燕三条の町工場が本気で下請脱却を目指し、世界一の商品を作り上げることができた理由とは。

#下請け脱却  #町工場  #自社商品

2020年9月29日 17時08分 株式会社 三条特殊鋳工所

燕三条と言えば、金属加工の街

我々サントク(三条特殊鋳工所)は、昭和36年に機械メーカーの鋳物工場で働いていた私の父が脱サラしてこの土地、三条にて創業した鋳物屋です。

創業当初より、様々な機械に使われる鋳物部品の製造を行なっており、高度経済成長の時代と共に成長してきました。あらゆる産業の様々なお客様からの受注があって初めて成り立つわが社も、燕三条にある町工場同様、たくさんのお客様の下請け企業という位置づけであることは間違いありません。そんな下請け企業には、ITバブルやリーマンショックのような景気の波に大きく会社の業績が左右されてしまうことは避けようがありませんでした。

「自社商品」があればメーカーになれる

実は町工場から一流メーカーになった企業がこの燕三条にはたくさん存在します。下請けを続けながら、自社の得意分野を生かした商品を開発すること。鋳物を作り続けて50年、そのノウハウを生かした鋳物ならではの自社商品であれば、きっと何か生み出せると自社商品開発事業部を立ち上げ開発を始めます。

最初に開発したのがこの「火のたまご」薪ストーブでした。部品すべてを鋳物でつくり、自由な曲面が作り出せる鋳物の特徴を生かした斬新な形の商品をつくることができました。

どうやって売るのかがわからない

商品はできデザイン賞もいただいたものの、今まで受注先メーカーへしか部品を提供したことがないわが社には、新しい販路開拓や、そもそも薪ストーブってどこで誰に売るのか、そういった販売ノウハウがまったくない状態だということに直面しました。いいモノが作れても売ることができないという問題は致命的でした。販売は販売専門のプロの力を借りることが必要という結論に至りました。


そんな中、OEMで鋳物のフライパンの製造依頼をいただき、この分野なら今後自社商品も開発できるし、販路も同時に開拓できると、OEMを承諾。そうして厚さ僅か2㎜の鋳物フライパンKOMINシリーズが誕生しました。 

さらにその後、大手アウトドアメーカーからダッチオーブンの薄肉品商品化の話をいただき、軽くて持ち運びが楽なダッチオーブンとして好評で様々な種類の商品を製造する中で、「薄肉鋳物」を製造するノウハウがどんどんと蓄積されていきました。

「世界一軽い、鋳物ホーロー鍋。UNILLOY」の誕生

そうして生まれたのが初の自社商品、ホーロー鍋UNILLOYです。

従来の輸入ホーロー鍋の重さ約半分という圧倒的な軽さが特徴で、普段使い可能なホーロー鍋が完成しました。グッドデザイン賞をはじめ様々なデザイン賞を受賞。

2015年には世界三大デザイン賞の一つ、レッド・ドットアワードの最高賞であるベストオブベストを受賞。その機能美とデザインが世界に高く評価されました。その後、さらに厚さ1.5mmという極限まで薄くした鋳物フライパンSSCを開発。


UNILLOYシリーズからも調理に最適な厚さを実現したUNILLOYフライパンを販売。クラウドファンディングMakuakeで大成功をおさめ、「鋳物なのに軽い」という常識を世の中に広めていきました。



「成功するまであきらめずに辞めないこと」

肉厚2mmという薄さは、「鋳物」では考えられない薄さであり、開発当初は8割以上が不良という状態で、到底量産などできないと思われました。ですが、機械部品製造で培ってきた技術をもとに、様々な不良に直面し対策してきた経験と、PC上で動く「鋳造シミュレーション」という武器を駆使することで、工夫すればきっとできる、そう確信し、あきらめずにできるまでやると決意。様々な問題を一つずつ解決していきました。

成功の鍵は「途中でやめてしまうから、できないんだ。エジソンだってそうだったはず。」と社長の内山は社員を鼓舞するように語り続けました。

「鋳物を通じて笑顔創造を!」

我々が作る鋳物はきっとどこかで誰かを笑顔にしている。ものづくりは「笑顔創造」とたくさんの笑顔を作るためにわが社が存在すると信じて、これからも新しいものを社員一丸となって作り続けていこうと、全社員でわが社が進むべき方向を共有し、三条特殊鋳工所は機械鋳物部品と自社商品キッチンウェアの大きな二本柱でこれからも成長し続けます。