創業50年を越える未使用車専門店ダブルツリーが新たにオープンしたグランピング施設「おかやまグランピングソラニア」誕生のストーリー

自動車業界

2023年10月24日 11時00分株式会社ダブルツリー

私たち株式会社ダブルツリー（本社：岡山県倉敷市、代表取締役社長：林和樹）は、1972年の創業より、当時は珍しい未使用車専門店のくるまのハヤシとして成長を続けてまいりました。『地域の「持続的で最適な”移・食・住”」を実現します』を企業ミッションに掲げ、さまざまな進化を遂げながらモビリティ事業を中心とした多事業展開をおこなっています。

岡山の生活手段として必要不可欠な自動車を通じて、お客様の生活をより豊かに・快適にするサービスを提供したいという想いを胸に会社経営を行う中で、2019年からはコンフォタブルライフ事業としてさらに幅を広げカフェ事業・コインランドリー事業・フィットネス事業を展開。

2022年、自社ブランドの事業としてグランピング事業をスタートさせ、地元企業とのコラボレーションや地元食材を使用した食事を提供しています。県内の方はもちろん、観光客の方に向けても岡山県の魅力を発信し、観光拠点の1つになれるような施設づくりを目指しています。

今回のストーリーでは、「おかやまグランピングソラニア」誕生の裏側についてご紹介します。

岡山県倉敷市で中古車販売会社ダブルツリーを創業

創業者である林伸雄（現代表取締役会長）は小学生の頃から自身で商売をすることを心に決め、自動車整備の学校へと進学。その後大手メーカー直営の自動車整備工場で約2年間経験を積んだ後、出身地である岡山県倉敷市に自動車整備・中古車販売業を22歳で開業しました。

「岡山県で絶対に一番になる」という強い想いを胸に徐々に店舗を拡大し、現在は販売拠点として合計7店舗、自動車整備工場を5店舗を運営しております。（2023年10月現在）

本社倉敷店に並んだ軽自動車

モビリティ事業を加速させていく中でも大きな決断を行ってきました。

中古車販売店が新卒採用を行うことが珍しかった時代に、「今後会社の成長は人材にかかっている」と強く感じ新卒採用を開始。

それと同時に高まる軽自動車人気をきっかけに、商品戦略の大きな方向転換を行いました。それが今のハヤシの大きな特徴でもある軽自動車の未使用車の販売でした。

新車同様の軽自動車の販売を、経験の少ない新卒社員に積極的に任せるという全国的にも珍しい経営モデルを取り入れ、会社を成長させてきました。

売上増加に伴い給与や年間休日の増加・残業時間の削減など、従業員の働きやすい環境づくりにも取り組み続けています。

代表取締役社長　林和樹（左）代表取締役会長　林伸雄（右）

時流にあわせて多角的にたビジネスを展開

2016年には売上高100億円を突破し、さらなる企業成長、地域の方に喜ばれるサービスの提供をするため2019年より多事業展開を開始。第一弾としてフランチャイジーとしてカフェ事業をスタート、複合施設や病院、伝統的建造物群保存地区である倉敷美観地区へ出店しました。第二弾としてコインランドリー事業とフィットネス事業を併設させ、暮らしをより豊かにするサービスの提供をスタートいたしました。

そして2022年モビリティ事業以外では初となる自社ブランドでグランピング事業をスタートし、モビリティを軸として地域に根差した事業展開を進めています。

最近はよく「この事業もハヤシがやっているとは知らなかった」「なぜ車屋さんがこの事業をしようと思ったのか」という声をいただきます。

全く繋がりのないように思える事業でも、実は出店に対する想いは同じで一つの線で繋がっています。

景観に溶け込むタリーズコーヒー倉敷美観地区店

地域の方に受け入れられるためには、まず従業員が働きがいを持って仕事に取り組むことが大切

様々な事業を展開していく中で「お客様にとってなくてはならない場所、働く従業員にとって最も輝ける場所であること」を大切にしています。

地域の方にもより身近に感じていただけたり、ワクワクしながら利用していただけるような店舗をつくるためには、働いている従業員がまずその気持ちを持つことが必要不可欠です。

事業を任される社員は、もともとはモビリティ事業で仕事をしていた社員が多く、新規事業の経験はない中で立ち上げ段階から計画に加わります。

もちろん知識や経験で苦労することも多いのですが、自ら勉強したり、フランチャイザーや同業他社、他部署の従業員にもアドバイスをいただきながら一つずつ進めていきます。

逆に言えば、知識や経験がなくても、誠実で勉強熱心で、周りから応援されるような人材がチャンスを掴むことができるのも弊社の特徴です。

形や方法は変われど、創業者の林が持っていた人材に対する強い想いは今も根強く残り、会社の成長の軸となっています。

宿泊事業へ初めてのチャレンジ

自動車以外の事業として初めて自社ブランドの立ち上げとなったのがOKAYAMA GLAMPING SORANIA（おかやまグランピングソラニア：以下ソラニア）です。

実は立ち上げのきっかけとなったのは社長の林（以下：林）のひらめきでした。現在ソラニアがある土地に初めて社長が足を運んだ際に、「そうだ、この景色の良さを活かしてグランピングをしよう！」と思い立つほどの景色がそこにありました。

倉敷の街並みとおかやまグランピングソラニア

驚かれることも多いのですが、ソラニアの支配人である堀切は元々は自動車事業で自動車保険専任のスタッフでした。アウトドアに興味があったわけではない堀切が林から支配人に推薦された理由は「1から施設を作り上げていく中で周りの協力は必要不可欠。堀切さんの働く姿を何年も見てきて、周りから応援される人財であると感じている」ためでした。

林から話を受け、保険業務にも力を入れていた堀切は嬉しさ反面悩みもあったと言います。ただ、「やらせてください」と返事をした1番の決め手は「"自分で1から何かを作りあげたい"という学生時代に持っていた創作意欲と、会社やソラニアの今後の未来を想像した時にワクワクしたから」だと堀切は言います。

そこから今までダブルツリーとして取り組んだことのない宿泊業への新しいチャレンジが始まりました。

岡山を満喫できるグランピング施設「ソラニア」

ソラニアは岡山の景色が一望できる立地にあります。『空と混ざりあう、わたしの時間。』をコンセプトに、ドームテントのカーテンを開けると広がる青空を堪能したり、頭上いっぱいに広がる満天の星空と倉敷の街並みを独り占めしたり、時間にあわせて変化する空を楽しんでいただける施設です。

ソラニアは倉敷駅から車で約15分、岡山県有数の観光地である倉敷美観地区からは車で約10分の場所にあります。

そのためソラニアを楽しんでいただくことはもちろん、その前後で岡山・倉敷を楽しんでいただきたいと思っています。

「ソラニアに泊まりたいから一緒に観光も楽しもう」「せっかく岡山にいくのでソラニアに泊まりたい」と思っていただける観光拠点の1つになれたらという想いを込めて施設をつくりました。

地元企業のたまごをふんだんにつかったたまごパフェ（右）

施設の空をテーマにしたあおぞらパフェ（左）

地元のフルーツを使用したソラニアオリジナルクラフトビール

地元企業とコラボした岡山特産物デニムを使用したドームテント

ソラニアでは積極的に地元企業とコラボレーションし、実際に施設で働く従業員が細かい部分まで考えて店舗づくりをおこなっています。

季節にあわせた宿泊プランやお食事内容の変更、併設するソラニアカフェの新メニューの開発、売店で販売する商品などを従業員で意見を出し合って決めています。

前例がないからこその難しさと達成感

答えがないからこそなかなか内容が決まらなかったり、あのタイミングであれをやっておけばよかった等の後悔の気持ちが出ることもあります。

「実はあまり僕自身企画を考えることが得意な方ではありません。ただ、みんなで色々案を出したことが形になって、喜んでいるお客様が見れた時には、また頑張ろうと思いますね」と支配人の堀切は言います。

実際に施設の立ち上げの際にも、1から建物をデザイン・建築したので館がなく現物を見ることのできない状態で、家具の配置であったり、オペレーションであったりを考えることを非常に難しく感じていました。そのため少しでもイメージを膨らませるために手元の紙やPowerPointを活用して書き出しながら進めていきました。

取り組み出した当初は責任感から「全部100％で進めていかなければならない」と思っていましたが、色々と進めていく中で「前に進むために50〜60％でもとにかくどんどん取り組んでいこう」と思えたことで、一歩ずつ前に進む感覚がつかめたと言います。

それでけ試行錯誤して進めている分、お客様から嬉しいお言葉をいただけることが堀切をはじめ従業員の大きな達成感につながります。