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たった一人に届ける。プレスリリースを起点とした商品開発と広報PR|まくら株式会社

たった一人に届ける。プレスリリースを起点とした商品開発と広報PR|まくら株式会社

千葉県柏市に本社を構えるまくら株式会社は、「よく眠れる社会を作る」というミッションのもと、枕に特化した商品・サービスを幅広く展開しています。創業以来20年以上にわたり、広告に頼ることなく安定した収益基盤を築きながら事業成長を続けてきました。

本記事では、同社代表取締役の河元智行さんと、睡眠改善インストラクター、睡眠環境・寝具指導士としての専門知識を活かしながら、同社の広報を担う益田桃花さんにインタビュー。創業の背景、そこからの歩み、プレスリリースを起点にした商品開発について伺いました。

まくら株式会社(千葉県柏市):最新プレスリリースはこちら

まくら株式会社 代表取締役

河元 智行(Kawamoto Tomoyuki)

某家電量販店の携帯電話セールススタッフとして勤務。その頃、買い換えた枕が合わないことで体調を崩したことをきっかけに、枕の選び方を消費者視点で伝えるWEBサイトを立ち上げる。その後、枕の企画開発やネット通販を行う「まくら株式会社」を2004年に設立。現在は、枕の新商品開発や販売を通じ、プレスリリース起点で会社の未来をつくる「プレスリリース経営」を実践し、そのノウハウを幅広く伝える活動を行っている。2023年10月よりPR TIMES公認プレスリリースエバンジェリストとして活動。

まくら株式会社 広報部 睡眠改善インストラクター/睡眠環境・寝具指導士

益田 桃花(Masuda Momoka)

枕・寝具を企画・販売するまくら株式会社及び関連会社にて、広報部の立ち上げからすべての広報業務をひとりで8年務める。また同期間、商品企画部を兼任し、広報視点での商品企画を行う。他、学生時代より研究を行ってきた睡眠の専門知識を活かし、専門家としてテレビ・ラジオ・雑誌などへのメディア露出、他社の商品企画・商品監修なども行う。2025年10月よりPR TIMES公認プレスリリースエバンジェリストとして活動。

創業前に培われた情報発信の姿勢が広報PRの軸に

──本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、まくら株式会社の創業までの背景について教えていただけますでしょうか。

河元さん(以下、敬称略):はい、よろしくお願いいたします。私はもともと大手家電量販店で携帯電話の販売員として働いていました。転機となったのは20代の頃。枕を買い替えたところ、自分にまったく合わないという経験をしたのです。

その当時話題になっていた枕だったのですが、使い始めてから首の痛みや頭痛、不眠といった症状が現れて、はっきりとした睡眠の不調を感じるようになりました。「枕を変えただけで、これほど体調に影響があるのか」と強い衝撃を受けましたね。

そこから枕について学び、枕の選び方を生活者目線でまとめたサイトを立ち上げ、情報発信を始めました。自分自身の探究心や中立性を軸に、枕のランキングや新商品情報、素材の解説などを集め、枕に詳しくない人でもわかるよう、生活者目線で構成していたのが特徴的だったと思います。

──多くの方にとって必要不可欠ではあるものの、買い替え機会が多いわけでもないですし、詳しい方は少ないですよね。

河元:サイト内に設けた掲示板に日本中から本当に多くの声が寄せられ、「これほど枕で悩んでいる人がいるのか」と驚きましたね。客観性や公共性を大切にしながらきちんと情報を発信すれば、しっかり伝わるということを実感しました。今、当社がプレスリリースでの情報発信を大切にしているのは、こうした原体験があるからだと思います。

また、発信を続けるうちに検索サイトでも上位に表示されるようになり、今でいう「枕のインフルエンサー」のような立ち位置を確立しました。枕メーカーから新商品のプレスリリースが届くようになり、紹介したものがテレビで取り上げられることも多く、次第にメーカーとメディアを仲介する役割を担うようになっていきました。

──まさに、枕を世に広めてこられたのですね。

そうですね。当時、300以上の枕を紹介していましたが、メリットはもちろんデメリットについても詳しく書くことを常に意識していました。客観的かつ中立・公平な立場を貫くということを大切にしていたのです。いい面、わるい面を知ったうえで、最終的に「自分の好みや感覚を大切にして選んでほしい」と思っていました。

その後、サイト内で枕の販売を始めたことが、現在のまくら株式会社のはじまりです。法人化後は大手企業とも取引が可能になり、さまざまな会社の枕を扱えるようになりました。

業界的に制約が多い中でも、複数ブランドを横断し、生活者が選べるスタイルをつくれたことが評価されたのだと思います。

──創業から現在のまくら株式会社のスタイルに至るにはどのような経緯があったのでしょうか。

河元:創業当初は、在庫を持たない完全な受発注型で事業をスタートしました。大手をはじめとする取引先を増やしながら国内外の枕を扱い、もっとも多いときには、枕以外の寝具も含めて5万点以上の商品を取り扱うまでに拡大しました。

また、「20日以内であれば返品可能」「合わなければ全額返金」という制度も導入しました。最終的には「自分の好み」なんです。「安眠を売る前に、まず安心を売る」という考え方を徹底し、当時としては画期的な取り組みだったと思います。

その一方で、価格競争や送料無料、ポイント還元が激しくなる中、「情報収集は当社で行い、購入は別の店で行う」という流れが生まれていきました。そのような中、「自分で枕を売ってみてはどうか」と勧められたこともあり、型番商品販売から一歩踏み出し、自社商品をつくる方向へと舵を切ることを決断したのです。自社商品を広める手段として、ほとんど広告に頼らず、広報PR活動を軸に事業を成長させてきました。メディアから生まれ、メディアとともに育ってきた。その原点は、今も変わっていません。

まくら株式会社さまインタビュー01

自ら手掛けた商品が世の中に広まることを実感

──益田さんは大学時代に睡眠を専門に研究されていたそうですね。

益田さん(以下、敬称略):はい。私は昔から睡眠に悩みを抱えていました。とにかくたくさん夢を見るタイプで、睡眠についてきちんと学びたいと思い、睡眠を研究できる大学に進学。学生時代は一貫して睡眠の研究に取り組んでいました。

枕は「眠り」そのものを象徴するアイテムだと思うんです。ふわふわして、触れるだけで心地よさを感じられる。私はもともと眠ることも大好きだったので、研究で得た知識を生かしながら、枕を作って販売する会社で働きたいと思っていました。そうした際に大学の教授から当社を紹介され、新卒で入社しました。今でも睡眠について常に考えています。

──大学時代を加味すると、かなり長い期間「睡眠」について考えているのですね。

益田:まくら株式会社に入社して10年目となりますが、大学での研究期間も含めると、13年近くも睡眠に携わっていることになります。

──益田さんが広報PR活動を担うようになった経緯について、教えていただけますでしょうか。

河元:益田が自ら声を挙げてくれたんですよ。

まくら株式会社さまインタビュー02

益田:そうですね。入社後しばらくは、商品企画として睡眠に関する知識を生かしながら商品を仕入れたり、自社商品を作ることに携わっていました。ある時、商品を販売するにあたってプレスリリースを出してほしいと頼まれたことがあり、はじめてプレスリリースという存在を知りました。自社の商品が、こうやって世の中に広まっていくのだということを目の当たりにして感動したのを覚えています。

その経験から広報という仕事に興味を持ち、社長に広報部を立ち上げてほしいと直接伝えたんです。そこからはずっと、商品企画とひとり広報との二足の草鞋です。

まくら株式会社さまインタビュー03

プレスリリースで「刺さるキーワード」を意識した商品開発

──プレスリリースの配信タイミングや切り口など、どのようなスケジュールで考えられているのでしょうか。

河元:最初の頃は、商品が完成してからプレスリリースを書いていました。しかし、商品完成後に「どう売るのか」を考えると、売れないこともあります。そこで、先にマーケティングやプレスリリースのタイトルを考えてリストアップし、その中から良さそうなものを商品化するという方法に切り替えたところ、手応えを感じることがありました。

プレスリリースはタイトルにマーケティングのすべてが集約されているので、そのタイトルがよければ売れると考えています。

益田:とにかく最初のころは、初心者なりにいろいろな記事を読んだり調べたりして勉強をしました。私が意識したのは、「もっとも伝えたいキーワードを入れる」ということです。そのようにして考えられたタイトルのプレスリリースは反響も大きく、「キーワードひとつで見てもらえるかどうかが大きく変わる」ということを実感しました。

そうした経験もあり、今は企画の段階でプレスリリースのタイトルを考え、「これはきっと反響がある」と思えたものを企画するようになりました。

まくら株式会社さまインタビュー04

プレスリリースは、会社の価値観と社会的使命の集大成

──プレスリリースにはどのようなことを期待して配信されていますか。

河元:最初にプレスリリースを配信した際、ものすごく取材依頼が来ました。毎週のようにテレビ取材が入り、少し期間が空いてからもその報道を見たほかのメディアからさらに取材が入ることもありました。「発信することは世の中に知ってもらえることなんだ」とあらためて感じましたね。

また、プレスリリースはバックナンバーが残るのも魅力のひとつです。プレスリリース配信後、何ヵ月もしてから取材の依頼が入ることも少なくありません。当社がどういう会社なのか、歴史や実績を伝える大切な資料にもなるので、出すことに意味があると思っています。

──プレスリリースをたくさん配信されていますが、配信する際の方針や意識していることを教えていただけますでしょうか。

河元:当社では、これまでに600本以上のプレスリリースを配信しています。当初は「とにかく数を出せばよい」と考えていた時期もありましたし、テクニックとしてタイトルづくりに注力していたこともあります。

今は、パーパス「一年に一人でもいい、大切な命を救う」をプレスリリース配信でも意識しています。コロナ禍では、眠れない人が増えたこともあり、枕の売り上げは過去最高を記録したのです。しかし、その一方で「本当に人を救えているのか」という違和感を感じたことが大きかったと思います。

というのも、不眠に悩む方の中には、病院に行ったり薬を試したりするだけでなく、枕を買い替える人も意外と多くいます。枕は不眠解消の入り口にある存在です。自分に合う枕を提供できれば、不眠に悩む人を減らし、最終的には精神的な病気や命を落とす人を救えるのではないかと考えるようになりました。

だからこそ、プレスリリースも「枕難民をゼロにして、よく眠れる社会をつくる。」というビジョンを軸に展開したいと考えています。まだまだ道半ばで、達成できていないことも多いのが現状ですが、少しずつでも前に進めていきたいですね。

──先ほど、プレスリリースのタイトルにこだわっていると伺いましたが、益田さんがそのほかに工夫されていることなどありますか。

益田:「万人に合う枕」というのはないので、「その商品を求めている人」に届けばいいなと思って、プレスリリースを書いています。例えば、当社では最近「うつぶせ寝」専用の枕を発売したのですが、そのプレスリリースも「うつぶせ寝をしたい方」に届くことを心がけて作成しました。うつぶせ寝をする方の悩みや、その人が枕を探すならどんな言葉で調べるのか、そこを意識してプレスリリースに取り入れるようにしています。

当社の商品は、悩みや睡眠環境のニッチな部分にマッチするものが多いので、それぞれの特色を活かすことも重視しているポイントのひとつです。どの商品にも使える言葉ではなく、「その商品にしか使えない言葉」を大切にしていますね。

まくら株式会社さま ウツブセーネ プレスリリース

参考:うつぶせで寝たい「ウツブセーネ」のための枕が登場!枕中央に開いた穴・腕をまわしやすい形状・ふっくら柔らかな感触など、うつぶせ寝に特化した枕「ウツブセーネ」10月27日(月)新発売。

──独自のデータを用いた配信も多いですよね。

河元:さまざまな調査を実施して、そのデータを積極的に活用してプレスリリースで発信しています。その中でも、最近特に問い合わせや取材が多いのが、当社で発行している「まくら白書」です。枕に関する統計調査をまとめた冊子で、その内容を使いたいというメディアからの連絡が多数寄せられています。

数字的な根拠やエビデンスを盛り込んだものは、メディアにも取り上げられやすいので、今後もさらに力を入れていきたいと思います。「枕に関することはまくら株式会社へ」という立ち位置を、さらに確立していきたいですね。

まくら株式会社さまインタビュー05

「布団のおまけ」ではなく、枕の価値を再定義していきたい

──たくさんのお話をありがとうございます。最後に、これから取り組んでいきたいことや、思い描いていることをお伺いできますか。

河元:やはり、「よく眠れる社会を」つくっていきたいと考えています。枕は、一日の三分の一ほど触れ、人生の中で約30年は使い続けるものですから、枕ひとつで人生が変わると言っても過言ではありません。

よく眠れれば、人生もよりよくなる。枕は単なる「もの」ではなく、パートナーであり、相棒のような存在です。その大切さを、もっと世の中に伝えていきたいと思っています。

残念ながら、現状、枕はまだ布団のおまけのような扱いで、商品として十分に認識されているとは言えません。JIS規格もなく、枕は布団の一部としてあつかわれているのが実情です。だからこそ、枕の価値が正しく認められ、よく眠れることで心も体も健康になれる社会を、商品開発と広報PRの両面から目指したいと思います。

益田:世の中には日々たくさんの新しい枕が登場していますが、まだ自分に合う枕に出会えている人は少ないので、今後も「自分に合うぴったりの枕」をお届けすることに重点を置いていきたいと思います。

現在、枕を提案する仕組みがありますが、個人的にはその取り組みをさらに強化したいと考えています。枕のことがまったくわからない人でも、そこに行けば自分にマッチする枕に出会える。そんな体験を提供できる仕組みをつくることが、今やりたいことのひとつです。

その結果、より多くの人がぐっすり眠れる幸せを感じられるようになれば、これほど嬉しいことはないですね。

まくら株式会社さまインタビュー06

まとめ:プレスリリースを起点とした商品開発と広報PR

枕というニッチでありながら生活に深く根ざした領域で事業を成長させ続けてきた、まくら株式会社。創業前から培われた生活者目線の情報発信は、今や「プレスリリースを起点に商品をつくる」という独自のスタイルへと進化しています。

同社がこれまでに配信した膨大なプレスリリースはバックナンバーとして蓄積され、企業の価値観や実績を伝える大切な資産に。万人ではなく、たった一人の届けるべき相手に届く言葉を選び、さらに独自データで根拠を示してきた取り組みは、業界を問わず広報PR担当者にとって多くのヒントになるはずです。

  • 「伝えたいこと」ではなく「その商品を求めている人」が検索する言葉を起点に切り口を設計
  • どの商品にも使える言葉ではなく、「その商品にしか使えない言葉」を
  • タイトルを企画段階から考え、プレスリリースと商品開発を同じ線上に置く
  • 独自調査や「まくら白書」など、数字的根拠とエビデンスでメディアが使いやすい情報を提供
  • プレスリリースを単発の施策ではなく、将来の成果につながる「種まき」として積み上げる

枕の価値を再定義し、「枕難民ゼロの世界」を目指す同社。マーケティング視点で考えられた商品開発とその起点となるプレスリリース・広報PR活動に、今後も注目です。

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この記事のライター

PR TIMES MAGAZINE執筆担当

PR TIMES MAGAZINE執筆担当

『PR TIMES MAGAZINE』は、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」等を運営する株式会社 PR TIMESのオウンドメディアです。日々多数のプレスリリースを目にし、広報・PR担当者と密に関わっている編集部メンバーが監修、編集、執筆を担当しています。

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