独自開発の和紙素材を活用した自社ブランド「OneLuck」を展開するアパレル企業・mizani（ミザーニ）株式会社。   2020年5月20日より、集英社発ブランド・suadeoと共同開発した「和紙ニットマスク」の発売を開始、1週間で1000枚を売り上げました。

「CREA」「SPUR」「東京人」など、多数のメディアに掲載された和紙ニットマスク。

その開発の裏側には、mizani代表・佐野幸策のこだわりと、強い想いがありました。

■親心から生まれた肌にやさしいアパレルブランド「OneLuck」

OneLuckは、代表・佐野幸策の親心から生まれた、肌にやさしいアパレルブランド。

長年に渡り、ファッションブランド等でパタンナーとして活動し、フランス・パリコレクションやイタリア・ミラノコレクションへの出展ブランドも手がけてきた佐野。

生まれたばかりの長男が日々、乳児性湿疹に悩まされる姿を見て「もっと肌にやさしい素材を探したい」と、とことん追求しました。そのなかで、和紙素材と出会い、2年半の研究をかさねて製品化に成功。 2017年、OneLuck ブランドをスタートしました。

独自開発の和紙素材は、コットンの5.6倍の静菌・抗菌効果（※1）を持ち、世界基準の繊維の安全認証「エコテックス（※2）」を取得。そのなかでも最も安全性の高い「Class Ⅰ」として認められています。

こだわりの和紙素材を使用したベビー服・タオル・肌着などのシリーズは、お肌の敏感な赤ちゃんや肌に悩みをもつ多くの方をはじめ、あらゆる方々に、日々の暮らしをより快適にするアイテムとしてご愛用いただいています。

■「コロナ禍の今、自分たちにできることを」

そんな和紙素材を使ったマスクの開発がはじまったのは、2020年3月頃。新型コロナウイルスが国内でも猛威をふるい、社会全体が大きく変化した時期でした。

OneLuckにとっても大きな転機。経営者として、「社会のために経済を回すこと」と「新型コロナウイルス拡散防止のため、活動を自粛すること」のバランスに悩まされていたといいます。

suadeoからマスクの共同開発を発案されたのは、ちょうどその頃でした。当時を振り返り、佐野は次のように語ります。

「suadeoさんとは『人々のライフスタイルを豊かにしたい』という共通した想いがあり、親しみを感じていたブランド。以前にも、当社の和紙素材を使用し、アパレル製品を共同開発した実績がありました。

suadeさんは当社の和紙素材の特徴をよくご存じでしたし、高い信頼を寄せてくれていました。

今後の方向性に悩んでいた私でしたが、お声がけいただいたことに背中を押され、『せっかく肌にやさしい素材を持っているのだから、社会のために活かさなくては』という想いがわきました」

■意識したのは「機能美」。素材のよさを活かし、日常をより安心・快適にするマスク

現行の和紙ニットマスクが完成するまでは、試行錯誤の連続でした

「和紙素材は、マスクとして非常にすぐれた素材。抗菌・消臭性はもちろんのこと、着用した際の自然なひんやり感は、気温が上がるこれからの時期にぴったりだと思いました。

和紙素材の強みを最大限に活かしながら、飛沫感染の防止というマスク本来の役割をしっかりと果たす。そしてアパレルブランドとして見た目にもこだわりたい。

OneLuckではそれらすべてを叶える『機能美』を追求したマスクを目指しました」

当初作っていたのは、一般に多く見られる布を縫製してつくるカットソータイプのマスク。複数回にわたり試作を行いましたが、カットソーのマスクではどうしても、鼻や口元部分に隙間ができてしまうという課題がありました。

（試作品段階のマスク）

つづいて佐野が着目したのは、編み上げで立体感を作り出す「ニットマスク」。

縫製してつくるマスクとは異なり、機械を使用して立体になるよう糸から編み上げる製法です。無縫製で、製作から人の手が触れる工程が少ないため、より衛生的であるという強みもありました。

「ニットマスクの試作に切り替えてからは、非常にスムーズに開発が進みました。ほどよい伸縮性と、フェイスラインへのフィット感があり、和紙のひんやり感も感じられます。

耳が痛くならない・息苦しくならないサイズ感を目指して調整し、2回めの試作では、プロジェクトメンバー全員が『これでいこう！』と思えるものが仕上がりました」

新型コロナの影響により、全員リモートでの開発となったことも、マスクの開発を一層難しくした要因でした。

通常、新商品の開発をおこなう際には、サンプルを1か所に集め、互いに顔が見える状態で、感想を伝え合います。しかし、1か所に複数名が集まることを避けるため、工場からそれぞれの自宅へサンプルを郵送。リモート会議で意見を述べ合いました。

こうした変化への対応、スピード感をもった開発は、OneLuckにとって今後の大きな糧となる体験でした。

■「和紙」の価値を再発見。これからも和紙で人々の生活をより快適にしたい

いつもと違う状況下において、妥協せずに試作を重ねた和紙ニットマスク。そのこだわりや想いが伝わり、多くの方のお手元に届けることができました。

コロナ禍における新商品の開発では、さまざまな反省や学びがありました。

「新型コロナにより、『和紙素材そのものの価値』が大きく見直されたように感じています。

価値が見直されたことで、5～6月には一時的に原料となる和紙そのものが品薄になるなど、当社としても予想外の事態が発生してしまいました。

原料不足の影響から、お客様への商品のお届けが遅れてしまうなどのトラブルが発生した時期がありました。現在は、生産ラインを原料から見直し、お客様のニーズに対応できる体制を整えています。

そうした反省もある一方で、商品をお届け以降は非常にご好評いただいています。

実際に、使い捨てマスクではすぐに肌荒れしてしまったという方から、『このマスクだと肌の調子がいい』といった声をいただいたり、子ども用の販売以降に『子どもも気持ちよく使っている』といったお声をいただいた時には、スタッフ一同非常にうれしかったです。

敏感な子どもの肌や、口元などのより安全性が問われる部分でも快適にご使用いただけたということで、改めて和紙素材のよさを確信することができました。

今後はこの学びを活かし、敏感なお肌の方に安心な肌着やアパレル製品の開発をさらに進めていきたいと考えています」

OneLuckではこれからも、人々の日常をより快適にするため、こだわりの商品開発をつづけてまいります。

この商品の関連プレスリリースはこちら

＞＞OneLuck × suadeo 和紙ニットマスク（大人用）について

＞＞OneLuck × suadeo 和紙ニットマスク（子ども用）について

＝＝＝＝＝

※1

和紙素材の抗菌・消臭効果・吸水速乾性に関する検証データ

https://oneluck.thebase.in/blog/2018/02/19/132938

※2

繊維の安全認証「エコテックス」について

エコテックスとは繊維ビジネスにおける、世界に通ずる安全の証。350種以上の有害物質を規制対象としており、日本の基準はもちろん世界各国の規制・基準をクリアできるほどの高い安全性をほこります。

https://oeko-tex-japan.com/

＝＝＝＝＝

＜mizani株式会社について＞

独自開発の和紙素材を活用した自社ブランド「OneLuck」を展開するアパレル企業。代表取締役 佐野幸策は、長年、メンズブランド等でパタンナーとして活動。フランス・パリコレクションやイタリア・ミラノコレクションへの出展ブランドも手がけるアパレルのプロフェッショナルです。

こだわりの和紙素材を使用したベビー服・タオル・肌着などを手がけるほか、著名アーティストをプロデュースする総合エンターテイメント企業・LDHグループ発のキッズウェアブランド「TEGTEG」、集英社発のアパレルブランド「suadeo」ほか、多くのブランドと製品を共同開発。他社への素材提供やコラボレーションを、積極的に行なっています。

服だけでなく、服を着る人の生活そのものを豊かにすることを目指し、事業展開をしていきます。

＞＞インタビュー記事MIZANI株式会社 代表取締役 佐野幸策

https://ninoya.co.jp/ninoya_log/20631

＞＞OneLuck Instagram

https://www.instagram.com/one_luck/?hl=ja

＜OneLuckの和紙素材＞

コットンの5.6倍の静菌・抗菌効果を持ち、お肌の敏感な赤ちゃんや肌に悩みをもつ多くの方をはじめ、あらゆる方々に、日々の暮らしをより快適にするアイテムとしてご愛用いただいています。

消臭効果と吸水速乾性にすぐれているだけでなく、3か月前後で自然分解され土へと還るエコロジー素材でもあります。肌と環境にやさしい、これからの時代に寄り添うアパレル素材です。

＜お問合せ先＞

OneLuck コンタクトページ

https://thebase.in/inquiry/oneluck