「教育支援は社会的投資」子ども支援のNPOがクラウドファンディングに挑戦〜前編〜

#クラウドファンディング  #NPO  #教育

2020年8月26日 10時00分 きびだんご株式会社


福岡市を拠点に活動する子ども支援の認定NPO法人エデュケーションエーキューブが、Kibidangoにてクラウドファンディングプロジェクトを開始しました(『最先端のICT環境を備えたオルタナティブスクール「スタディプレイス」を作りたい!』)。

教育支援にかける思い、

そして今回のプロジェクトへのこだわりとは?

NPO法人エデュケーションエーキューブ代表の草場さまにお話を伺いました。


エデュケーションエーキューブとはどのような団体ですか?


経済格差に起因する子ども達の教育機会の格差を是正するべく、「生まれ育った環境で子ども達の未来が決まらない社会へ」ということをミッションに活動している福岡市の認定NPO法人です。eラーニング教材を活用して、低料金で利用できる多機能型学習拠点「スタディプレイス」を展開しています。経済的に厳しい環境にいる家庭向けには授業料の最大50%~70%を免除する奨学金制度を提供することによって、子ども達が家庭の経済状況に関わらず良質な学びを受けられるようにしています。



スタディプレイスには具体的にどのような機能があるのですか?


一つのスタディプレイスが、フリースクール・通信制高校・学習塾・STEM教育スクールといった複数の機能を担います。家庭の経済状況によらずに幅広い層が利用できる仕組みが整っています。対象は、小学生から高校生までの子ども達です。

教育内容としては、これからの社会を生きる人材に必要なスキルとしてICT教育に力を入れていることが特徴の一つです。学習はeラーニング教材を使用した個別化された学習スタイルを採用し、プログラミングやSTEM教育など次世代の学びの機会も提供しています。

さらには、学校に変わる選択肢「オルタナティブスクール」として子ども達にとっての新たな学びの場となることを目指しています。



学校に変わる選択肢、「オルタナティブスクール」?


既存の日本型学校教育に適応しづらかったり不満を感じていたりする子ども達を受け入れるような、新しい学びの場所のことです。

私たちのスクールは十分な教育の機会にアクセスできない・何らかの事情で学校に通えないといった子ども達の受け皿となるだけでなく、変化の激しいこれからの時代に必要とされる人材を積極的に育てていく場所でもあります。

既存の日本型学校教育では、横一列で同じ内容を学び、なるべくいい高校、なるべくいい大学を志向させる。そうしてやっとの思いで入った大学でいざ「何がやりたいの?」と聞かれると、困ってしまう。変化の激しいこれからの時代で社会が必要としている人材と、既存の教育が生み出している人材には、現状としてギャップが生じていると思うのです。エデュケーションエーキューブの運営するスタディプレイスはオルタナティブスクールとして、これからの時代に自立して生きていく力を身につけられる代替的な教育の機会を等しく子ども達に提供します。


この度新たに4校目のスクールが開校されるそうですね


はい。今回のスクールにはいくつかこだわりのポイントがあります。まず、当スクールはオルタナティブスクールとしての役割を前面に出していて、エデュケーションエーキューブのフラッグシップとなるような重要な拠点になります。2点目として、設備に特に力を入れています。これまでのスクールでは最大の広さ、ICT に特化した教室の設置、そして一人一台のiPadを配布する予定です。3点目に、設備投資資金の一部を調達するために、当団体初の試みであるクラウドファンディング(以下CF)を実施しています。


初のクラウドファンディングプロジェクトに対するこだわりは?


最近、NPOによる寄付型のCFが増えていますよね。そういった流れを目にしていく中で、我々の団体でもCFを実施してみたいという思いが前々からありました。なかでも今回、よくある寄付型ではなくあえて購入型のCFをKibidangoにて挑戦しています。


購入型CF:出資額に見合ったモノやサービスのリターンが得られる。

寄付型CF:募金のような仕組み。ささやかな形のリターンがある場合も。


なぜ寄付型ではなく、購入型のクラウドファンディングを?


これにはいくつか理由があるのですが、一つ大きな理由としては寄付に対する私自身のシビアな経験があります。

エデュケーションエーキューブを設立する前は、東京で投資の仕事をしていました。そこへ東日本大震災が発生したことを期に人生を見つめ直し、自分が学生の頃に経済的に苦労した原体験に立ち戻り一念発起。2013年にエデュケーションエーキューブを設立しました。事業開始当初の私はやや楽観的で、「こんなに良いことをしているのだから、寄付がすぐに集まるんじゃないか」と思っていました。しかしいざ蓋を開けてみると全然そんなことはなく。寄付文化が比較的弱いと言われるこの国で支援金を集めることの大変さを痛感しました。

それが今回CFの中でもあえて「購入型のCF」という互恵性のある資金調達手段に挑戦してみたいと思った大きな理由です。「こういったソーシャルビジネスをやっている僕らでも、何か互恵性のある仕組みを作って資金調達ができる」ということを証明してみたいですね。


数あるプラットフォームの中からKibidangoを選んだ理由は?


Kibidangoは一貫して購入型のCFプロジェクトを掲げています。「購入型に挑戦したい」という私の思いに合致するプラットフォームだと思いました。

また、 他のCFサイトには社会課題解 決型の支援事業は数多く存在しており、差別化が難しいところです。一方でKibidangoではそういったプロジェクトは少数派であり、ここならば存在感を放つことができると考えました。

さらに、我々はICT教育やSTEM教育を提供していることが特徴の一つです。このことがITリテラシーの高いKibidangoユーザーに興味を持ってもらえるポイントになるのではないかと期待しています。



活動されていてやりがいを感じるのはどんな瞬間ですか。


長らく不登校であった女の子が、うちの活動を通して楽しく勉強してくれている様子を日々見られることです。

小学校五年生の彼女は、お母さんと離れることができないという理由 (発達上の課題 )で二年生頃からずっと小学校に通えていませんでした。そこへ今年の春になってコロナを機に我々がオンラインでの活動を始めたので、彼女に声をかけてみました。すると、オンラインだと自宅から参加できてお母さんもそばにいるために安心 らしく、今では彼女が毎日zoomで顔を出しながら学習を楽しんでくれています。



この子は長いこと小学校教育、すなわち義務教育を受けられていませんでした。つまり憲法で定められている「教育を受ける権利」が脅かされていたのです。そんな彼女にこうして教育の機会を提供できているというのは、僕としては非常にやりがいを感じます。

また、その子は母子家庭のお子さんであり経済的にあまりゆとりがなく、お母様が奨学金について相談してこられました。「もちろんです」と対応をすると、お母様は「ようやくこの子に学びの機会を与えることができた」と涙ぐんでいました。しんどい思いをされている親御さんに対してもこうして少しでも力になれたと思うと、この活動をやっていてよかったと改めて感じました。


最後に、今後のビジョンを教えてください。


将来的には、オルタナティブスクールを全国区に広げたいです。

現在そのための第一歩として、スタディプレイスの事業モデルを策定しております。

どこにいてもどんな環境にいても子ども達が将来の夢を諦めなくて済むような安価で良質な教育の機会を作りたいと私は考えています。具体的には家庭の経済状況に伴う相対的貧困や、既存の日本型学校教育に適応できないといった理由で教育の機会を制限されている子ども達のための学習拠点づくりであり、それを形にしたのが今ある4校のスタディプレイスです。今回の4校目を皮切りにして、今後学校に代わる選択肢として「オルタナティブスクール」を増やしていけたらと思います。


次世代を担う子ども達への教育支援は、重要な社会的投資であると私は捉えています。これを読んでくださった皆さまのなかに、「教育格差に問題意識を感じていた」「未来を担う子ども達にこれからの時代に合った新しい学び場を提供したい」「日本の教育の選択肢を増やしたい」と思われる方がいらっしゃいましたら、是非一緒に日本の教育を変えるというビジョンを叶えていけると嬉しいです。


[CFプロジェクト詳細ページはこちら]


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<認定NPO法人エデュケーションエーキューブ概要>

NPO法人エデュケーションエーキューブは、公益性の高い認定NPO法人として福岡市で9番目に承認されました。「Anyone can be anything!」をミッションに、教育分野でICT(テクノロジー)を活用することで、誰もが良質で多様な学びを受けられる環境を提供しています。

「エデュケーションエーキューブ」http://education-a3.net/



<Kibidangoのプラットフォーム事業について>

「この世にないモノをつくりたい」「こんなコトを実現したい」そんなアイデアを持ったプロジェクトオーナー(プロジェクト開催者)とサポーターの出会いの場を提供しています。経験豊富なきびだんごの担当スタッフが夢の実現へ向けてしっかりとサポートします。

「Kibidango(きびだんご)」https://kibidango.com