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新任広報担当者必見!メディアの人に会ったとき「最初の1分」で伝えるべきこと|笹木郁乃

本稿は、笹木郁乃氏による寄稿です。

新任広報担当者が、メディア関係者に会ったときどのような対応をすればよいのか、迷われることがあるのではないでしょうか。本記事は、そのようなお悩みに対してヒントとなるであろう、最初の1分で伝えるべきことを解説。

当時、正社員1名という創業期の寝具メーカー・エアウィーヴに入社し、広報PRのキャリアをスタート。その後、バーミキュラを製造販売している愛知ドビーでの経験を経て、現在は多くの企業に対する広報PR支援を行う会社を自ら立ち上げた笹木郁乃氏に執筆していただいています。

株式会社LITA 代表取締役社長

笹木 郁乃(Sasaki Ikuno)

山形大学工学部を首席で卒業後、大手自動車部品メーカーに研究開発職として入社。26歳の時に、直接誰かの役に立つという実感が得られる環境のほうが自分には合うと考え、創業期の寝具メーカー・エアウィーヴに転職。そこで初めて広報PRに出会い、ひとり広報で5年で1億円から115億円へ売り上げ拡大に貢献。2013年に出産。育休復帰後、ママになっても情熱をかけてチャレンジする自分でいたいと思い、無水鍋のバーミキュラを製造販売している愛知ドビーに広報PR担当として転職。1年間で12ヵ月待ちの人気商品に押し上げる。32歳で独立し、自身のPR経験より構築した独自のPR理論をコンテンツとする「OJT式PR塾」を主宰。受講内容は毎年アップデートし、現在1年間の長期講座にもかかわらず、継続的に約500名が同時に受講。顧問先は1,600社以上、累計8,000人以上の指導実績を持つ。「PRは魔法であり、劇的に会社を変える力がある」が持論。著書:『説明の上手い人が「最初の1分」でしていること』(クロスメディア・パブリッシング 2024年)

(この記事を読んでいただく方へ)
はじめまして。株式会社LITAの代表でPRプロデューサーを務めている笹木郁乃と申します。私はこれまで、エアウィーヴや愛知ドビーといった企業でのPR活動を通じて、製品の知名度と売り上げを大幅に向上させる経験を積んできました。エアウィーヴではPR活動により売り上げを1億円から115億円に伸ばすことや、鋳物ホーロー鍋「バーミキュラ」を全国区にすることに貢献しました。

これらの成功は、一朝一夕でできたのではなく、メディアに対して短時間で魅力を伝えることを常に訓練してきたからです。PRのプロフェッショナルとして、多くの広報担当者に助言をしてきた経験から、新任広報担当者がメディアの人に会った際に「最初の1分」で何を伝えるべきかを具体的にご紹介します。

「最初の1分」の重要性

近年、広報という職種は注目を浴びるようになり、求人も増加傾向にあります。また、広報に関するセミナーや書籍も増えており、広報のノウハウは以前よりも得やすくなっているのではないでしょうか。

本記事では、メディアの方に会ったときに実践いただきたいノウハウをご紹介。わかりやすく自社の製品やサービスをお伝えできるかのポイントを解説していきます。

メディアの人と会う際には「最初の1分」が非常に需要になります。なぜなら、この短時間で相手に興味を持ってもらえるかどうかが、その後の会話の流れを大きく左右するからです。自分の話が相手にとって価値があると感じてもらえれば、詳細な説明にも耳を傾けてもらえますが、「最初の1分」で興味を持ってもらえなければ、その後どれだけ話しても聞いてもらえない可能性が高くなります。

例えば、私が企業のPRを行っていたときも、メディアの方々に対して製品の魅力を短時間で的確に伝えることが求められました。この「最初の1分」が成功のカギとなるのです。

自社の説明の最初に何を話すべき?

メディアの人と会った際、最初に伝えるべきことは非常にシンプルでわかりやすいものであるべきです。例えば、自己紹介の一言を工夫することで、大きな差が生まれます。「エラスチンを使った美容化粧品を製造販売する会社です」という専門用語を使った複雑な説明よりも、「エステサロン向けの美容化粧品を製造販売する会社です」というシンプルな説明のほうが、相手にとってイメージしやすくなります。最初の一言で相手に何を伝えたいのか、そしてその内容が相手にとってどう関係するのかを明確にすることが重要です。

具体的には、次のようなステップを踏むと良いでしょう。

1.自己紹介と会社の概要:まずは自分の名前と役職、そして会社の簡単な紹介をします。このとき、会社の主な製品やサービスについて触れると良いでしょう。大切なのがこのときに特徴や他社との差別化などの要素を盛り込まないことです。まずは「弊社はPR会社です」のようなシンプルな一言が大事です。

2.製品やサービスの特徴:どんな会社かわかってもらったら、次に、製品やサービスの主要な特徴を簡潔に説明します。具体的な例や数字を使うことで、相手に具体的なイメージを持ってもらいやすくなります。

3.相手にとってのメリット:最後に、相手にとってのメリットを強調します。メディアの人が知りたいのは、その情報が読者や視聴者にどのような価値をもたらすのかということです。

メディアに対して心得ておきたい3つのこと

メディアから信頼されるために伝えるべきことは「第三者評価」

メディアの人に信頼してもらうためには、第三者からの評価を上手に活用することが効果的です。自分自身や自社の製品をアピールするだけではなく、他者からの評価や実績を示すことで、信頼性が高まります。例えば、製品の使用者からの好意的なレビューや、過去のメディア露出の実績を伝えると良いでしょう。こうした第三者評価を具体的に示すことで、相手に安心感を与えることができます。

具体的な例としては、次のようなものがあります。

A.顧客の声:製品やサービスを利用した顧客からのフィードバックやレビューを紹介します。特に、具体的な数字や事例を交えると効果的です。

 B.メディア露出:これまでメディアに取り上げられた記事やニュースを紹介します。特に、信頼性の高いメディアに掲載された実績がある場合は、それを強調すると良いでしょう。

C.業界賞や認定:受賞歴や業界の認定を紹介します。これは、製品やサービスの品質を保証する重要な要素となります。

これから始める事業でまだ実績がないという場合は、ご自身のこれまでの実績の中から信頼性が高いものをピックアップしましょう。

メディアが一番知りたいことは「変化」

メディアの人が一番知りたいのは、「ビフォーアフター」の変化です。人は変化に興味を持つため、あなたの製品やサービスがどのように人々の生活やビジネスを変えるのかを具体的に示すことが重要です。「ビフォーアフター」を説明する際には、できるだけ具体的な事例を使い、相手がその変化をイメージしやすいように話しましょう。例えば、「この化粧品を使う前は乾燥肌に悩んでいたが、使い始めてから肌のうるおいを感じるようになった」といった具体的な変化を伝えることが有効です。

「変化」を効果的に伝えるためのポイントは以下の通りです。

具体的なエピソード:実際に製品やサービスを利用した顧客の体験談を紹介します。具体的な数字やビジュアルを用いることで、変化をよりリアルに伝えることができます。

比較の視点:利用前と利用後の比較を明確に示します。例えば、「導入前は作業時間が1日8時間かかっていたが、導入後は4時間に短縮された」といった具体的な成果を示すと良いでしょう。

感情に訴える:変化によって得られた感情的な効果(例:安心感、満足感、達成感など)も伝えることで、相手に共感を呼び起こします。

メディアの記憶に残すために必要なことは「感情を揺さぶるストーリー」

相手の記憶に残るためには、感情を揺さぶるストーリーを伝えることが効果的です。ストーリーには感情の起伏があり、聞き手の感情を動かす要素が必要です。例えば、製品開発に至るまでの苦労や成功までの過程、そしてそれによって得られた成果や顧客の喜びの声などを具体的に語りましょう。感情に訴えるストーリーは、相手の記憶に強く残りやすく、より深い関心を引き出すことができます。

感情を揺さぶるストーリーを作るためのステップは次の通りです。

個人的な経験:自分自身の経験や感情を交えた話をすることで、相手に共感を呼び起こします。例えば、「私自身、この製品を使ってみて、その効果に驚きました」といった個人的な感想を交えると良いでしょう。

挑戦と成功の物語:製品やサービスの開発過程での挑戦や困難、そしてそれを乗り越えた成功のストーリーを語ります。例えば、「市場調査を通じて得た顧客の声を反映し、何度も改良を重ねて完成させました」といったエピソードが効果的です。

顧客の成功体験:顧客が製品やサービスを利用して得られた成功体験を紹介します。具体的な事例や数字を交えることで、相手に強い印象を与えます。

まとめ

メディアの人と会った際の「最初の1分」は、説明の質を大きく左右します。

  • 最初の一言を工夫する
  • 第三者評価を活用する
  • 具体的な変化を伝える
  • 感情を揺さぶるストーリーを語る

お伝えしてきたこれらのポイントを意識することで、相手の興味を引き、記憶に残る説明が可能となります。あなたの説明はより効果的になり、メディアから注目を集めることができるでしょう。

新任広報担当者の皆さんも、これらのコツを活用して、自信を持ってメディア対応を行ってください。「最初の1分」で相手の心をつかみ、その後の会話をスムーズに進めることが、成功のカギとなります。しっかりと準備をして、メディアと良好な関係を築いていきましょう。

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