【調査研究レポート】Z世代はなぜ「ネガティブな笑い」を好むのか? 5つの理由とSNSでの共感の仕組みを徹底分析

情報過多の時代、Z世代の心に響くのは「知性を感じるブラックジョーク」。Fiom合同会社のシンクタンク「Z-SOZOKEN」がZ世代の複雑なインサイトを徹底解剖。

Fiom合同会社

Z世代向けクリエイティブカンパニーFiom合同会社が運営しているZ世代の実態や価値観を分析するシンクタンク、Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)は、2025年9月3日(水)にZ-SOZOKEN THINKTANK 最新調査研究レポートの第一弾として『Z世代の笑いの感覚』についての調査研究レポートの第3章インサイトサマリー「ネガティブな感情をなぜZ世代は『面白い』と感じるのか?」をリリースしました。

Z世代同世代目線による分析で新たなインサイトを発掘、探求するZ世代特化の調査研究機関「Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)」が調査研究レポートの第一弾として、『Z世代の笑いの感覚』についてこの度新たに独自に調査いたしました。

本調査は、Z世代当事者によって実施されました。

韓国在学中に中国留学を経験する22歳の日本人学生など、多様で国際的なバックグラウンドを持つZ世代当事者たちのメンバーが、約450名のZ世代を対象にアンケートを実施し、最新トレンドと笑いの価値観を分析。

全38ページに渡る調査レポートを基に、Z世代のインサイトを分析し、Z世代の共感を生む傾向を調査しました。

本調査の第3章では、Z世代がネガティブな感情を「面白い」と感じる背景に、上の世代の価値観への反発や、世の中の理不尽さを笑いで乗り越えようとする独自の防衛機制があることを明らかにしました。

Z世代当事者である研究員が、全国のZ世代453名を対象に行った意識調査から、彼らの複雑な内面と新しい価値観を読み解きます 。

「ネガティブな感情が面白い」Z世代独自のインサイトを読み解く

本調査の第3章から、Z世代が「ネガティブな感情」を笑いに転換する、特有のコミュニケーション文化を持っていることが明らかになりました。

世の中の理不尽さやネガティブは「笑いで消化」

社会や日常に感じる理不尽さやネガティブな感情を、そのまま受け止めるのではなく、笑いに変えることで精神的なバランスを取ろうとする傾向が見られます。

上の世代の価値観への「反発」が根底に

Z世代の笑いの感覚には、既存の価値観や「あるべき論」に対する健全な反発心が反映されています。画一的なポジティブさよりも、多角的でリアルな視点を好みます。

皮肉やブラックジョークに「知性」を感じる

単なる悪口ではなく、物事の本質を突いた皮肉やブラックジョークに「知性」やセンスを感じる風潮があります。これは、情報リテラシーが高いZ世代ならではの価値観と言えます。

刺激と共感が拡散のトリガーに

常に多くの情報に触れているZ世代は、より刺激的で記憶に残りやすいコンテンツを求める傾向があります。共感したネガティブな笑いは、SNSのシェア機能を通じて瞬く間に拡散され、新たなミームを生み出します。

ただし、傷つける笑いはNG。許容範囲には明確な線引き

Z世代は、特定の人物を標的にしたり、ジェンダー や容姿、障がい などを揶揄したりする笑いを許容しません。自虐であっても、あくまで共感を呼ぶ範囲に留まり、炎上との境界線を意識するバランス感覚を持っています。

【調査レポート解説】第3章「ネガティブな感情をなぜZ世代は『面白い』と感じるのか?」

レポート本編では、Z世代の複雑なインサイトを複数のスライドで詳細に解説しています。

ここでは、第3章の主要なスライドの内容をご紹介します。

【P13】Z世代がネガティブな感情を「面白い」と感じる5つの理由

このスライドでは、Z世代がネガティブな要素に面白さを見出す背景を5つのポイントで整理しています。情報過多の現代で刺激的なコンテンツを求めること、「共感」と「笑い」を重視し身近な体験がネタになること、世の中の理不尽さを笑いで消化したい欲求、上の世代の価値観への反発、そして皮肉やブラックジョークに「知性」を感じる風潮 を挙げています。

【P14】SNSがもたらす「共感」の増幅と拡散の仕組み

Z世代の間でネガティブな笑いが拡大した背景として、SNSの役割を解説しています 。SNSの共有機能や気軽に共感を表現できる手段が、面白いコンテンツが広がる仕組みを形成していると指摘 。さらに、バズったコンテンツが切り抜き動画などによってミーム化され、新たなバズの連鎖が起こる現象を説明しています 。

【P15】笑いの主戦場はSNSへ。Z世代の視聴プラットフォームとシェア行動

Z世代が笑いに関するコンテンツをどこで見ているかという調査結果を図示しています 。視聴プラットフォームはYouTubeが最も多く、次いでTikTok、Instagramとなっており、ショート動画のあるSNSが中心であることがわかります 。また、53%のZ世代が「SNSで見た面白い投稿を友達や知人にシェアすることがある(「よくある」「時々ある」の合計)」と回答しており、SNSが笑いの伝播に重要な役割を担っていることをデータで裏付けています 。

【P16】年代で見る「笑い」の変化

1990年代の「テレビ中心の時代」から、2000年代の「インターネットの登場」、2010年代の「動画コンテンツの登場」を経て、現代が「TikTok・ショート動画の流行」の時代にあることを示しています。笑いの中心がテレビからSNSに移り、ショート動画の普及によって、誰もがより気軽に笑いを発信し、楽しめるようになったと結論付けています。

【P17】「ネガティブを笑いに変える文化」の深層心理

学歴社会、就活、ルッキズムといったプレッシャーに囲まれるZ世代が 、なぜネガティブなことを笑いに変えるのか、その心理を分析 。ネガティブなことをネタにすることで、自分自身が笑顔になれるだけでなく、人が笑うことによって自分が肯定されているような気持ちになれる、というインサイトを提示しています 。

【P18】許容される皮肉・不謹慎さの境界線

マーケティングで活用する上で最も重要な「炎上リスク」について解説しています 。失敗談や怠惰な部分、事実ベースの悪口といった自虐ネタは許容(OK)されやすい一方で 、特定の人物、生死に関わるネタ、ジェンダー、障がい、ルッキズムなどは不適切(NG)であると明確に線引きしています 。アンチや批判との境界が曖昧なため、慎重な判断が必要であると注意を促しています 。

【P19】「テレビの笑い」と「SNSの笑い」の違い

Z世代にとって影響力が大きいのはどちらか、という観点で両者を比較 。テレビの笑いは「本格的」「大笑いできる」「安心して見れる」といった特徴があるのに対し 、SNSの笑いは「くすっとなる」「短くてわかりやすい」「親しみやすい」「ミームが多め」といった特徴があり、Z世代の日常に溶け込んでいる様子を描写しています 。

なぜZ世代は「ネガティブな笑い」を求めるのか

Z-SOZOKENが実施した調査を通じて、Z世代がネガティブな感情をポジティブに転換するプロセスが明らかになりました。

SNS上の「キラキラした投稿」に疲れを感じているZ世代は、むしろ人の怠惰な部分やネガティブな側面に安心感を覚えます。

そして、自身のダメな部分を笑いに変えることで、「自分だけじゃないんだ」と自己を肯定するのです。

調査では、実に79%のZ世代が、自分のだらしない部分や失敗体験を笑いにした「自虐コンテンツ」に共感すると回答しています 。

この「ネガティブを笑いに変える文化」は、学歴社会や就職活動、ルッキズムといった現代社会がもたらすプレッシャーに対する、Z世代なりのカウンターカルチャーでもあります。

ネガティブなことをネタにすることで、自分自身が笑顔になれるだけでなく、他者からの「笑い」を通じて、間接的に自分の存在が肯定されているような感覚を得ているのです 。

企業がこのインサイトをマーケティングに活用する際は、単に面白いコンテンツを提供するだけでなく、Z世代が抱えるリアルな悩みや言語化されていない感情に寄り添う視点が不可欠です。

調査概要

調査名:Z世代の笑いの感覚についての意識調査

調査対象:全国のZ世代(18歳~24歳)

調査期間:2025年5月~6月

調査方法:インターネットを利用したアンケート調査

有効回答数:n=453

調査分析:Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所 運営:Fiom合同会社)

Z-SOZOKEN所長のコメント

◆竹下洋平(たけしたようへい)

Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)所長

Fiom合同会社CEO

2005年生まれ。2021年10月にFiom合同会社を設立。Z世代のクリエイターの創造性を最大化させるをミッションに、Z世代によるZ世代向けのコミュニケーションプロデュース事業、リサーチ&プランニング事業を展開している。上場企業から大企業、中小企業、ベンチャー、スタートアップ、行政や自治体と幅広い組織の支援実績を持つ。Z世代の創造性を活かし、Z世代向け広告コミュニケーションの上流設計から制作、運用までワンストップで実行支援する。

今回の調査で浮き彫りになったのは、Z世代が『ネガティブな感情』を、決してネガティブなままでは終わらせない、したたかでクリエイティブな世代であるという事実です。彼らが皮肉やブラックジョークに『知性』を感じ 、世の中の理不尽さを『笑いで消化』しようとする姿勢は 、情報過多で複雑な社会を生き抜くための新しい生存戦略と言えるでしょう。

特に、上の世代が築いた価値観への反発心は 、決して単なる反抗期ではなく、彼らが自分たちのリアルな感覚を大切にしている証拠です。企業がZ世代の心を掴むためには、もはや「常にポジティブで理想的な姿」を見せるだけでは不十分です。むしろ、彼らが共感できるリアルな悩みや葛藤を理解し、時には自虐的なユーモアを交えながら、「完璧じゃなくても大丈夫」というメッセージを伝えることが、真の信頼関係を築く第一歩となります。このレポートが、Z世代との新たなコミュニケーションのヒントとなれば幸いです。

調査研究レポート(全38ページ)を無料でダウンロード

今回ご紹介した内容は、調査レポートのほんの一部です。

レポート本編では、「Z世代に響くSNS投稿の具体例」や「炎上しないためのネガティブ表現ガイドライン」など、明日からのマーケティング施策にすぐに活かせる実践的な情報を多数掲載しています。

少しでもご興味をお持ち頂きました方はぜひ下記よりダウンロードしてご活用ください。

Z世代への訴求にお悩みの方へ

Z世代や若年層向けの企画制作マーケティング/ブランディングでお困りの方はお気軽にご相談ください。

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「Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)」について

Z世代の創造性で未来を創る。Z世代特化の次世代型シンクタンク。

「Z-SOZOKEN」とはZ世代向けクリエイティブカンパニーFiom合同会社が運営しているZ世代同世代目線による分析で新たなインサイトを発掘、探求するZ世代特化の次世代型シンクタンクです。

Z世代の実態や価値観をZ世代当事者たちが様々な観点から把握・分析。

時代の最先端をゆくZ世代の未知なる文化を解き明かし、時代を切り開く新たな価値観を探求しております。

リアルZ世代起点でZ世代に届く共感を軸としたコミュニケーションやプロモーション設計に活用できる実践的なマーケティング情報を提供しています。

公式サイト:https://z-sozoken.studio.site

Fiom合同会社について

Z世代に特化したZ世代のクリエイティブカンパニー

メンバー全員がZ世代で構成されたZ世代に特化したクリエイティブカンパニー。

Z世代の創造性を基点としたZ世代目線のアプローチを実施。

Z世代向け広告コミュニケーション領域の上流設計から制作・運用まで実行支援する。

時代の最先端をゆくZ世代の感性を活かしたクリエイティブカンパニー。

社名:Fiom合同会社
住所:東京都渋谷区神宮前6丁目23番4号桑野ビル2階
設立:2021年10月15日
代表:竹下洋平
HPhttps://fiom-llc.studio.site

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情報通信
本社所在地
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代表者名
竹下洋平
上場
未上場
資本金
100万円
設立
2021年10月