33.8万人の行動データが明らかにした事実【 大手企業の「制度越境型リーダー」は、推定わずか0.1%未満 】組織行動科学®

〜 制度を活かし、制度を超えて未来を創るリーダー開発モデルを発表 〜

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リクエスト株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役 甲畑智康)は、自社が保有する延べ33万8,000人・980社以上の現場データと国際調査・公的統計をもとに、日本の大手企業におけるリーダー人材の希少性と育成構造を体系化した「組織におけるリーダー開発モデル」を発表しました。


今回の調査で明らかになったのは、制度を深く理解し、その枠を超えて新たな価値を創造する「制度越境型リーダー」は、大手企業の全社員の推定0.05〜0.1%程度、1社あたり数名しか存在しないという現実です。


なぜ今「制度越境型リーダー」が必要か 

日本の大手企業(従業員1,000人以上)は、役割分担と効率化によって安定した価値提供を実現してきました。しかし近年、急速な市場変化や不確実性の高まりにより、既存制度だけでは解決できない課題が増加しています。にもかかわらず、多くの組織では次のような構造的偏りが見られます。

  • 制度依存型(推定50%):制度内で成果を出すが変化に弱い

  • 日和見型(推定25〜30%):方針を自ら設定せず外部に流される

  • 役割未定型(推定17〜20%):判断基準が曖昧で成果が不安定

制度を超えて価値を創造できる人材はますます希少化し、変化への適応力が低下しています。

本来のリーダーとは、以下を併せ持つ存在。

  • 制度の価値を深く理解し、守るべき部分を活かす力

  • 制度の境界を越え、新たな価値を創造する力

制度越境は例外的な行動ではなく、リーダーの本質的役割。制度とは、自社のバリューチェーンが、過去の課題や機会に応える形で構築されてきた歴史的産物。したがって越境には、背景と歴史の理解が不可欠であり、破壊ではなく内外の再接続と再設計によって進化を導く。

背景

日本の大手企業(従業員1,000人以上)は、役割分担と効率化が徹底され、安定した価値提供を可能にしています。しかしその一方で、「経験」→「事実抽出」→「背景構造の理解」→「未知の状況のイメージ」というリーダーに不可欠な思考・行動プロセスが省略されやすく、次のような人材構成の偏りが推定されます。

  • 制度越境型(推定 0.05〜0.1%)… 制度の枠を活かしつつ超えて新価値を創る

  • 制度破壊型(推定 2〜3%)… 制度を壊してでも革新をはじめるが孤立する

  • 制度依存型(推定 50%)… 制度内で成果を出すが変化に弱い

  • 日和見型 (推定 25〜30%)… 環境依存で自ら方針を定めない

  • 役割未定型(推定 17〜20%)… 判断基準が曖昧で成果が不安定

こうした構造的偏りは、制度を越えて価値を創造できる人材をさらに希少化させ、企業の変化適応力を低下させる要因となります。

類型

定義

行動特性

制度越境

制度の枠組みを理解・活用し、その制約を超えて新たな価値を創造できる人材

制度の意図を理解しつつ越境行動を組織全体に広げる。極めて希少で1社あたり数名

制度破壊

制度や慣習を壊してでも新たな道を切り開く突破型

高い革新性と行動力を持つが、調整力に乏しく孤立する

制度依存

既存の制度・手順内で成果を出すことを重視

再現性・堅実さは高いが、枠外の変化や制度改訂に弱い

日和見

環境や周囲の意向に合わせて行動する

方針や目的を自ら設定せず、外部環境に流されやすい

役割未定

役割や行動パターンがまだ定着していない

成長の可能性はあるが、判断基準が曖昧で成果が不安定。

詳細は【組織で働く人材を5類型に分類し、成長の道筋を提示】を参照。


推定根拠

本推計は以下の複合データ分析に基づきます。

  • 国内大手製造業・金融業・IT企業の役割等級データ(2015〜2024年)

  • 厚生労働省「能力開発基本調査」

  • 国際調査(Rogers, Diffusion of Innovations / Gallup State of the Global Workplace 2024 / McKinsey The Inconvenient Truth about Change Management)

  • 組織行動科学® 実践データ(延べ33.8万人・980社、〜2025年)


大手企業は、暗黙知も含め制度化された構造を持ち、役割分担や効率化が徹底されている。この強みは安定した価値提供を可能にする一方で、「経験」→「事実抽出」→「背景構造の理解」→「未知の状況のイメージ」というリーダーに不可欠なプロセスが省略されやすい

その結果、制度依存型や日和見型の人材比率が高まり、制度を越えて価値を創造できる人材が極めて希少化する。推定では、日本の大手企業における制度越境型リーダーは全社員の0.05〜0.1%程度にとどまり、1社あたり数名しか存在しないと推定できる。

「制度を活かし、制度を超える」リーダー開発の必要性

本調査では、制度越境型リーダーが備えるべき4つの能力領域を提示しています。

  • 事実を見る力(客観+主観の統合)

  • 背景=構造を描く力(制度形成の歴史を含む)

  • 未知をイメージする力(仮説形成・可視化)

  • 越境を安全に行う関係構築力(信頼・調整)

これらの能力を意図的に開発することが、大手企業の持続的進化に不可欠です。


制度を壊すのではなく、制度を活かしながら超えていくことが、これからのリーダーに求められる資質です。本開発モデルは、その希少性を可視化し、育成のための具体的思考・行動構造を提示しています。


リクエスト株式会社

Human Capital Development XR HRD® Team

E-mail:request@requestgroup.jp

※ リクエスト株式会社は、「Behave:より善くを目的に」を掲げ、国内338,000人の組織で働く人たちの行動データに基づいた組織行動科学®を中核ブランドとし、人間の行動と思考を研究開発する5つの機関が連携。これまで980社以上の人的資本開発を支援してきました。

https://www.requestgroup.jp/

【会社概要】

社名:リクエスト株式会社

所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目4番8号 京王フレンテ新宿3丁目4F

代表者:代表取締役 甲畑智康

事業内容:人的資本開発・生成AI活用支援

ブランド基盤:組織行動科学®

コーポレートサイト:https://requestgroup.jp/

代表プロフィール:https://requestgroup.jp/profile

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会社概要

URL
https://requestgroup.jp
業種
教育・学習支援業
本社所在地
東京都新宿区新宿3丁目4番8号 京王フレンテ新宿3丁目4F
電話番号
090-4183-2525
代表者名
甲畑智康
上場
未上場
資本金
-
設立
2020年10月