【畜産農家向け】糞尿処理にかかるコストを大幅削減
~多様な選択肢によりサスティナブル運用が可能なERSへ進化バイオマスボイラー活用の提案を開始~
1.ERSシステムとは?
ERSシステムは、地域に生息する土着菌を活用し、家畜糞尿をわずか1日で殺菌・発酵・乾燥して資源化する画期的なシステムです。処理工程の全てにおいて排水や悪臭を発生しないこと及び処理後の成果物が燃料や敷料等に再利用できるのが最大のメリットです。
2.バイオマスボイラー導入効果の実証経緯
ERSの稼働時にはERSの熱源として蒸気を供給するため、ボイラーが必要です。JETは、ボイラーの燃料コストを削除するため、バイオマスボイラーを使用したシステムを確立すべく検討を重ねました。そして、2020年に実用レベルでバイオマスボイラーとERSを連動したシステムを確立させました。
さらに2022年には、バイオマスボイラーの実績データによる実証により、バイオマスボイラーが畜産クラスター補助金の対象として認められるようになりました。バイオマスボイラー導入に関する経緯の詳細は以下の通りです。
<Phase1> バイオマスボイラーの実用性テスト ~システムの検討と確立~
JETは、ERSとバイオマスボイラーを連動させ自動運転化することにより、牛の糞尿処理にかかる燃料コストの削減度合を把握するため、2017年にテストを開始しました。
本テストでは、牛の糞尿をERS処理により発酵乾燥した物を燃料としてバイオマスボイラーに使用することを計画していました。しかしながら、燃料としての利用が、行政機関によってはまだ認められないという課題に直面しました。そのため、バイオマスボイラーで使う燃料をRPFに切り替えましたが、その時点で使用したRPFの品質が均一でなかったため、バイオマスボイラーの有用性を十分に確認することができませんでした。
<Phase2> バイオマスボイラー連動システムの確立 ~実用レベル到達~
各地の畜産農家に向けてERS導入の提案を実施するなか、2020年4月、ERSとバイオマスボイラーの連動システムが、乳牛農家である株式会社リオグランデ(本社:静岡県富士宮市、代表者:宮島敏博)へ導入されました。同社では乳牛400頭の糞尿の一部をERSで処理しており、これが実用レベルでの連動システム導入の第一号となりました。
バイオマスボイラー用燃料に関しては、一定の品質を保ったRPFを使用し燃料コストを抑えることができています。
ERS導入にあたり、リオグランデは富士宮市や富士開拓農業協同組合と連携し、畜産クラスター補助金を活用しました。ただしこの時点では、ERSそのものは補助金対象となったものの、バイオマスボイラーについては重油ボイラーとの比較優位性を示すエビデンスデータが準備できなかったため、補助金の対象にはなりませんでした。
写真:リオグランデに設置したバイオマスボイラー
<Phase3> バイオマスボイラーの有用性が認められる ~初のクラスター補助金対象~
2022年3月、肉牛と乳牛あわせて約1万3千頭を飼養する株式会社トップファーム(本社:北海道常呂郡、代表者:井上茂幸)へ、ERS3台とバイオマスボイラー2台の連動システムが導入されました。特許技術「処理対象物の発酵乾燥による燃料化装置及び燃料化方法(2020年9月14日に登録)」を導入し、WRF®燃料*という新しい発想で生み出された廃棄物由来燃料をバイオマスボイラーで使うことにより、品質の安定した燃料の確保および燃料コストの大幅な削減を実現しています。
-----
*WRF®燃料とは?
Waste Renewable Fuelの略。
有機物系廃棄物を含む混合ごみは、ERSシステムでの発酵乾燥処理により「臭い」や「汚水」を出さない燃料となり、化石燃料の削減にも繋がります。この燃料をWRF®燃料と呼称します。
WRF®は、JETの登録商標です。
-----
トップファームも畜産クラスター補助金を活用しましたが、リオグランデでのERSとバイオマスボイラーの連動使用に関する実績データを示すことにより、ERSのみならずバイオマスボイラーも補助金の対象となりました。これがERSと連動するバイオマスボイラーが畜産クラスター事業の補助対象となった初の案件となりました。
写真:トップファームに設置したバイオマスボイラー
3.今後の展望 ~ユーザーに多様な選択肢を~
家畜糞尿、なかでも乳牛と豚の糞尿は水分が非常に多いため、発酵乾燥させるための燃料コストが負担となりがちですが、RPFやRDFを燃料とするバイオマスボイラーとERSを連動させ自動運転化することで、低コスト且つ高速での糞尿処理が可能となります。JETはこれからも、家畜糞尿処理の最適なソリューションとして、バイオマスボイラーとERSの連動システムの普及に邁進します。
現在、ERSを利用いただいている畜産農家では、敷料用おが粉の購入コスト削減のため、ERSで処理した物は敷料として利用されています。今後は、敷料としての利用に加え、燃料としてバイオマスボイラーで利用することによる更なる燃料コスト大幅削減も推進し、ユーザーの多様な選択肢が出来ることで導入各社のコスト構造に応じた活用方法をご提示することが可能となります。ERSの潜在的ポテンシャルを、畜産業界に限らず幅広い業種において多様化するユーザーニーズに応えるべく、様々な業界で多くの選択肢を顕在化するJETにご期待ください。
4.関連プレスリリース
2022年4月7日
『畜産クラスター補助金事業』活用による急速発酵乾燥資源化
~装置 ERSの導入先 2件、 3月設置工事竣工のお知らせ~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000085654.html
2022年3月7日
敷料再生装置、寒冷地で発酵熱70℃の安定処理を実証
~零下でも凍結なく病原菌等を死滅させ、肉牛糞尿を完熟堆肥に~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000085654.html
2022年2月22日
長州産業とJETが業務提携、畜産環境問題を未然に防止
~急速発酵乾燥資源化装置ERSの販売強化~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000085654.html
2021年12月29日
肉牛・乳牛農家に糞尿の堆肥化装置の導入決定
【畜産クラスター補助金】と【法人税特別税制措置】を活用
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000085654.html
2021年12月28日
【畜産業界が注目】急速発酵乾燥資源化装置ERSに新・特許技術導入
~1台で「日常時の家畜糞尿処理」「感染症発生時の死畜処理」共に堆肥化可能に~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000085654.html
2021年10月13日
肉牛糞尿の高速資源化で、おが粉購入費42%削減を達成
~敷料再生装置の稼働後1年経過、畜産農家の効率経営を支援強化~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000085654.html
5.会社概要
会社名:株式会社JET
所在地:東京都千代田区一番町19 全国農業共済会館
代表者:片山 智之
設立:平成25年8月
事業内容:急速土着菌増殖乾燥システムに関する以下の事業
―開発・製造・販売・輸出入・管理
―適用・導入に関するコンサルティング
―原料の輸出入
資本金:50,000,000円
Webサイト:https://jet-e.jp/
6.お問い合わせ先
株式会社JET
〒102-0082 東京都千代田区一番町19 全国農業共済会館
管理部 広報担当: 松本
TEL:03-5214-4395
E-mail:info@jet-e.jp
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像