株式会社杢兵衛造船所は滋賀県大津市堅田にあります１８７２年（明治５年）創業の造船所です。

琵琶湖で１５０年以上にわたって船の製造を続けてきました。

造船以外にもFRP加工技術を利用した保冷・冷凍車の架装や、ヨットハーバー・バスボートクラブの運営、自社で保有する観光船（一番丸）の運航も行っています。

今回は、弊社の創業の裏側と琵琶湖を皆さまの身近な存在とすべく取り組みを続けるその想いについてお伝えいたします。

常に琵琶湖と共にあった杢兵衛造船所の歴史。

当社のある堅田（大津市）は、中世に３０件程の造船所が集まり、琵琶湖で最も重要な造船の拠点でした。その中の１軒が"杢兵衛（造船所）"でした。

なぜ堅田に多くの造船所が集まったか?

その背景には、中世の時代になると、堅田衆（湖族）と呼ばれる人々が湖上での自由通行権を持ち、舟運や漁業を広範に行なうとともに、湖上の関所の１つである堅田関の管理や湖上を渡る船を安全に航行させることのできる権利（上乗権）を持っていたためです。これらのことが、堅田に造船所が集まった一つの理由でした。

しかし、時代は流れ、４００年以上経った現在、琵琶湖で新造船を手掛ける造船所は杢兵衛造船所のみとなりました。

琵琶湖を想い、持続可能な「継続的な賑わい」を創出する。

私たちは、まだまだ"琵琶湖"（船）が身近な存在として活用されていないことや、港周辺の賑わいが乏しいと感じていました。

そこで杢兵衛造船所では、琵琶湖（船）と地域の観光資源を活用した取り組みを「船のかけはし」プロジェクトと題して行っています。

これは、琵琶湖（船）や観光事業者ならびに地域とが協力し、「琵琶湖」滋賀・大津の観光産業の振興、湖の魅力の発信、新たな文化・交流の場を湖上に創出する琵琶湖を最大限活用したイベント等を実施し、継続的な賑わいの創出に向けた機運を醸成することで持続可能な「まちづくり」「人づくり」を実現するためものです。

“造船所”だからできることを実直に。徐々に地域の理解も得られるように。

そこでまず、琵琶湖（船）を身近な存在にするためには、地元住民や観光客が湖を身近に感じられる様々な機会を提供することが必要だと考えました。地域の皆さんや観光に来られた方が琵琶湖を楽しむ事のできる湖岸のイベントやフェスティバルの開催やクルーズも琵琶湖の魅力を最大限活かせるものだと思い、３年前に地元の堅田で「堅田湖族フェスタ」というイベントを開催することを決めました。また、観光船の運航が無かったおごと温泉港を発着する「琵琶湖浪漫クルーズ」を新たに就航いたしました。

開催初年度は、コロナ禍で地元の祭りやイベントは軒並み中止。そんな中での開催に否定的な意見や、金儲けの為だろうと言った誹謗中傷もあり、開催については慎重な意見が多くありました。

そんな中でも開催することができた大きな要因は、それを上回る期待が大きかったと思います。そんなイベントも今年で３回目を迎えました。

当初は堅田のみの開催でしたが２年目以降は会場まで船で行けるようにしたり、地元の学生が自分たちのまちを案内する「まち歩き」を実施するなど地域の方たちがもっと船や琵琶湖と親しんでいただける取組を行ってきました。地域の皆さんにもご理解いただけるものになってきました。

今年は、今年は、観光というところも考え取り組みました。

思いに賛同してくれる地域や人々も増え、９月は、おごと温泉（SHIGA CRAFT BEER FESTA）、１０月は、大津港（BIWAKO Hack！）、１１月は、堅田（堅田湖族フェスタ）３つの地域でイベントを開催いたしました。

各地域の特性にあったイベントを開催し、全体では２５，０００人の来場、開催期間中に船に乗船された方は２，５００人を超える結果となりました。

新たに就航した「琵琶湖浪漫クルーズ」は、おごと温泉に来たら遊覧船が乗れるということがまだまだ認知されていませんが琵琶湖（船）の魅力を伝えれれるように来年も引き続き運航することを決定しております！

今年も地域の皆さまと協力し、「琵琶湖（船）」「地域」の魅力を少しは発信できたのではないかと思います。

SHIGA CRAFT BEER FESTA（おごと温泉）

https://shiga-craft-beer-festa.studio.site/

BIWAKO Hack！（大津港）

https://www.biwako-kojo-market.com/

堅田湖族フェスタ（堅田）

https://www.katafes.com/

琵琶湖への"愛"から環境保全にも積極的に取り組むように。

その他にも、琵琶湖の水質や生態系を保全するための想いや考えから。「琵琶湖が喜ぶ石けん（琵琶湖はっぴー石けん）」や、滋賀県のお米で作られた地酒を琵琶湖を感じながら楽しんでいただけるような「お猪口（琵琶ちょ湖）」を作りました。

※ 売り上げの一部を、琵琶湖の環境保全のために寄付をする事も検討中です。

（右）琵琶ちょ湖

（左）琵琶湖はっぴー石けん

【今後の展望】琵琶湖から地域経済への貢献へ。

今後は、琵琶湖周辺の港を更に活用することで、地域経済への貢献が期待できます。

現在活用されていない港が琵琶湖には数多くあり、これらを観光拠点や交流拠点として再活用することで、地域に新たな活気をもたらすことができると考えます。

湖上交通を拡充し、新しい観光船の就航や船上カフェの設置など、港周辺の魅力を高める取り組みが今後は非常に重要だと考えます。

最後に琵琶湖を身近な存在とし、港周辺の賑わいを創出するためには、地域の協力と計画が不可欠です。湖畔の美しさ、新たな観光スポット、伝統文化の魅力を最大限に引き立て、琵琶湖を訪れる人々に感動を提供し、地域経済の振興に貢献していきたいと思います。

皆さまも琵琶湖（船）の未来について一緒に考えてみましょう！

【会社概要】

社　名：株式会社杢兵衛造船所

所在地：滋賀県大津市今堅田一丁目２ー２０

電　話：０７７－５７２－２１０１

代表取締役：仲野 薫

＜ホームページ＞

⚓造船所⚓

http://www.mokubezosen.jp/

⛵ヨットクラブ⛵

https://www.lakewest.jp/

<クルーズメニュー>

琵琶湖浪漫クルーズ

おごと温泉港（滋賀県大津市雄琴6丁目1-28）

瀬田川・琵琶湖リバークルーズ

石山寺港（滋賀県大津市石山寺１丁目４−１）

▼クルーズ、琵琶湖グッズのお問い合せ先▼

077-572-2114

8:30〜17:30（火曜日定休）

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