2000年に誕生し、ヒアルロン酸※１を配合した、ハリ密肌に導く商品を展開しているカネボウ化粧品のスキンケアブランドDEW。2022年10月に発売された「DEW　アフターグロウドロップ」に続く新商品が2023年9月に発売されます。化粧液に続く新商品はクリーム「DEW　タンタンコンクドロップ」。

※１ヒアルロン酸Na（保湿）

＜アフターグロウドロップリリースURL＞

<タンタンコンクドロップリリースURL>

印象的な「タンタン」という言葉は、韓国語で「弾む」を表す「弾弾」が由来です。アフターグロウドロップと共に使える商品を目指し、長い期間マスクをつけた生活をしていたことによる肌悩みとして見られるマスクで隠れていた顔の下半分の肌状態に着眼して開発されました。

◆実体験が開発のスタート地点

「あるとき、（自分の顔を）撮ってもらった写真を見てみると、これまでにはなかった乾燥してハリのない感じが頬の横あたりに見られたんです。それがきっかけとなり、色々と調べ始めました。」（新倉）

一方、20代で自身のエイジングケア※２は関心がなかったと語る石川さん。しかし、友人の結婚式でマスクを外して撮った写真を見返した際、自身の頬の肌状態の変化も実感。マスク習慣の影響を受け、同じようなエイジング悩みが若年化している可能性に気付いたといいます。

その疑問から調査を行ってみたところ、「マスクで隠れる顔の下半分の肌状態が気になる」という回答を見つけた2人。2022年の始めごろは、まだマスクを外せる状態がやってくるのかどうかがわからなかった時期ではありましたが、「いずれマスクを外せる未来がきたとき、顔の下半分の肌状態が大きな肌悩みになるのでは」と自分たちの体験や実感を重ねて考え、弾むようなハリのある肌へと導くクリームの開発に着手しました。

なお、開発決定の裏側には、“DEWから前に発売された化粧液、アフターグロウドロップと共に使える商品を開発したい”という想いもあったといいます。肌悩みや市場リサーチの結果を経てクリームが選ばれました。

※２年齢に応じたうるおいのお手入れのこと

◆こっくり感と伸びの良さの両立に苦心。タンタンコンクドロップ開発の舞台裏

目指したのは「塗ってすぐハリがあるような使用感を得られるクリーム」。韓国で人気を集めている“タンタン”と呼ばれているクリームがコンセプトを決める参考になりました。

タンタンコンクドロップの特長は、「濃コクなのに引き上げるようになじませると、もたつき感なくグーッとのび、まるでテープのようにピタッと密着」「均一なヒアロ弾力膜※３形成」「ヒアロバウンスヴェール※４（保湿成分）を配合し、弾むようなハリ密肌に導く」「安心感に包まれるようなミルキーグリーンフローラルの香り」の4つ。

このうち、開発に当たって1番苦労したのは、使用感の部分だったと石川さんは振り返ります。こっくりしたクリームは、べたべた感やぬるつきがあるイメージを抱かれることがあります。今回目指したかったのは、こっくり感はありながらも、肌の上で伸びやすく、ぴったりと密着する使用感でした。この「こっくり感」「伸びの良さ」「密着する膜感」の両立が困難だったといいます。

「研究所の方からも伸びの良さとこっくり感との両立は難しいと聞きました。それでも、何とかして実現したいと粘り、参考になるクリームを買ってきて　「コクはこのくらい」　「伸びの感じはこっちのクリームが近い」とゴールイメージを共有しながら処方開発をお願いしました。結果として独自開発成分との組み合わせで　２つの目指す感触を両立し、特徴的な弾力膜を形成する設計にたどり着きました。」

（石川）

「うるおって弾むようなハリ密肌に導く」に関しても工夫が必要でした。膜感がありつつ、膜が跳ね返してくる弾力性はもう少し欲しいと感じた開発チーム。処方を改善しつつ、「肌を持ちあげるようにして3秒キープ」という“引き上げ塗り“をマーケチームとともに考案しお客様におすすめすることにしました。

また、夜に使用するイメージが強いクリームですが、タンタンコンクドロップはべたつきがないため、朝夕ともに使用できるのも特長です。

パッケージデザインは、アフターグロウドロップとの連動性を重視。滴という意味も持つDEW、韓国語で「弾弾」と弾むという意味を持つ「タンタン」から「弾む美滴」というイメージを連想したと語る新倉さん。肌に塗ったあと、うるおいが満ちてふっくらとしたハリを感じられる商品特性から、「満ちる美滴」を表すデザインを検討していきました。

「サイズや素材など、いろいろな制約があったため、アフターグロウドロップとまったく同じ仕様にすることは叶いませんでしたが、連動性を感じていただけるよう工夫しています。デザイナーに出してもらった案は30以上。そこから2案に絞り込み、お客様にもご意見をいただいた上で最終決定しました」（新倉）

※３ヒアルロン酸Na（保湿）配合のうるおってハリ肌に導く弾力のある膜

※４ヒアルロン酸Na、ベヘネス-2、マイクロクリスタリンワックス、メチルセリン、アセチルグルコサミン、ワレモコウエキス、酵母エキス

◆これからもDEWとして、ワクワクするような感触の商品開発を

今回の開発について、アフターグロウドロップの開発にも携わった石川さんは「経験の長い新倉さんと取り組めたため、大船に乗った気持ちで安心して進められました。支えになっていただけて感謝しかありません」と語ります。

一方、新倉さんはDEWに異動してきたのが2022年1月。最近ではメイクアップ商品の開発がメインであり、スキンケア商品の開発には10年以上携わっていなかったと説明し、「容器の設計もメイクとスキンケアとでは違う部分があります。久々のスキンケア商品の開発には難しさもありました。写真にショックを受けた実体験自体はネガティブなことでしたが、結果的に開発に活かせたことは良かったなと思っています」と振り返ります。石川さんには「年齢は下ではあるものの、頼りになる存在でした。こちらこそ助けられました」と言葉を寄せました。DEWチームは、商品ごとにメイン担当が分かれていますが、開発チーム全体で話し合いながら、よりよい商品作りを行っています。

伸びや肌なじみの良さ、密着感を両立したタンタンコンクドロップの感触は、「ワクワク」や「満足」といったポジティブな感情にも結び付くことがデータとして可視化されました。石川さんは「自分たちの想いにお墨付きをもらったようで自信になる」と語ります。

「スキンケアは肌を綺麗にするためだけのものではなく、そのお手入れ時間そのものが貴重だと思っています。今後もスキンケアって楽しいんだなと思ってもらえる商品を開発していきたいです」（石川）

「これまでDEWの商品を使ったことのない方が、タンタンコンクドロップを機にブランドに注目していただけるのではと期待しています。そうした方たちにもDEWの虜になってもらえるような商品開発を今後も目指していきたいと思っています」（新倉）

DEW　商品開発

石川 真保

DEW　商品開発

新倉　良子