４月は何かと『パン』にまつわる日が多い月。今日、４月１２日は日本のパン発祥の日と言われているパンの記念日。そして４月４日はあんぱんの日。みなさんはフジパンの”あんぱん”をご存知だろうか。

あんぱんと言えば、きつね色に焼かれた歯切れの良いパン生地の中にたっぷりのあんこが詰まったものを想像するが、フジパンのあんぱんは一味違う。

2008年３月に誕生した『大福みたいなホイップあんぱん』は「大福」に見立てたもっちりした白生地の中に、たっぷりのホイップとあんこが入ったフジパンのロングセラー商品である。発売から15年が経った今年３月、大福みたいなホイップあんぱんはより美味しさを求めてリニューアルした。

リニューアルで何が変わったのか、大福みたいなホイップあんぱんの開発秘話と共に当時の開発メンバーの1人である吉田に話を聞いた。

日々の生活に隠れるヒット商品のヒント

大正22年、名古屋市でパン・菓子製造を始めたフジパンの前身「金城軒」の創業から今年101年を迎える。長い歴史の中で、日々に定着した”新しいパン”を生み出してきたのもまたフジパンである。中身がこぼれない、持ち歩きの出来る携帯型サンドイッチ「スナックサンド」に、初めてバターロールにマーガリンを注入した「ネオバターロール」。

一見、誰にでも考えつきそうな新しいパンを生み出すヒントは日常のあちこちに落ちているのかもしれない。

「お客様の声や生活する上で見つける”ヒント”を商品開発に生かすことはよくあります。（吉田）」

大福みたいなホイップあんぱんも目新しいあんぱんだが、きっかけは開発メンバーがとある和菓子屋のオンラインショップで見つけた「生大福」だそう。生大福はもちもちの餅生地にあんことたっぷりのホイップが入った商品。まさに一目惚れであったという。

「『大福みたいなホイップあんぱん』の魅力は何といってもこの見た目！まるで大きな大福のように白くてもっちりした生地に、中を割ると溢れんばかりのホイップとあんこが入ったあんぱんですよね。（吉田）」

”あんぱん”と言えば町のパン屋から大手製パンメーカーまで当たり前のように発売していそうだが、当時のフジパンには代表するあんぱんが無かった。あんぱんを出しても中々売れず、数か月で終売する商品ばかり。普通のあんぱんを出しても既に市場には定着した他社ブランドのあんぱんがある。フジパンでは売れるあんぱんは作れないのか…。そこで、あんぱん低迷期に終止符を打ったのがこの「大福みたいなホイップあんぱん」。

（「大福みたいなホイップあんぱん」１５周年にちなんでホイップ１５％増量中）

※2023年４月末まで

「目新しい大福みたいなホイップあんぱんは発売当初、まさに飛ぶように売れました。お取引様からの受注がパンクして、一部地域では販売停止になるほど。やっとフジパンにも売れるあんぱんが出来たと思うと本当にうれしかったです。（吉田）」

この喜びにはもちろん開発メンバーのたゆまぬ努力があったのは言うまでもない。

開発する上で苦労した話を吉田に聞いた。

「大福を想起させる『もっちり感』がパン生地では中々再現出来なかったですね。もっちりの食感にこだわり過ぎて、パン特有のふんわり感がなくなってしまい、生地にくちゃつきが出て、くちどけもよくならなかった。また、ホイップとあんこをたっぷり入れたいが、かえって甘すぎて食べづらくなってしまう。甘くなり過ぎないように甘さや量のバランスを見つけ出すのには苦労しました。毎日のように試作しては試食を繰り返し、納得のいく味になるまで数か月かかりました。（吉田）」

あくまでも「パン」である以上、ふんわりはかかせない。強いこだわりを持って、開発に打ち込んだ。そうした努力の末に生まれたのがこの「大福みたいなホイップあんぱん」である。この商品名にもまた開発者の思いが詰まっている。

「『大福』により近づけるように開発した強いこだわりを商品名から感じてほしくて、『大福みたいなホイップあんぱん』とつけました。」と吉田は話す。商品名を見たお客様の期待を裏切らない自信があるからこそ胸を張ってつけている。そのフジパンの自信作をぜひとも味わっていただきたい。

より美味しさを求めて、終わらない挑戦

大福みたいなホイップあんぱんに関わらずフジパンのロングセラー商品は定期的なリニューアルで進化を続けている。

2018年３月のリニューアルでは、生地をより”もっちりふんわり”するように改良した。原料を見直すことでボリュームのあるふんわりした生地になるようにし、さらに湯種を入れることにより保水性が高まり”もっちり”を感じやすくなるという。

そうした進化のおかげで、2020年に累計販売数量１億個※を突破した。

※フジパン調べ　期間：2008年3月～2023年3月 出荷数量ベース

その後も2021年４月にさらに生地を改良。”大福”との親和性を高めるため、タピオカ由来のでんぷんからお米由来に変えることで、より口溶け良く”もっちり”を長く楽しめるようになった。

そして今年３月にはホイップをリニューアル。今までのホイップよりもすっきりとした甘さにし、あんことホイップのバランスを見直した。今後もさらにリニューアルを繰り返していくだろう。現代のニーズに、お客様の声に答えて美味しさを追求して更なる進化を続けていく。

ファンを飽きさせない工夫、あんことホイップだけに縛られない

大福みたいなホイップあんぱんでは、２か月に１回期間限定で味違いの商品を発売している。例えば、春には「抹茶」や「さくら」、秋には「栗」など、季節に合わせたフレーバーを今までに２０以上発売。同じ栗でも「甘栗」や「渋皮栗」、「国産和栗」など毎年お客様を飽きさせない工夫を心掛けて開発している。昨年初夏には「クリーム大福みたいなホイップあんぱん」※を発売。ついに”あんぱん”の垣根を越えて、”クリームパン”に参入したのである。あんこではなく、カスタードクリームとホイップの組み合わせは冷やすとまた違った美味しさを感じられる。現在発売しているのは「大福みたいなホイップあんぱん　さくら」。パン生地にもほんのり桜味を加えて桜色に。季節に合わせた「大福みたいなホイップあんぱん」を楽しめるのもまた醍醐味である。

※「クリーム大福みたいなホイップあんぱん」は今期も期間限定発売予定

（2023年３月発売の「大福みたいなホイップあんぱん　さくら」）

※2023年4月末まで。一部地域では販売を終了しております。

変わらないこだわり、変化するニーズ

発売から１５周年を迎え、累計１憶個を販売し多くのお客様に大福みたいなホイップあんぱんをお届けしてきた。もちろんその中には発売当初から今も変わらず購入してくださる方がいる。より美味しい商品を目指してリニューアルを続けていく中で、吉田の思いを聞いてみた。「大福みたいなホイップあんぱんはひと口食べたときのたっぷり入ったあんことホイップに驚いてもらいたい。それは開発当初から変わらないこだわりです。」そう言った吉田は今後もこの”驚き”だけは維持し続けるよう努力していきたいと話す。

商品の楽しみ方は人それぞれ。朝食に、おやつに、部活の前に、職場でのお供に。みなさんの生活の中にひっそりと寄り添うそんな商品で有り続けていく。最後に、吉田に大福みたいなホイップあんぱんをどんなときに食べるのか聞いてみた。「育児で疲れたときに朝日を見ながら大福みたいなホイップあんぱんを食べてます。」２児の母でもある吉田はたっぷりのホイップとあんこが入った大福みたいなホイップあんぱんはその日のエネルギーチャージになるのだとか。人それぞれ、楽しみ方を見つけてフジパンの”あんぱん”「大福みたいなホイップあんぱん」を是非食べてみてほしい。