Bass Shop Geek IN Boxは、「世界中のミュージシャンに世界中の楽器を届ける」ことを目指し、2015年に創業しました。現在はベース専門店「Bass Shop Geek IN Box」、ギター専門店「Guitar Shop TONIQ」を横浜、兵庫で展開しています。

代表の嵯峨をはじめ、多くのメンバーは実際にベースやギターをプレイしているミュージシャンです。そのため、ミュージシャンが感じる「こんな商品が欲しい」という思いをもとに、オリジナル製品の開発、販売も行っています。

今回はそのオリジナル製品の中から、AGS搭載で体感重量が40％軽減するギターケース『ROSIÉ Ultralight Guitar Case』について、開発者である嵯峨のコメントと共に製品開発に込めたこだわりと本商品の魅力をお伝えします。

ミュージシャンの声を反映したBass Shop Geek IN Boxのサービスとオリジナル製品開発

弊社は、ギターとベースの専門店を経営しており、販売、買取、修理、コンテンツ製作など総合的なサービスを提供しています。

特徴的な点の一つは、国外のブランドとの取引が多いことです。アメリカ、ドイツ、中国など世界のギターショーに足を運び、まだ日本には流通していない楽器を買い付けます。

実店舗では楽器修理のサービスも提供しており、ミュージシャンの心をわかるスタッフが対応するからこそできる、的を射た実用的な提案はご好評を頂いております。

（楽器の修理を行う様子）

また、新しい時代の楽器店のスタイルとして自社のプロモーション力を重要視しており、SNSおよびオウンドメディアの運用を行っております。結果的に、Youtube、X（旧Twitter）などの合計フォロワー数は8万を超え、業界では最大級です。こうしたプロモーション力を利用することで、楽器の製作者と利用者の間を繋ぐことが使命の一つだと考えています。

様々なサービスを提供する中で身につけた知見を元にして開発するオリジナルブランドは、ミュージシャンサイドに立った姿勢とクオリティの高さを評価頂いています。

（弊社代表：嵯峨　駿介）

弊社はいくつかのオリジナルブランドを展開していますが、今回紹介する『ROSIÉ Ultralight Guitar Case』はROSIÉブランドの商品の一つです。ROSIÉはミュージシャンの身体のケアを第一に考え、彼らが音楽に集中できる環境を作るために全力を尽くしているブランドです。

また、理念として関わる人全てが公平であり、そしてその関係が長い時間持続可能であることを目指しています。例えば、ROSIÉの製品を製造する工場では、労働者が不当に安い人件費での労働を強いられることがありません。このように全ての取引がフェアトレードであることを前提としています。これは工場との関係性のみではなく、配送業者、エンドユーザーなど、文字通り全ての関係者を含みます。

30kgもの荷物を持ち運ぶミュージシャンの移動負担を軽減するギターケースを作りたい

ギターやベースを入れて持ち運ぶギターケースの重量はどれくらいになるかご存知ですか。楽器以外にもエフェクター、楽譜などの必要機材を入れるとその重さは時に30kg以上になることも。ミュージシャンはこれらを背負い、スタジオやライブハウスに向かいます。

こうした重量物を持ち運んだ結果、目的地に着いた頃にはヘトヘトで演奏に集中できないという経験を私自身実感してきましたし、多くのミュージシャンも同じ思いをしています。特に電車移動が多いエリアの方々は、日頃からこのストレスを抱えていることでしょう。これを改善するために、ミュージシャンたちは軽い楽器を使ったり、荷物を減らしたり、試行錯誤を繰り返しています。

私自身も試行錯誤しましたが、根本的な改善には至りませんでした。軽い楽器を使ったら音質の面で妥協することになり、荷物を減らしたら、やはりステージを行う上での制限が多くなってしまいます。

そうした問題を部分的にでも解決するために、移動それ自体の負担軽減というポイントにフォーカスしたギターケースの開発を考え始めました。また、その時期に友人のミュージシャンの「合計32.6kgの荷物を持って電車移動をして疲れた」という一声が、私たちのプロジェクトを奮起させてくれました。

簡単に「身体的負担を軽減するギターケースを作る」と言っても、私たちはギターケースの製造経験がありませんでした。ノウハウがない中で従来品のどこを改善したら理想の形に仕上がるのか、改善点探しに時間がかかりました。

まず様々なメーカーのギターケースを実際に購入し、重さの感じ方、使用感などを検証しました。その後、楽器メーカー以外にも着目しリサーチを進めていくと、ビジネス系のバックパックで広く浸透し、高く評価されているAGS（Anti Gravity System）という技術に辿り着きました。

ビジネスバックパックで使われる「AGS技術」をギターケースに応用した画期的なアイデア

AGS（Anti Gravity System）はショルダーストラップがバネのように上下することで、背負っている重量が軽く感じるというものです。その効果は、体感重量が40％軽減すると言われており、確かなものでした。

今までギターケースにAGSを搭載した事例はないものの、ビジネスバッグでの実績を鑑みて、取り入れることを決意しました。AGS搭載ストラップの見た目も従来品と同じようにシンプルな作りになっているのも、誰もが抵抗なく利用でき、取り入れようと思った理由です。

楽器の保護とミュージシャンの身体的負担、双方に配慮したギターケースが誕生！

更なる改善を求め、バックパックを製造する企業と協力して調査を重ねた結果、既存の製品の問題点のひとつとして浮かび上がったのは、ショルダーストラップの位置でした。

既存のギターケースの多くはショルダーストラップの位置が悪く、重心が背中からずれ、結果的に歩いた際のぶれが大きいのです。これが原因になって、身体への負担は大きくなってしまいます。

バックパックのプロの意見を元にして、ショルダーストラップの位置の修正を行った結果は非常に良好で、AGSの効果と相まって既存の製品との違いに大きな自信を持つことができました。

AGSの搭載やショルダーストラップの位置の見直しのほかに、もちろん、バッグ自体の重さも徹底的に軽量化しました。そのために使用頻度の少ないパーツ要素は取り除き、必要最低限の機能を取り入れた過不足なくシンプルなデザインを追求しました。

例えば、ポケットはあえて大きめのサイズのものを1箇所だけに。大型のマルチエフェクター、5mシールド2本、ストラップ、譜面、など必要な機材はすべて収納可能なサイズです。不要なポケットや大袈裟な保護機能は削ぎ落としています。

ギターケースの軽量化だけでなく、本来の目的である保護性能にも拘りました。具体的には、ケースを直接地面に置いても楽器と接地しないようにスペースが生まれる構造を作り、デリケートなネック部分にはパッドを重ね、傷がつきやすいヘッド部分は保護性能の高い素材でカバーしました。

体感重量を40％軽減するギターケース『ROSIÉ Ultralight Guitar Case』発売。多くのミュージシャンからの好評の声

こうして完成したギターケースは2023年8月に『ROSIÉ Ultralight Guitar Case』としてギター用・ベース用をそれぞれ予約販売を開始しました。大変嬉しいことに多くのご予約をいただき、現在ベース用は完売しております。（2024年2月には再販する予定です。）

ご利用いただいたミュージシャンたちからも、「本当に軽く感じるので移動してもかなり身体が楽に感じます」「確かに軽い、軽く感じる！」「確かに疲れない！いつもはお店に着く頃には体力削られているけど、これならイケる」などと日々、嬉しいお声をいただいております。

こうした声を聞くと、ギグバッグの本来の目的である「ミュージシャンの身体的負担を軽減すること」が少しずつ達成されていて、作って良かったと心から感じます。今後は、このノウハウを生かして、ギターやベースに限らず管楽器などの他の楽器でも利用できるバッグの製作も視野に入れています。

また、ミュージシャンの意見を改めてフィードバックしたビジネスバッグの開発も可能だと考えています。

『ROSIÉ Ultralight Guitar Case』の購入先

ギター用：https://shop.geekinbox.jp/?pid=176526276

ベース用：https://shop.geekinbox.jp/?pid=176805241

【製品概要】

製品名：Ultralight Guitar Case/Ultralight Bass Case

＜Ultralight Guitar Case＞

サイズ：440 × 1090 × 80mm（ポケット部分除く)

重量：1.71kg

対応モデル例：Fender Stratocaster, Fender Telecaster, Gibson Les Paul, PRS Custom24……

販売価格：22,000円（税込）

＜Ultralight Bass Case＞

サイズ：500 × 1260 × 80mm（ポケット部分除く)

重量：1.93kg

対応モデル例：Fender Jazz Bass, Fender Precision Bass, MTD 535, Rickenbacker 4003, PRS Grainger Bass……

販売価格：24,200円（税込）