株式会社谷川商店は創設から130年の間、横浜の歴史とともに歩み、現在まで地元の発展のために貢献してきました。また、新しい価値を提供するという強い意志を持ち、四代目 谷川公一が、”創造と共生”の旗印のもとに代表取締役を担っています。

ヴィーガンカフェの惣菜店として飲食業界へ参入

地元への新しい価値提供と私たちが根付く横浜との未来的な共生を実現するため、2018年に谷川商店は新規事業となる飲食事業への参入を決意した。米国にあるヴィーガンカフェのオーナーと、古くからのご縁を繋ぎ、業務提携を通じてヴィーガンカフェの惣菜店を2019年11月に渋谷の某百貨店へ1号店目を開業したのだ。その製造拠点を同年5月に自社ビル内に開設、また2020年11月に2号店となる横浜ジョイナス店をオープンさせている。

1号店はかなり無謀な挑戦での出店だった。責任者の離脱、コロナ禍という相次ぐトラブルに見舞われた。

開業当時を知る現責任者は語る。

「１号店目は、よく事故なく開業まで、辿り着けたなというのが本音です。当時、社内には不動産としてのリソースしかなく、その中でのハードルの高い飲食に、さらにコンセプトはヴィーガンで、場所は渋谷の惣菜フロアー、その上、正式に開店が決まったのが2019年2月頃、、、今、考えるとかなり無謀な挑戦での出店で草野球チームが、メジャーに挑戦するような状態でした。そこからは毎日が未知の領域、そしてスケジュールとのせめぎ合いでした。」

まずは一号店を開業するために売るものをつくる製造ラインの構築が最優先だったが、当時は全てを製造委託で考えていた。しかし、各業者様と打ち合わせを重ねても、良いお返事をいただくことはできなかった。理由はコンタミだ。この仕事を請け負うには工場側も新たな製造ラインのコスト投下が必要だった。どうにもできない状態となり、最終、開店９ヶ月前となる2月後半に自社ビル内にセントラルキッチンを設けることを決断し、そこから約2ヶ月で17坪のキッチンを開業。

並行してセントラルキッチンの責任者を探し運良く経験者を紹介で採用。しかし、セントラルキッチンの構築だけでも専門的なスキルが必要なうえに、ヴィーガンという未知の料理のレシピの構築の職務に耐えきれず、セントラルキッチン開業の翌月6月末に調理の責任者がチームから離脱する。料理を提供するにも関わらず、調理の責任者が開業直前に不在となるという最悪な状態に陥った。そこから次の責任者が入社したのは8月。このときに入社した、現在の総料理長により、何とかレシピ構築を完成させたのだ。

なんとか、2019年の開業を迎えるも、世界的に燻っていたコロナによる影響が11月の開業より出始めた。スタートから、コロナ禍で不動産事業の利益を食いつぶす焦りのストレスフルな毎日が続く。悪いときには人の関係も悪化していくもので、不動産事業と飲食事業の見解の相違やリスペクトの欠如による現場と本部との対峙関係は水面下で常に燻る状態が続いた。

ここまで労力をかけ、なぜ飲食をやるのか？

また、ライセンスという事業で借り物ブランドを広めていく意味がどこにあるのか？

常にジレンマという内なる声とのやりとりが続く毎日。

創造と共生という社是のもと、社内の改革を実施

そのような状況から、明らかにメンバーの目の色が変わり、音が聞こえるぐらいに結果が変わりだしたのは2022年1月のことだ。社長が膿を出し切り、全ての損だしを行い、自社ブランド化するという明確な３つの英断からだった。

普通に考えれば事業自体をクローズするという状態だったが、社長の谷川は業務提携を解消し①自社ブランド化をして、さらなる資本投下を皮切りに、②ジョイナス店への人材の集中。そして今までヴィーガンという自分たちがやりたいことの訴求から撤退し、そこにいらっしゃるお客様の顔を浮かべ、③お客様の求めるメニュー構築へと戦略シフト。この３つの明確な意思表示により、共感する社員が増え、急速にチーム状態が改善し売上にも変化が生まれた。そこには、創造と共生という社是のもと、プラントベースという新しい価値と、そこに集まるお客様と、従業員のご縁を繋げていくという考えからの判断であった。

みんなが安心して同じ席で楽しい食事ができるように

このような大きな変化を通じて、コロナしか知らない谷川商店の飲食事業部は新しい価値を見つけることとなった。それは、事業部が目指すものは全ての人が我慢せずに安心して食べれる食の選択肢を生み出すこと、というものだ。カレー好きも、サラダ好きも、ヴィーガンもベジタリアンも、小麦アレルギーの方も健康思考の方も、みんなが安心して同じ席で楽しいお食事で笑顔になる。プラントベースには、それが体現できると私達は考えています。健康志向の女性の方も多くご来店いただくようになったが、健康の裏側には、やはり美しくいたいという気持ちがあり、さらに裏側には、毎日のランチやディナーでお金を払って、健康のためとはいえ好きじゃないものを我慢して食べたくないという本質的課題がある。私たちは、そこを最大の課題として全てのお客様が我慢せずにお召し上がりいただける食の選択肢をご提供することを目標として設定したのだ。

コロナ禍で、新たな価値観も生まれ、さらに多種多様な考え方のライフスタイルが生まれてきている。一方、価値観の違いは意見の違いによる戦いを生むことも少なくない。私たちは、外食という体験の中で、お肉を食べる方も、お肉を食べない方も、お野菜が好きな方も、嫌いな方も、アレルギーの方も、そうでない方も、一つの席で楽しくお食事ができる、そういった意味でも全ての方が健康的に安心して我慢せずに食事を美味しく楽しめる食の選択肢をプラントベースを軸に提供していくつもりだ。そこに今の時代における大切な価値があると考えている。

今後は、動物性、卵、化学調味料、酵母エキス、蛋白加水分解物、上白糖、乳製品不使用に加えて、カレーについてはグルテンフリーに、さらに五葷抜きの特別メニューを用意し、小麦アレルギーの方、オリエンタルヴィーガンの方にも安心してお召し上がりいただける環境を目指していく。また、プラントベースは健康だけではなく、週に一度だけでもお肉を食べないようにする人が増えるだけで、地球温暖化、空気汚染、森林伐採、水不足を緩和するのに具体的な環境へのアクションにつながることも広く広めていけたらと願っている。

▪️ブランド名の由来

CURRYを並べ替えたアナグラムにより「これまでのカレーの概念を変えるカレー」を表現。＋R（プラスアール）は、お客さまへの付加価値を意味しています。

Reset （リセット）

100％プラントベースのお料理が、からだとこころを健康的にリセットします。

Recipe （レシピ）

野菜をおいしく食べられる、オリジナルのレシピを探求します。

Repeat （リピート）

食べるたびに新たな喜びを味わえる、感動の食体験をお届けします。

Relaxation （リラクゼーション）

くつろぎの時間を過ごせる、お店づくりと接客を心がけます。

Relation （リレーション）

お客さまとのつながり、地域とのつながりを大切にします。

Revolution （レボリューション）

横浜の地からカレーの革命、食の革命を起こせるよう努力します。