グローバルプロデュース、ビジネスイベント業界における2025年総括と2026年展望を発表

〜イベント産業は約2.9兆円でコロナ前比109.2%、訪日客は3,686万人で過去最高。海外ではAI MC・デジタルヒューマンによる「フィジカルAI」などイベント×AI活用が実運用フェーズに〜

株式会社グローバルプロデュース

イベントプロデュース事業を行う株式会社グローバルプロデュース(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:光畑真樹、以下「グローバルプロデュース」)は、2025年のビジネスイベントの動向を整理するとともに、2026年に向けた業界展望を発表いたしました。

本リリースでは、企業主催のカンファレンスやユーザーカンファレンス、キックオフ、周年イベント、社内イベントなど、企業成長や組織変革を目的としたイベントを総称して「ビジネスイベント」と定義し、その役割の変化と今後の方向性を整理しています。

◾️日本のビジネスイベント・MICE市場の現状

イベント産業は2.9兆円規模、コロナ前を109.2%上回る

一般社団法人日本イベント産業振興協会(JACE)の「2024年イベント産業規模推計」によると、2024年のイベント関連産業の産業規模は9,797億円(前年比107.2%)、音楽ライブやスポーツ興行など周辺産業を含めたイベント産業全体では2兆8,535億円(前年比108.3%)と推計されています。これは新型コロナウイルス流行前の2019年と比べて109.2%に相当し、イベント市場はコロナ前の水準を明確に上回る規模へと復調しました※1。

インバウンドMICEの追い風

日本政府観光局(JNTO)の発表によると、2024年の年間訪日外客数は3,686万9,900人で、2019年の3,188万2,049人を約500万人上回り、過去最高を更新しています※2。2025年も訪日客数は高水準で推移しており、インバウンド需要の回復とともに、企業の海外拠点・海外顧客を招いたMICE(Meeting, Incentive, Convention, Exhibition)需要が高まっています。

広告費構造の変化と体験価値へのシフト

電通「2024年 日本の広告費」によると、2024年の総広告費は7兆6,730億円(前年比104.9%)と3年連続で過去最高を更新しました※3。プロモーションメディアの一部である「イベント・展示・映像ほか」は4,269億円(前年比111.0%)と二桁成長を遂げており、メーカーの販促イベントや周年イベントなど、体験型施策への投資が拡大しています※3。

このように、日本のビジネスイベント・MICE市場は、市場規模の回復・拡大(約2.9兆円)、訪日客過去最高によるインバウンドMICE需要の高まり、広告費の中でイベント領域が二桁成長という3つの追い風を受けながら、「体験を通じてブランドとビジネスを動かす場」として重要性を増しています。

2025年総括|「リアル回帰」とビジネスイベントの役割変化

大規模カンファレンスは「新規商談」と「企業認知」を同時に動かす

当社は、予算規模1,000万円以上のリアルなカンファレンス型イベントを企画・実施したことがあるBtoB企業マーケティング担当者108名を対象に、「BtoB企業のイベントマーケティングに関する実態調査」を実施しました※4。

結果として、大規模なカンファレンス型リアルイベントを実施したことがある企業の59.3%がイベント実施後の「新規商談数の増加」を実感し、66.7%が「企業認知度の向上」を実感していることが明らかになりました。また、約半数が「デジタル広告×イベントのハイブリッド戦略を強化している」と回答するなど、リアルなカンファレンス型イベントが「営業・マーケティングの起点」として機能している実態が浮き彫りになりました※4。

企業成長フェーズにおける「イベント開催」の位置づけ

さらに当社が2025年10月に公表した「企業成長の転換点に関する調査」では、成長フェーズにある企業の経営者・役員を対象にした結果、91.1%が「企業の成長フェーズにおいてイベント活用は効果的」と実感していることがわかりました※5。

とくに、新市場への参入や新ブランド立ち上げ時の「ローンチイベント」、IPOや増資・アライアンス発表に合わせた「対外向けイベント」、社内変革やカルチャー浸透のための「全社キックオフ」といった節目のタイミングでのイベント活用が、企業成長の"転換点"として位置づけられていることが浮かび上がりました。

「単発の場」から「コミュニケーション基盤」へ

これらの調査結果から、2025年のビジネスイベントは、既存顧客との関係強化、新規リード・商談の創出、従業員や採用候補者とのエンゲージメントを同時に実現する「企業のコミュニケーション基盤」としての役割を強めた一年であったと総括できます。

◾️2025年総括|広告費高騰と「イベントマーケティング」の台頭

デジタル広告CPA上昇を背景に、イベントへ予算シフトの動きも

前述の「BtoB企業のイベントマーケティングに関する実態調査」では、多くの企業がデジタル広告のCPA(顧客獲得単価)の上昇を実感している一方で、イベントマーケティングへの期待が高まっていることも明らかになりました※4。

今後の予算方針については、「デジタル広告とイベントの両方を増やす」企業と「デジタル広告を見直し、イベントに投資する」企業が合わせて過半数を占め、広告費の一部が「リアル体験」へ振り向けられつつあります。

こうした潮流を受け、当社は2025年6月、BtoBブランディングに特化したイベントマーケティングサービス「AD to EVENT」を本格的に提供を開始しました※6。

「AD to EVENT」では、テレビCMやデジタル広告で培ったブランドストーリーを、TOPプレゼンテーションや体験型コンテンツとして再構築。会場・登壇者・協賛企業のキャスティングから、LPやデジタル接点の設計、空間・演出・配信までを一気通貫でプロデュースします。さらに、イベント後のコンテンツ再活用(オンデマンド配信、営業資料、ウェビナーなど)を前提にした設計により、「広告投資の次の一手」としてのイベントマーケティングを支援しています。

広告費が過去最高を更新しつつ効率性への懸念が高まるなか、ビジネスイベントは「ブランドと売上の両方を動かすリアルなマーケティング装置」として、その存在感を確実に増した一年だったといえます。

◾️2026年展望

展望①:ビジネスイベントは「企業成長の基盤」へ

成長フェーズ企業を対象とした当社調査では、今後計画している自社イベントとして、顧客コミュニティ形成のためのイベント、自社主催カンファレンス、社内向け意識統一イベントなど、さまざまなビジネスイベントを年間計画として組み込む企業が多数を占めました※5。

これまでキャンペーン単位で企画されがちだったイベントが、事業戦略、人事・組織戦略、IR・コーポレートコミュニケーションと密接に連動した「企業成長の基盤」として常設化されていく流れは、2026年以降さらに加速すると当社は予測しています。

展望②:ビジネスイベント×AIが、海外事例を起点に「企画・空間・体験」の三層で加速

日本では、イベント分野におけるAI活用はまだ模索中の段階ですが、海外ではすでに実運用フェーズに入りつつあります。とくに、1)企画・プログラム設計、2)空間・ステージ表現(フィジカルAI/デジタルヒューマン)、3)来場者体験・データ活用の三層でAIが組み込まれていることが特徴です。

1)企画・プログラム設計:AIが「イベント設計のよき相方」に

海外のイベントテック企業では、AIを活用したセッション推薦やネットワーキング、行動分析が一般化しつつあります。

イベントプラットフォーム「Bizzabo」では、参加者の属性や行動データに基づき、AIがそれぞれに最適なセッションやネットワーキング相手をレコメンドします。主催者にはエンゲージメント指標をダッシュボードで提供することで、プログラムの最適化とROI向上を支援しています※8。シンガポールの「Jublia」が提供する「Judy AI」は、イベント参加者のフィードバックから、感情分析とレポーティングを行っており、イベントの質を向上させるサイクルを生み出しています※9。

こうした事例では、AIは単なる運営効率化のツールではなく、「どのコンテンツに投資すべきか」を判断する企画の参謀として機能しています。

2)空間・ステージ表現:AI MC・デジタルヒューマンによる「フィジカルAI」

ステージ上に登場するMCそのものをAI化する試みも始まっています。

韓国・済州島で開催された「Jeju AI International Film Festival 2025」では、AIアナウンサー「J-NA」が人間のアナウンサーと共にオープニングセレモニーの共同司会を務めました※10。CGとインタラクティブ技術の世界会議「SIGGRAPH 2024」では、デジタルヒューマン企業「UneeQ」のAIアバター「Sophie」が登壇し、生成AIを用いてリアルタイムに聴衆の質問に回答するセッションが行われました※11。

「フィジカルAI(会場に実在感を持って現れるAI)」は、こうした海外事例と軌を一にする動きであり、人間とAIが共にステージをつくるビジネスイベントは、テック系イベントやインバウンドMICEを中心に、日本でも数年以内に普及していくと考えられます。

3)来場者体験・データ活用:AIコンシェルジュとマッチングが「イベントOS」に

来場者体験の側面では、AIコンシェルジュやマッチング機能が急速に広がっています。

vFairsの「AI Event Assistant」は、参加者からの「会場はどこか」「次のセッションは何時か」といった質問にリアルタイムで回答し、スケジュール変更にも追随するイベント専用チャットボットとして運用されています※12。同じくJubliaの「Judy AI」は、24時間対応のチャットコンシェルジュとして問い合わせ対応を行うとともに、行動データに基づくビジネスマッチングやセッションレコメンドを通じて、参加者体験の個別最適化を実現しています※9。

こうした海外事例を踏まえると、日本のビジネスイベントにおいても、まずはAIコンシェルジュやマッチングなど「裏側のAI」から導入し、次のステップとしてAI MCやデジタルヒューマンといった「フィジカルAI」へと拡張する段階的なアプローチが現実的であると考えています。

グローバルプロデュースとしても、BtoBイベントマーケティングサービス「AD to EVENT」やインバウンドMICE特化ブランド「DRAGON EVENTS」での取り組みを通じて、企画・空間・体験の三層でのAI活用を具体化していく予定です※6※7。

展望③:インバウンドMICEとサステナビリティ&インクルーシブが新標準に

訪日外客数が過去最高を更新し、2025年も記録的なペースで増加するなか、日本のMICE市場は、日本独自の文化体験へのニーズとサステナビリティやインクルーシブへの社会的関心を背景に、新たな転換点を迎えています。

グローバルプロデュースは2025年11月、日本独自の文化を取り入れたインバウンドMICEサービス「DRAGON EVENTS(ドラゴンイベンツ)」を始動しました※7。本サービスでは、伝統芸能と最新テクノロジーを組み合わせ、神社仏閣や映画村などユニークベニューでのストーリー性ある演出、茶道・書道・和太鼓・日本酒テイスティングなどの体験コンテンツを通じて、「世界の方々が日本独自の文化を存分に味わえる、世界で一番のイベント」の実現を目指しています※7。

今後は、これに加えて、再生可能エネルギー証書や循環型素材の導入など環境配慮、車椅子利用者でも自走登壇できるステージデザインなどのインクルーシブ設計といった要素を備えたビジネスイベントが、インバウンドMICEの新しいスタンダードになっていくと当社は予測しています。

◾️おわりに

日本のビジネスイベント業界は、イベント産業全体の回復とインバウンド需要の拡大を背景に、成長フェーズに入りました。一方で、人材確保やノウハウの標準化、AI活用やサステナビリティ対応など、新たな課題にも直面しています。

生活者・顧客側の行動は、デジタルとリアルを自由に行き来しながら、より「意味のある体験」や「共感できるストーリー」を求める方向にシフトしています。

グローバルプロデュースは、業界の一員として、ビジネスイベントの価値を客観的なデータと実践の両面から捉え、企業や社会の持続的な成長を支える一助となるよう取り組んでまいります。

◾️参考資料(出典)

※1 一般社団法人 日本イベント産業振興協会「2024年 イベント産業規模推計」(2025年6月発表)https://www.jace.or.jp/news/20250619/ 

※2 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2024年12月および年間推計値)」(2025年1月15日) https://www.jnto.go.jp/news/press/20250115_monthly.html 

※3 株式会社電通「2024年 日本の広告費」(2025年3月12日)https://www.dentsu.co.jp/knowledge/ad_cost/2024/pdf/koukokuhi_2024.pdf 

※4 株式会社グローバルプロデュース「BtoB企業のイベントマーケティングに関する実態調査」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000075828.html 

※5 株式会社グローバルプロデュース「企業成長時の施策に関する実態調査」

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000075828.html 

※6 株式会社グローバルプロデュース「イベントマーケティングサービス『AD to EVENT』本格提供開始」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000043.000075828.html 

※7 株式会社グローバルプロデュース「インバウンドMICE特化の新ブランド『DRAGON EVENTS』始動、コンテンツパートナー募集開始」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000049.000075828.html 

※8 Bizzabo「Event Data Analytics Software Platform」 https://www.bizzabo.com/event-management-software/event-data-analytics 

※9 Jublia「Judy AI: The Smart Assistant for Event Planning and Attendee Experience」(2024年11月14日)https://www.jublia.com/judy-ai 

※10 Jeju Business Agency「Jeju Welcomes the Future of Storytelling: 2025 Jeju AI International Film Festival Opens with Global Spotlight」(2025年6月16日)https://jeju-asean.org/notice/jeju-welcomes-the-future-of-storytelling-2025-jeju-ai-international-film-festival-opens-with-global-spotlight/ 

※11 UneeQ「UneeQ Holds First-Ever Speaking Session Co-Presented by an AI-Powered Digital Human 'Sophie' at SIGGRAPH 2024」(2024年7月29日) https://www.digitalhumans.com/events-posts/siggraph-2024 

※12 vFairs「Introducing the vFairs AI Event Assistant: Real-Time Support for Attendees」(2025年2月10日)

 https://www.vfairs.com/product-updates/introducing-the-vfairs-ai-event-assistant/ 

■イベントプロデュースを通じて世界中に幸せを届ける、「株式会社グローバルプロデュース」

 「株式会社グローバルプロデュース」は、「イベントプロデュースを通じて世界中に幸せを届ける」ことをビジョンに掲げる、総合イベントプロデュースグループ。単なる手配屋としてではなく、お客様の想いをイベントというカタチにし、実施効果を最大化するためのお手伝いをさせていただいています。「日本発、世界へ通用するイベントプロデュースの提供」を目指し、皆様にとって最高のクリエイティブやサービスを提供します。

https://www.global-produce.jp/ 

◾️会社概要

企業名:株式会社グローバルプロデュース

代表者:代表取締役社長 光畑真樹

本社所在地 :東京都渋谷区神宮前5-52-2 青山オーバルビル13階

代表TEL:03-5738-2117

設立:2011年10月11日

資本金:10,000,000円

売上高:30億円(2024年度実績)

従業員数:50名(2025年5月時点)

事業内容:イベントプロデュース事業他

ホームページ:https://www.global-produce.jp/ 

DRAGON EVENTS:https://globalproduce-event.com/what/dragon-events/ 

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会社概要

URL
https://www.global-produce.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都渋谷区神宮前5-52-2 青山オーバルビル13階
電話番号
03-5738-2117
代表者名
光畑 真樹
上場
未上場
資本金
-
設立
2011年10月