AI時代、なぜ私たちは「なぜ」を問わなくなるのか?

数字・現場の声・AIの説明を、そのまま答えにしないための10ページ資料を公開

組織行動科学®︎

情報が増えることと、背景が分かることは同じではありません。

980社・33.8万人のデータを基盤とする組織行動科学®のリクエスト株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:甲畑智康)は、組織で働く人が日々受け取る「数字」「顧客の声」「現場からの報告」「会議での合意」「AIが生成した説明」を、どのように扱えばよいかを整理した10ページの実務資料、『AI時代、なぜ私たちは「なぜ」を問わなくなるのか』を公開しました。

本資料が扱うのは、AIを使うことの是非ではありません。

重要なのは、AIを含むさまざまな情報を見たときに、

  • 何が確認された事実なのか?

  • どこからが解釈や推測なのか?

  • まだ何が分かっていないのか?

  • 次に何を確かめる必要があるのか?

を、人が見失わないことです。

情報が見つかると、仕事が前へ進んだように感じます。
しかし、情報がそろったことと、その情報が生まれた背景まで分かったことは同じではありません。

本資料では、この違いを10ページの図解で整理しました。

情報が増えるほど、「分かった」と感じやすくなる

数字が出る。顧客の声が集まる。現場から報告が上がる。会議で意見がまとまる。AIが原因と対策を整理する。これらは、いずれも仕事を進めるために必要な情報です。

しかし、その情報は多くの場合、何らかの仕事や判断が行われた結果です。結果が見えたからといって、その結果を生んだ原因まで分かったとは限りません。

さらに生成AIは、原因候補や対策案を短時間で、分かりやすい文章にまとめます。

そのため、「説明がある=原因が分かった」と受け取り、必要な確認を終える前に問いを閉じてしまう可能性があります。

本資料では、必要な確認が終わる前に、答えらしい説明を採用し、探索を終えてしまう状態を、実務上の表現として「問いの早期閉鎖」と呼んでいます。

AI時代、なぜ私たちは「なぜ」を問わなくなるのか

本資料の出発点は、AIが答えを出すこと自体を問題にすることではありません。数字、現場の声、資料、AIの説明が増える中で、私たちは何を見て、何を問い、何を確かめる必要があるのか。

注目していただきたい点:

情報が不足しているから問いが消えるのではなく、答えらしいものが早く現れることで、問いを持つ必要が見えなくなるという問題です。

見えたことと、分かったことは違う

数字、顧客の声、現場報告、会議での合意、AIの分析。これらは重要な情報ですが、背景を解明した結果ではありません。

注目していただきたい点:

上段の5つは、いずれも仕事を進めるための入口です。一方で、情報がそろっただけでは、その問題を繰り返し生んでいる仕事の仕組みまでは変えられません。

表に出た情報を、そのまま原因にしていないか

売上が下がったから、営業活動量が足りない。
顧客が「価格が高い」と言ったから、価格が失注原因である。
現場が「忙しい」と言ったから、人員が足りない。

職場では、表に出た情報から、すぐに原因を決めてしまうことがあります。

注目していただきたい点:

左側は事実でも、右側はまだ仮説です。
表に出た情報は原因そのものではなく、背景を確かめるための入口です。

数字は正しくても、その意味を誤ることがある

数字は客観的に見えるため、私たちは安心しやすくなります。

しかし、件数だけを見るか、全体に対する割合を見るかによって、同じ数字の意味は変わります。

注目していただきたい点:

数字が正しいことと、その数字を正しく解釈できていることは同じではありません。

また、割合や差が分かっても、原因まで分かったわけではありません。
次に必要なのは、どの仕事の、どの段階で差が生まれたのかを確かめることです。

顧客や現場の言葉も、そのまま原因にはできない

顧客の「価格が高い」。現場の「忙しい」。こうした言葉は、当事者から得られた大切な情報です。

一方で、「価格が高い」という言葉の背景には、価値が伝わっていない、比較対象が違う、関係者の同意が得られていないなど、複数の可能性があります。

「忙しい」という言葉にも、仕事量だけでなく、優先順位、手順、情報、役割、評価の仕組みなどが関係している可能性があります。

注目していただきたい点:

当事者の言葉を尊重することと、その言葉をそのまま原因として採用することは別です。

見るべきものは、情報ではなく「仕事」である

表に出た問題の背景を理解するためには、情報だけでなく、その情報を生み出した仕事を見る必要があります。

このページでは、仕事を次の7つの視点に分けています。

誰が、どの場面で、何を見て、どの基準で判断し、誰と関わり、何を実行し、どこで止まったのか。

注目していただきたい点:

組織で繰り返される問題は、個人の意識や能力だけでなく、その人が置かれている仕事の条件によって生まれていることがあります。

なぜ、私たちから「なぜ」が出てこなくなるのか

問いが出てこない理由を、本人の思考力不足だけに求めるべきではありません。

このページでは、問いが生まれにくくなる背景を5つに整理しています。

  • 整理し、報告すれば仕事は終わる

  • 問いよりも、早い回答が評価される

  • 本来の状態を考えていない

  • 仮説と断定を混同している

  • 「なぜ」が人を責める言葉になっている

注目していただきたい点:

問いが出ないことは、個人だけの問題ではありません。

報告の仕方、評価の仕方、会議での問い方など、組織の仕事の進め方によって問いが閉じられている可能性があります。

AI時代に起きること ― 問いが閉じる

本来、判断に至るまでには、「事実を見る→ 説明できない点を見つける→ 問いをつくる→ 背景を考える→ 現場と事実を確かめる→ 判断する→ 小さく試す→ 結果から見立てを修正する」という過程があります。

一方、問いをつくる前にAIへ情報を渡すと、「AIが原因を整理する→ AIが対策を提案する→ 人が選ぶ→ 報告資料にする」という短い流れになりやすくなります。

注目していただきたい点:

AIが原因を整理したことは、現場で原因が確認されたことを意味しません。

このページでは、判断経験が残る過程と、問いが早く閉じてしまう過程を対比しています。

AI時代に必要な力と、AIの使い方

AI時代に必要なのは、AIを使わないことではありません。

AIに答えを決めてもらうのではなく、人が自分の問いを持ち、AIによって見方を広げることです。

このページでは、人に必要な力を4つに整理しています。

  • まだ分からないと止まる力

  • 事実と推測を分ける力

  • 自分の問いを持つ力

  • 確かめ方を決める力

AIには、答えの確定ではなく、

  • 見落としている別の可能性

  • 自分の考えが成り立たない場合

  • 追加で確認すべき記録や関係者

  • 対策が失敗する可能性

を考えさせます。

注目していただきたい点:

AIは、答えを決めるためではなく、自分の問いを広げ、思い込みを減らし、確かめるべきことを明らかにするために使うという位置づけです。

結論 ― 問いが、仕事と組織を変える

私たちは、数字、顧客の声、現場の発言、上司の説明、苦情、成功事例、会議での合意、AIが生成した文章など、さまざまな情報を受け取っています。これらをそのまま答えとして受け取れば、仕事はそこで終わります。

しかし、「これは、何が起きた結果なのか」「まだ、何が分かっていないのか」「何を確かめれば、判断を変えられるのか」と問い続ければ、情報を仕事の改善につなげられます。

注目していただきたい点:

良い行動の上流には、良い判断があります。良い判断の前には、事実確認があります。

問いを持つことは、一部の経営者や管理職だけに必要な仕事ではありません。

組織で働くすべての人が、目の前の情報を「答え」ではなく、確認を始める入口として扱うこと。

そこから、仕事の改善と、組織の学習が始まります。

本資料を通じて伝えたいこと

AI時代の判断力とは、AIの答えを否定する力ではありません。

  • どこまでが確認された事実なのか

  • どこからが解釈や仮説なのか

  • まだ何を答えにしてはいけないのか

を見分ける力です。

仕事の中で問いが消えるとき、私たちは考えることをやめたとは限りません。仕事を早く終えること、整った報告を行うこと、間違った発言を避けることを優先した結果として、問いを持つ過程が省かれていることがあります。

だからこそ、個人に「もっと考えてください」と求めるだけではなく、

  • 報告資料で事実と仮説を分ける

  • 会議で、まだ分かっていないことを確認する

  • AIを使う前に、自分の問いを持つ

  • 判断後に、どの見立てが正しかったかを振り返る

といった仕事の設計が必要です。

本資料が、組織で働く一人ひとりにとって、目の前の情報からもう一歩背景へ進み、より良い判断をつくるためのきっかけになれば幸いです。

※本資料で用いる「問いの早期閉鎖」は、実務上の問題を説明するための表現であり、既存研究において確立された学術用語として使用しているものではありません。

全10ページは以下よりダウンロードできます。

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組織行動科学®について 

組織行動科学®は、組織で働く人の思考と行動が「なぜ起こり、なぜ続くのか」を、事業環境、歴史、経験から解明し、より善く再現するための手段です。

リクエスト株式会社は、980社・33.8万人の働く人のデータを基盤に、組織で働く成人の研究と教育開発を行っています。

会社概要

会社名:リクエスト株式会社

代表者:代表取締役 甲畑 智康

所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目4番8号 京王フレンテ新宿3丁目4F

事業概要:リクエスト株式会社は、「より善くを目的に」を掲げ、980社・33.8万人の働く人のデータに基づく「組織行動科学®」を基盤に、組織で働く成人の研究と教育開発を行っています。

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URL
https://requestgroup.jp
業種
教育・学習支援業
本社所在地
東京都新宿区新宿3丁目4番8号 京王フレンテ新宿3丁目4F
電話番号
090-4183-2525
代表者名
甲畑智康
上場
未上場
資本金
-
設立
2020年10月