1951年に手洗用消毒石鹸液を開発したアルボース。植物由来の「バイオマスボトル」を採用、「やるなら最大限まで配合率を高く」という思いをかたちに

開発の裏側

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2023年7月7日 10時00分株式会社アルボース

株式会社アルボースは、1951年（昭和26年）に手洗用消毒石鹸液を開発し、「きれいをクリエイト」をコーポレートスローガンにして、現在に至るまで70年以上、石鹸液、ハンドソープ、消毒液、各種洗浄剤などを製造・販売してきました。

アルボースのサステナブルな社会への取り組みについて

「きれいをクリエイト」は、我々、株式会社アルボースの使命を端的に表す造語として制定されたコーポレートスローガンです。これには環境衛生の向上に寄与し、より良い社会の実現に貢献するという、全従業員の不断の思いが込められています。

株式会社アルボースは、豊かで活力のある未来を創るために、人に、地球にやさしい製品やサービスを提供し続けます。

バイオマスボトル商品開発の経緯

持続可能な社会の実現のため、環境・社会課題の解決に向け、当社として何ができるか検討している中で、ほとんどの製品に使用されているプラスチック容器に着目いたしました。

調査すると、当社では製品の容器を含む資材に石油由来のプラスチックの使用が多いことが分かりました。

石油由来のプラスチック容器は比較的安価で使用しやすいので業界では製品の容器に用いるのが主流となっています。その反面、化石燃料である石油を原料とし、燃焼時にCO₂を排出してしまう為、地球温暖化に繋がってしまうリスクがあります。

そのような中でまず初めに、プラスチック自体の使用量を減らせないかという検討を行いました。そこでは、紙などプラスチック以外の容器の検討や容器の肉厚を薄くしてそもそものプラスチック使用量を減らした容器などの検討を行いましたが、衛生商材という性質上もあり、保証期間の担保や使いやすさなどの点からなかなか実現には繋がりませんでした。

そこで次に検討したのが石油由来ではなく植物由来の原料から生成したバイオマスプラスチックへの変更でした。植物は成長過程で光合成をおこない、大気中のCO₂を吸収･固定するため、バイオマスを再生産する限りにおいて、焼却時にCO₂を排出しても全体では増加しない「カーボンニュートラル」という考え方ができます。

このバイオマスプラスチックは従来の石油由来のプラスチックと比較しても性質がかなり近いため、当社の一部製品でも使用が可能ということが研究部門の試験で判明いたしました。

その中で医療機関を中心に採用していただいており、使い捨てで使用されることが多いハンドホイップ500mLとRSPO認証製品であるアルボース薬用水石鹸iグリーン500mLのボトルにバイオマスボトルを使用することを決めました。

当社バイオマスボトルの配合率について

次に検討したのはバイオマスの配合率でした。

開発当初、社長から「やるなら中途半端でなく最大限まで配合率を高くしたらどうか」との意見がありました。昨今の市場では、バイオマス度が高配合率の製品はなかなか見当たりませんでした。バイオマスプラスチックは従来の石油由来のプラスチックと比較して生産量が少なく、原料の確保が難しいことが一つの要因と考えられます。

高配合率を目指すということは、その分確保する原料も多くなります。上市後の売れ行きについても不透明なため、多めにバイオマス原料を確保する必要がありました。

そのような中で、当社の調達部門が各調達先と交渉を行い原料を確保することができました。

また、各配合率の容器のサンプルを入手し、石けん液を入れた状態で温度や湿度による影響を調査し、容器の安定性を確認しました。

これらを経て当社ではバイオマスの配合率が75％以上と高配合率のボトルの使用を実現いたしました。

ここには、少しでも多く実質的なCO₂の排出量を削減したいという社員の想いが込められています。