音声ボットのみの対応で完了したケースは1割前後にとどまる【J.D. パワー 2025年法人向けテクニカルサポートコールセンター満足度調査℠】
大塚商会が3部門、リコージャパン、ミロク情報サービスが各1部門で総合満足度第1位

CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、CEO:木本卓、略称:J.D. パワー)は、2025年法人向けテクニカルサポートコールセンター満足度調査の結果を発表した。本調査では「サーバー」、「PC/タブレット」、「コピー機/プリンター」、「業務ソフト」の4つのIT製品部門における、企業向けのテクニカルサポートコールセンターの満足度を測定している。
満足度は昨年から大きな変化は見られないものの、3部門で緩やかに低下傾向
本年の総合満足度(1,000ポイント満点)は「サーバー部門」が670ポイント(前年比-5ポイント)、「PC/タブレット部門」が663ポイント(前年比-1ポイント)、「コピー機/プリンター部門」が697ポイント(前年比-1ポイント)、「業務ソフト部門」が677ポイント(前年比+4ポイント)となった。
どの部門も昨年から大きな変動は見られないものの、「サーバー部門」、「PC/タブレット部門」、「コピー機/プリンター部門」では、一昨年から緩やかにスコア低下の傾向にある。3部門共に「電話のつながりやすさ(応対開始までの時間)」において、年々評価が低下している。
「電話のつながりやすさ」は、総合満足度の測定にあたり設定した7つの評価ファクターの中で、影響度が最も高いファクターとなっている。コールセンターの待ち時間は、BtoBサポートにおいては顧客の業務継続に直結する重要な要素であり、改善に向けた取り組みが求められる。

音声ボットでの完了、1割前後
昨今、コールセンターにおいては、待ち時間の短縮や応答率の改善、人手不足の解消、業務効率化等を目的として、AI等を活用した音声ボットによる自動受付・対応システムを導入する企業が増加している。
オペレーターとの通話なしで、「自動音声ガイドの操作や自動音声認識による対応のみ」で完了となったケースは、「サーバー部門」で11%、「PC/タブレット部門」で10%、「コピー機/プリンター部門」で6%、「業務ソフト部門」で9%となり、概ね1割前後にとどまっている。

また、こうした「自動音声ガイドの操作や自動音声認識による対応のみ」で完了となったケースにおける総合満足度は、いずれの部門においても全体平均を下回る水準にあり、「最終的に解決しなかった/まだ解決していない」とする回答が多い傾向にある。音声ボットの活用は、業務効率化や待ち時間の短縮といった面で一定の効果があると考えられる一方で、複雑な用件への対応や顧客の安心感といった観点では依然として課題が多いと考えられる。更なる定着と顧客満足度向上に向けて、今後は、有人対応との適切な棲み分けや連携に加え、音声認識の精度や回答内容の品質改善が重要となるであろう。
現在、あらゆる業種・業界において、オンラインシフトやデジタル化が急速に進む中、コンタクトセンターは顧客の問題解決だけにとどまらず、顧客との関係構築や価値提供を担う重要な接点へとその役割が変化している。顧客体験価値の向上を担い、持続的な顧客ロイヤルティの獲得を目指す体制作りが今後益々求められる。
J.D. パワー 2025年法人向けテクニカルサポートコールセンター満足度No.1を発表
総合満足度ランキングは下記の通り。
<サーバー部門>(対象7ブランド)
第1位:大塚商会(692ポイント)
「電話のつながりやすさ」、「応対の丁寧さ」、「製品知識」、「コールセンターでの問題解決や電話対応に要した時間」、「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」、「用件・要望に対する理解力」、「説明のわかりやすさ」の全7ファクターで最高評価。
第2位:リコージャパン(683ポイント)
第3位:NEC(673ポイント)

<PC/タブレット部門>(対象8ブランド)
第1位:大塚商会(691ポイント)
4年連続の総合満足度第1位。「電話のつながりやすさ」、「応対の丁寧さ」の2ファクターで最高評価。
第2位:富士フイルムビジネスイノベーション(688ポイント)
第3位:リコージャパン(687ポイント)

<コピー機/プリンター部門>(対象7ブランド)
第1位:大塚商会、リコージャパン(同スコア、704ポイント)
大塚商会は「応対の丁寧さ」、「製品知識」、「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」の3ファクターで最高評価。
リコージャパンは「電話のつながりやすさ」、「製品知識」、「コールセンターでの問題解決や電話対応に要した時間」、「説明のわかりやすさ」の4ファクターで最高評価。
※大塚商会とリコージャパンの「製品知識」ファクターのスコアは同点。

<業務ソフト部門>(対象8ブランド)
第1位:ミロク情報サービス(701ポイント)
「電話のつながりやすさ」、「応対の丁寧さ」、「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」、「用件・要望に対する理解力」の4ファクターで最高評価。
第2位:TKC(692ポイント)
第3位:PCA(685ポイント)

J.D. パワー 2025年法人向けテクニカルサポートコールセンター満足度調査℠概要
年に1回、全国の企業を対象に、「サーバー」、「PC/タブレット」、「コピー機/プリンター」、「業務ソフト」の4つの製品分野の法人向けコールセンターにおけるテクニカルサポート(製品購入後の故障や障害・トラブル、使い方や設定方法)の応対満足度を聴取し明らかにする調査。今回で10回目の実施となる。
■実施期間:2025年7月下旬~8月中旬
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:直近1年以内にテクニカルサポートの用件でコールセンターを利用した企業(従業員数5名以上)
■調査回答社数:サーバー:1,536件、PC/タブレット:2,153件、コピー機/プリンター:3,537件、業務ソフト:2,256件
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に以下の通り(カッコ内は影響度)。
「電話のつながりやすさ」(24%)、「応対の丁寧さ」(19%)、「製品知識」(18%)、「コールセンターでの問題解決や電話対応に要した時間」(14%)、「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」(10%)、「用件・要望に対する理解力」(8%)、「説明のわかりやすさ」(6%)
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
詳細はhttps://japan.jdpower.com/ja/our-benchmarking-study-methodologyをご覧ください。
【ご注意】チャートやデータを記事に引用する場合には、出典元として本調査名を明記してください。
弊社の許可なく記載された情報や結果を企業の広告や販促・広報活動に転用することは出来ません。
J.D. パワーについて
米国に本社を置くJ.D. パワーは消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データと分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。ビッグデータや人工知能(AI)、アルゴリズムモデリング機能を活用して消費者行動を捉える先駆者であり、消費者に関する鋭い業界インテリジェンスを提供してきました。J.D. パワーは半世紀以上に渡って、顧客とブランド・製品に関わり続け、主要産業における世界の大手企業から、顧客対応戦略の指針として信頼されています。
J.D. パワーは、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、https://japan.jdpower.com/jaをご覧ください。

J.D. パワー アワードとトロフィー
J.D. パワーのアワードは専門家による評価ではなく、大勢の顧客からのフィードバックに基づいています。J.D. パワーのアワードとトロフィーは、同社の独立したベンチマーク調査において、最も高い評価を得たブランド、製品、サービスに授与されています。
最初のトロフィーは、1989年の「米国自動車サービス顧客満足度(CSI)調査」で最高評価となった「ACURA」に授与されました。以来、J.D. パワーのアワードとトロフィーは、自動車業界をはじめ、様々な業界で卓越した品質や顧客満足の象徴として世界的に広く認知されています。
トロフィーのデザインは、創業者のJ.D. パワー3世が自宅の置時計からアイデアを得たもので、現在もアメリカで一つ一つ製造されています。
J.D. パワーのトロフィー誕生秘話について漫画でご紹介しています。

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