馳せることができるという部分も大きいのかもしれません。

ランドセルは購入するまでも、その後も、いろいろなエピソードを紡いでくれる稀有な存在なんだと感じたことが、制作を通して一つ一つのパーツや糸の選定までも妥協しないという姿勢につながっていったように思います。

また、以前からの大きな課題であったカラーのチョイスは、子供服やグッズ、おもちゃなど様々なアイテムをたくさん見て、流行色や服への合わせやすさなどを丁寧に検証していきました。

黒や赤のベーシックカラーも、すこし落ち着いた雰囲気を重視してマットな質感にし、定番ながらありきたりではなくこだわりの感じられる色味を追求。

グレージュやキャメル、ピンクについては甘さを抑え気味にしてシックなイメージに。

多様なジェンダーのあり方を尊重する社会は確実に近づいていますが、ランドセル選びにおいても「どの色を選んでもいいんだよ」と言えども、きっとまだまだ壁はあるんだろうなと思うんです。でも、もし男の子がピンクのランドセルがいいと言った時に、このランドセルならいいかな？と親も思えるような、選択の候補に挙がるカラーにしたい。そうしたら、子どもの素直な気持ちを尊重する可能性が広がるのではないかなと思っています。

好きな色を自信をもって選び、「自分が好きだからいいんだ」そう言える子が増えてくれたら嬉しいです。

そして1年生のときから、学校の準備は楽しみながら頑張ってほしい！そんな願いも込めて、オリジナルでデザインした時間割表をセットでつけています。ネームカードもおそろいのデザイン。すこし落ち着いたカラーで作成したのは、大人からみても素敵だなと思ってほしい気持ちから。一緒に時間割を書き込んだりする時間も、小学校時代にしか訪れない大切な記憶となって積み重なってくれたらいいなと思っています。

子どもたちの６年間、そしてその先の未来を想いながら

なんと言っても、小学校という学校の中でもとりわけ長い6年間、一番大きく成長するこの期間を私たちが楽しく想像しながら作りました。クレヨンで描いていた絵が、絵具を使うようになった、50ｍ走だったかけっこが100ｍの徒競走になる…本当に見違えるように成長してできることがどんどん増えてあっという間に大きくなっていく小学校時代。

ランドセルのシリーズ名『エスキース（esquisse）』には「本番の絵を描く前に絵のイメージを描いたもの、着想や構想を描きとめた下描き」という意味があります。

いろんなことに挑戦して、楽しいことも苦しいことも経験していく小学校は、まさに下描きでいっぱいの時間。いつだって、何度でもやり直したり描き直したりできる。そうやってたくさんの下書きから大きな絵が完成するように、いつか思い描いた大きな夢を形にしていってほしいという願いも込めています。

「色選びで全部欲しくなってしまうような、男女問わず受け入れられるカラーを」という部分では、本当にこの色のラインナップでいいのか制作チームで何度も推敲し悩みましたが、リリース後すぐにご予約をいただけたり、レンタルランドセルをご利用され色味を見ていただけたりと好調に滑り出しています。

今後もその時その時の状況や、ランドセルを取り巻く環境にもアンテナを張りながら、ランドセルを背負う1年生、そして家族みんなの気持ちをあたたかくできる企画をめざしていきます。