2019年3月に設立した次世代レザーグッズを提案する株式会社ライフポケットは、“折る”だけで仕立てる極小ミニ財布「Origami+ （オリガミプラス）」の先行販売を開始しました。2023年6月12日より「machi-ya」にてお買い求めいただくことが可能です。

胸ポケットに入れたことを忘れるくらいの極薄ボディで、お財布はもちろん、カードケースとしても使用可能。加えて、植物タンニン鞣しを採用していることから、使い込む程に手に馴染み、深い色合い、艶を増す愛着のある革へと変化します。

本ストーリーでは、「Origami+」にこめられた思いと商品開発秘話を代表の三木よりお伝えします。

モノづくりとの出会いはバングラデシュ「技術力を伝えて経済発展に貢献したい」

三木は2009年から貿易会社で勤務。財布・バッグなど服飾雑貨を扱う自社ブランドの運営責任者をしていました。働いている当時、売上構成比が一番高い財布の生産は中国の1工場で生産していたこともあり、リスクヘッジを考え始めます。

そこで出会った地域がバングラディッシュ。新たな生産地開拓を目的に2018年12月に同国の工場を視察しました。その時、バングラディッシュにおける想像以上の貧しさや環境の悪さに直面します。しかし同時に、視察した工場のスタッフの技術力の高さや、丁寧に真面目に仕事に向き合っている姿勢に驚かされたと振り返ります。

(実際に、バングラディッシュを視察した際の写真）

財布など革小物を生産している工場を訪れたところ、先ずは丁寧なコバ塗り、綺麗な縫製に驚きます。また、糸の飛び出し・縫製の歪みが無いかのチェック、キズ・汚れが無いかのチェックなどを生産途中および生産終了後にしており、品質管理のレベルの高さに更に驚きました。

「そんなバングラディッシュでモノづくりをすることを通じて経済発展に携わり、一人でも多くの雇用が生まれる手伝いをしたい。人々に笑顔を届けたい」という想いが沸き上がりました。多くの驚きと同国への想いに突き動かされ、スピード重視で独立を決意。2019年3月に株式会社ライフポケットを設立しました。

安全で安心な小さくて便利なお財布を作りたい

小さくて便利なお財布を作りたい。決済システムが変わり、トレンドで小物が小型化するなかで、お財布も小さくなることは必須でした。縦10.5cm×横7.5cm×厚0.5〜1.5cm、圧倒するほど 小さな財布Origami+は、そんな時代の移り変わりにフィットするミニマリストウォレットです。

目指したモノは、今の時代にフィットする、小さくて便利なお財布。無駄な縫製や厚みをなくすため、先ずは1枚革で財布をつくれないか？具体的な条件を出しながらデザインを考えていきました。

一般的なミニ財布のサイズを基準にします。それぞれの平均と比較し、大きさは縦横厚みの合計約20cmより小さく、重さも50ｇより軽いもの。

容量も、様々な基準があります。コインはMAX15枚（※999円）で、カードもMAX5枚（※免許証、保険証、クレカ2枚、その他1枚という設計）、お札はMAX5枚（※9000円）収納したい。

そこに加えて、安全性から紛失防止タグのMAMORIOを活用することが出来るもの。利便性も欠かせないため、コインやカードの出し入れがし易いデザインも譲れませんでした。

（固定されないポケットは、容量に合わせ伸縮しシルエットを崩さず大容量を収納することが可能。）

「Origami+」の1番の特徴は、1枚革のレザーをオリガミの様に使用すること。これにより一切の無駄な縫製や厚みをなくしました。折るだけなので、難しいことはしなくても大丈夫。Origami+を通して、誰でもモノづくりの楽しさを体感していただけます。

素材には経年変化を楽しめるベジタブルタンニン鞣しの牛革を使用しました。ベジタブルタンニンは、天然植物から抽出したタンニン（渋）を使って皮をなめす方法で「地球に還る革」と言われている環境に配慮した製造方法で生成されたレザーです。植物から採れるタンニンで鞣されたレザーは、革らしい質感や優れた耐久性、弾力性が魅力です。

（加工する現地の様子。ベジタブルタンニン鞣しの牛革を使用）

これらのこだわりを実現するにあたって、現地とのコミュニケーションを開始。現地の工場長から、「2013年の創業以来、初めて見たデザイン、今まで作った事がないデザイン」と言われました。実現の難しさを初期から感じたこともあり、最初はサイズ等細かい指示し出し１stサンプルを作成いただきました。

サンプルは合計10パターン作成し、開発にかかった期間は約４か月。無駄な縫製や厚みをなくすため、先ずは1枚革で折り紙のように折ってつくる財布を作成しました。

1枚革かつシームレス（縫い目のない）で財布をつくった結果、サイズ感・デザインには満足しましたが、収納力がなく、カードやコインの出し入れがし難い財布が完成します。より良い製品を求めるべく、収納力や使い勝手の問題点について、ライニングをつけるデザインに変更するなど何度も修正し理想のデザインに仕上がりました。

（負担のかかる開閉部分は日本製HASI-HATO社のスナップボタンを使用するなど、マテリアルにもこだわった。）

譲れなかったポイントの一つが安全性。「Origami+」は、”なくさない財布”を実現するために、紛失防止デバイス「MAMORIO」を開発するIoTカンパニーMAMORIO（マモリオ）社と共同開発しています。

三木がMAMORIOと出会ったのは2018年5月頃。都内の移動中に小銭、鍵、MAMORIOを入れたコインケースを紛失しましたが、MAMORIOのおかげでコインケースが見つかった経験をしました。

LIFEPOCKＥTはトレンドとニーズが融合した世の中にない新しいモノづくりをするブランドをコンセプトとし、まず最初に浮かんだアイデアがMAMORIOを搭載した財布です。

会社設立後の2019年5月にMAMORIO株式会社にアポイントをとり、MAMORIOのおかげでコインケースが見つかった自身の経験を熱弁。また、マモリオ株式会社のミッション「なくすを、なくす」に対し、バングラデッシュで作った財布と紛失防止タグMAMORIOをセットで販売し、本気で日本から落し物を無くしたい想いをプレゼンしました。

その結果マモリオ株式会社と業務提携する事となり、今では財布やキーリングなど「大切なモノ」にMAMORIOを搭載した商品ラインナップが広がり、多くの方に愛用いただいております。

（お財布の場所をスマホで管理していただけるようカスタムが可能。MAMORIO専用のポケットを設置し、収納力を損なわず安全に管理ができます）

わずか6日で目標達成！クラウドファンディングの先にあるライフポケットのアイデンティティ

Origami+は、7月末にmachi-ya by campfireでの受注販売が終了し、11月には一般販売予定です。6月12日から開始したクラウドファンディングでは、開始から10日目、6月21日現在で、100,000円の目標に対して、既に総額174,320円のご支援をいただきました。さらに、多くの方へ商品を届ける中で、『小ささに驚き収納力に驚きました』等の嬉しい声がたくさん届いています。

ライフポケットが常に大事にしているのは、次世代のライフスタイルに向けた新しい価値の創造です。時代に合わせ細部に至るまで作りこまれたプロダクトデザインや、世界の優れた素材や技術、日本の細やかな感性から紡ぎだされるデザインの融合が、ライフポケットのアイデンティティ。

身近なモノを上質で便利なものに変えたら、いつもよりも豊かさを感じられる。そんな生活を豊かにするポケットを造りたい、その気持ちがライフポケットという名前に込められています。

バングラデッシュでモノづくりをスタートし4年経過しました。2019年3月の起業時の想い『バングラデッシュの経済発展に携わり、一人でも多くの雇用が生まれる手伝いをしたい、人々に笑顔を届けたい』を継続し、バングラデッシュ生産の商品ラインナップを更に広げていきます。