株式会社ラヴィステラは、「7世代先も持続可能な社会」を理念に設立した化粧品のベンチャー企業です。国産の有機栽培ハーブを使用し、お肌にも環境にも優しいヴィーガンスキンケアアイテムを展開しています。

2019年に創業した私たちですが、天然由来成分にこだわったヴィーガン処方の化粧品開発は、簡単なことではありませんでした。

本ストーリーでは、代表である私、野田聡美が創業に至った軌跡と、2023年8月に発売開始した日焼け止め「ヴィーガンUVミルク」の誕生秘話をお伝えします。

小学生の時に受けたショック「地球温暖化」と「動物実験」

私が小学生だった頃、習い事の帰り道にあるショッキングな出来事に遭遇します。それは、化粧品の安全性テストのために犠牲になる動物たちの姿を写したパネル展でした。

出典：Getty Images

当時、保護した犬や猫と暮らしていた私は、同じ動物が日用品のために酷い目に遭っている事実に大きなショックを受けました。

また、同じくらいの時期にまた別のショッキングな事実を知ります。

それは地球温暖化に関するドキュメンタリー番組で、その画面には溶けゆく氷の上で悲しそうに佇む白熊の親子の姿が映し出されていました。

出典：Getty Images

当時は昨今のサステナブルやSDGsといったようなテーマについて議論する人も周りにはいませんでしたが、その瞬間自分の中で、

「こんな酷いことを見てみぬふりしてはいけない」

「地球のために何かしなくてはならない」

といった想いが強く芽生えました。

それからは、チラシを配ったり、日用品を環境に優しいものや動物実験していないものをなるべく選ぶようにしたり、自分の行動が社会にどう繋がり影響を与えているのかを意識しながら暮らすようになりました。

また、22歳の時には自分にできることのひとつとして、動物と環境のためにお肉を食べることも辞めました。

沖縄移住後に知った「サンゴの白化現象」

８年前に地元の熊本から沖縄に移住し、３年半を沖縄の地で暮らしました。

沖縄の海は透明度が高く世界的にも観光地として大変人気がありますが、その息を呑むような美しいマリンブルーの海に潜ると、世界中の色を集めたかのように色鮮やかなお魚たちとサンゴの神秘的な世界を見ることができます。

わたしもそんな沖縄の美しい海に魅了されたひとりで、休日にはよくシュノーケルをしていました。

ですがその時に、現地のダイバーさんから衝撃的な事実を知ることになります。

それは、海に潜るたびにサンゴが年々減少しているという事実です。

実際にわたしが潜ったときにも、白くなったサンゴと鮮やかな色をしたサンゴとがありました。

当時サンゴについての知識がなかったわたしは特段気に留めていませんでしたが、実は白くなったサンゴは死滅したものだったのです。これは白化現象と呼ばれています。

なぜこんなことが起きているのか、現地の方のお話やインターネットで調べていくと、大きく二つの理由、地球温暖化による海水温の上昇、そしてわたしたちが日常使用している日焼け止めの成分の【紫外線吸収剤】が関わっているという事実にたどり着きました。（※）

※参考：パラオ、有害成分含む日焼け止めを全面禁止　世界初 | BBC NEWS JAPAN

サンゴは地球全体にとって大切な存在

みなさんはこのような話を聞いても、「サンゴは海に存在しているものだし、わたしたちの生活とは無関係のものだ」と思いませんか？

でも実は、サンゴは陸で暮らしているわたしたちの暮らしにも深い関わりがあります。

サンゴ礁の生息域は全世界の海底の1％程度ですが、全海洋生物の約25％がサンゴ礁に棲息しており（※）、サンゴ礁が死滅すると海洋生物の生態系に大きな影響を与えます。

※参考資料：WWFジャパン

さらに、サンゴが光合成によって二酸化炭素を吸収し酸素を排出する量は陸上の木を上回ると言われており（※）、地球温暖化の原因となっているといわれる二酸化炭素の削減のために、サンゴ礁は欠かせない存在です。

サンゴは海中だけではなく、地球全体にとって大きな役割を果たしているのです。

※参考資料：PADIジャパンのサンゴ再生への取り組み

地球温暖化による海水温上昇だけでなく、日焼け止めに使われている紫外線吸収剤の「オキシベンゾン」と「オクチノキサート」も、サンゴの白化現象の原因のひとつであるとの研究結果（※）が報告されています。

 ※参考資料：日焼け止め、世界のサンゴ礁に有害作用 研究 | AFP BB News

出典： 1L当たり10μL（10万分の1）の日焼け止めを添加した実験 | 肌のクリニック

紫外線吸収剤は肌荒れの原因にも

「紫外線吸収剤」は化学合成された成分です。

紫外線吸収剤は、紫外線を吸収して熱や赤外線のエネルギーに変えて放出することで紫外線を防ぎます。そのとき、皮膚の表面で化学反応が起き、肌に大きな負担を与えてアレルギーになったり肌が荒れてしまう可能性があります。

サンゴにもお肌にも優しい日焼け止めを作りたい

こうした問題を知り、私の中で「サンゴにもお肌にも優しい日焼け止めを作りたい」という思いが大きくなっていきました。

ですが、ここで大きな壁にぶつかります。それは、日焼け止めやクリームに欠かせない「乳化」の過程です。

これは水と油を混ぜる過程のことなのですが、一般的にオーガニックコスメ、ナチュラルコスメは「ミツロウ」や「レシチン」を使用して乳化します。

残念ながらミツロウは蜂蜜由来なので、ヴィーガンコスメでは原料として使用することができません。

レシチンという成分は卵黄や大豆から得られる成分ですが、レシチンは扱いが難しく、温度変化によってクリームや乳液の状態が左右されやすく、しっかり乳化を行うのが大変難しいのです。

ヴィーガンやパームオイルフリーというだけでも成分がかなり制限されるのに、アトピーや超敏感肌の方でも使える天然由来成分100％の日焼け止めにこだわったため、いくつかの製造工場に試作をお願いしました。

配合比を変えたり、試行錯誤で工場の担当者と試作を重ねるも、どうしても温度変化によってテクスチャーが不安定になってしまう・・・という壁がなかなか越えられなかったのです。

それでも全国の生産工場を探し、ようやくヴィーガン処方で乳化する技術を採用した生産工場さんに出会うことができ、天然由来100%でヴィーガン処方の日焼け止めを完成することができたのです。

成分には、63.6%オーガニックハーブを使用。

主原料には、標高2,500Mの山岳地帯に自生する野生のバラを朝摘みし水蒸気蒸留した希少なバラ水を使用することで、優しくかつ贅沢な香りと保湿効果をもたせています。

また、京都大学と産官学連携による研究をベースに10年を経て開発された、紫外線散乱剤を均一に分散させる独自技術を採用。 

酸化亜鉛の特殊コーティングにより、分散性に優れた紫外線カット機能を発揮。 「白浮き」「ムラ焼け」を防ぎます。 

容器には、環境に配慮し植物由来のバイオプラスチックを使用しています。また、売上の一部は沖縄県のサンゴの保全活動へ寄付いたします。

天然由来100%ヴィーガンUVミルク（LA VIE STELLA）

日焼け止めだけでなく、当社で開発しているスキンケア商品は全てヴィーガン処方。

また、熱帯雨林の破壊に繋がっているパームヤシ由来のグリセリンではなく、アブラナなど持続可能な成分を使用すること、オーガニックの配合率、植物由来の容器等、サステナビリティにこだわっています。

【代表野田のこれまでの活動】

地元では、物心ついた頃から個人で捨てられた犬や猫を保護し里親につなぐ活動を行い、２０代は犬猫の殺処分問題や環境問題、畜産の現状について発信、啓蒙を行ってきました。

2015年に沖縄へ移住し、海の清掃活動や自然農・固定種の応援プロジェクトの他、闘鶏で傷ついた鶏の保護施設へのボランティア活動などに従事。2016年には、沖縄初開催となる「ヴィーガンフードフェス」を主催。

2,000人超の来場者を動員し、収益の一部を犬猫の保護施設「ケルビム」様へ寄付しました。

（海の清掃活動の一枚。中国や台湾から流れてきた中国語のペットボトルや魚網など、たくさんのゴミが流れ着いていました。）

（無農薬・無肥料・不起耕の自然栽培を実践する、今帰仁村の「むい自然農園」様にて）

現在は、ヴィーガン化粧品の開発・販売を主軸に、企業活動を通して日本におけるサスティナブルな消費文化の普及と、人・動物・環境に優しいライフスタイルの普及に努めています。

【商品概要】

ヴィーガンUVミルク

https://shop.laviestella.co.jp/collections/uv-care/products/uv-milk?variant=40374135783505

【会社概要】

社名：株式会社ラヴィステラ

代表取締役：野田 聡美

本社所在地：東京都渋谷区神宮前3-1-24 2F

HP：https://laviestella.co.jp

お問い合わせ : https://laviestella.co.jp/contact/