【買取再販事業イメージ図】

住み替えの選択肢に、ポテンシャルの高い既存住宅をおすすめしたい！

コロナ禍、自宅で過ごす時間が増え、新しいことに取り組んでみたり、インテリアを変えてみたり、感染防止に努めながらもポジティブに暮らしていくための工夫を凝らしている方も多いと思います。中にはより良い環境を求めて住み替えを検討されている方もおられるのではないでしょうか。

住み替えを検討する場合、新築または賃貸の住宅やマンションが思い浮かびますが、近年のDIYブームの影響もあり、空き家を購入して自らリノベーションを行う方など、住まいに対する価値観も少しずつ多様化が進んでいます。

しかしながら、既存住宅（中古住宅）に対しては中古分譲マンションに比べて、建物構造など、目に見えない部分があることから、隠れた不具合や耐震性、断熱性など住宅品質に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

パナソニック ホームズ(株)では、自社が建築した住宅を長く住み継いでいただきたいという想いから、既存のオーナーから住宅を買い取り、住宅履歴情報に基づき査定した上で、必要なリフォームを施し、新たなオーナーに販売するという、買取再販事業の専門部署、「住宅流通推進センター」を2021年4月にグループ傘下のパナソニック ホームズ不動産(株)内に立ち上げました。

▶関連リリースはこちら（パナソニック ホームズ　プレスリリースサイト）

左：住宅流通推進センター 所長　赤羽 潤／

右：住宅流通推進センター営業統括担当リーダー　志村 満

◆良い物件が多数眠っている日本

日本における既存住宅の流通量は、欧米諸国に比べ大変少ない状況です。住宅流通量全体における既存住宅の占める割合※1を国別に比較すると、イギリス（85.9%）、アメリカ（81.0%）、フランス（69.8%）、日本（14.5%）の順になります。一方、減失住宅の平均築後年数※2を比較すると、イギリス（80.6年）、アメリカ（66.6年）、日本（32.1年）の順となり、日本の住宅が減失するまでの期間が短いことが分かります。欧米諸国では古い住宅ほど価値が高いという話も耳にしますが、日本では、新築志向が根強い傾向です。国土交通省が実施した住宅市場動向調査※3では、住宅を新たに購入した方が、既存住宅を選ばなかった理由として、６割の方が「新築の方が気持ちが良いから」と回答しています。一方、同じ調査で、既存住宅を購入された方に、理由を尋ねると、7割近くの方が「予算的にみて中古住宅が手頃だったから」と回答し、コストパフォーマンスを重視している傾向でした。

●既存住宅流通シェアの国際比較(2018年)

グラフの出典　国土交通省ウェブサイト（https://www.mlit.go.jp/common/001314574.pdf）平成30年住宅・土地統計調査の集計結果 (住宅及び世帯に関する基本集計）の概要

「既存住宅流通量の推移と国際比較」(P21)を加工して作成

●減失住宅の平均築後年数の国際比較

グラフの出典　国土交通省ウェブサイト（https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001323215.pdf）我が国の住宅ストックをめぐる状況について（補足資料）「滅失住宅の平均築後年数（国際比較）」(P40)を加工して作成

仮に、“新築のような気持ちよさ“と”コストパフォーマンス“や”安心感“を兼ね備えた既存住宅があることをお伝えできれば、住み替えの新たな選択肢として人々に認識され、既存住宅がより身近になるかも知れません。

50余年に渡り、住まいづくりに取り組んできたパナソニック ホームズ(株)のグループ会社、パナソニック ホームズ不動産㈱に新設された「住宅流通推進センター」では、良質な既存住宅をより多くお客様に届けたい、との想いから新規事業を推進しています。同じくグループ傘下のリフォームを専門とするパナソニック リフォーム(株)と連携することで、既存住宅（戸建住宅・マンション）の買取再販事業をワンストップで対応しています。

◆住宅会社としての知見を活かして既存住宅の価値を正しく査定

パナソニック ホームズ(株)は、1963年に会社設立以来、累計44万棟※4の住宅を供給してきました。その間、住宅オーナーの中にはお子様の独立など、家族構成やライフスタイルの変化に合わせて、マンションへの住み替えなどで、住み慣れた住宅の売却を検討される方もいらっしゃいます。人生100年時代と言われる今、住まい方へのニーズは変化し、住宅会社として柔軟な対応が求められています。

日本では、既存住宅の買い取りに際しては、一般的な査定方法では約20年で建物価格がほぼゼロになってしまいます。パナソニック ホームズ(株)を含む、住宅会社10社が加盟する優良ストック住宅推進協議会では、共通の基準（①住宅履歴データベースの保有　②50年以上のメンテナンスプログラム　③新耐震基準レベルの耐震性の保持）を定め、基準を満たす住宅を「スムストック」として認定しています。「住宅流通推進センター」では、自社グループで建築した住宅だからこそ知る品質状況と価値を適正に評価することで、既存オーナーにとっても納得性の高い買取価格で買い取ることが可能になります。その上で、適切な点検・補修、リフォームをグループ会社のパナソニック リフォーム㈱を通じて行うことで、新たなオーナーへ再販売します。

買取再販の活動内容について、住宅推進センターの司令塔 赤羽 潤（住宅流通推進センター 所長）と首都圏でチームをけん引する志村 満（住宅流通推進センター　営業統括担当リーダー）に話を聞きました。

―どのようにお客様のニーズにお応えしていく？

（赤羽）売却物件情報の入手が何より重要と考えています。たとえ買主候補様の情報を入手し物件へのニーズを把握できたとしても、それにお応えする物件、建物が無ければご要望、ご期待に沿うことはできません。そこで、オーナーサポート窓口情報、仲介担当部員情報、新築営業部門情報を連携させ一元管理できる仕組みを構築しました。パナソニック ホームズグループはこれまでに約44万棟の戸建住宅を供給してきており、多くのオーナー様がおられますので、既存オーナー様とのコミュニケーション強化から推進しています。並行して、より幅広く情報収集するために一般の不動産会社や仲介会社、金融機関との連携拡大にも取り組んでいます。

―日本の既存住宅の流通量は増える？

（志村）銀行の融資評価において、建物に対する評価は税法上、減価償却されていき、既存住宅で長期融資となると評価は非常に厳しいのが日本の実情です。しかしながら、お客様の動向を見ていると、デフレの影響もあるのかも知れませんが「住宅メーカーが建てた家だから長く使える」、「良いモノを適正価格で買ってちゃんと長く使っていこう」という意識が高まっているように思います。

新築で好立地、好物件は都心部では非常に少ないものですが、既存住宅の場合、リフォームを行い、素早く入居できる。過去に住宅会社各社が開拓した分譲地も時間の経過とともに老朽化し、街の活気も次第に失われていきます。我々の事業を通じて魅力ある物件にリフォームし、新たな世代の人々に入居を促すことで、街の活性化にも繋がると思います。

（赤羽）既存住宅の流通量が少ないということは裏返せば「空き家が多い」ということでもあります。今後も高齢化が進み、価値ある住宅が、空き家のまま眠ってしまうことも増えていくと考えています。そういった物件を買取させていただくことで、住宅会社の知見を活かし、建物に良質なリフォームをしっかり行い、安心を担保した住宅を提供できれば、こうした社会課題の解決にも繋がっていくと考えています。

―住宅推進センター設置から２カ月が経ちました。

（志村）現場で活動していると、「いいものを安く、そして長く使う」という感覚と、DIYなど自分で加工することを楽しむという感覚が広がってきていると感じています。そして、これが「自由度の高さ」というニーズとなって既存住宅への関心も高まって来ていると感じています。そんな中で我々は自社グループで建築した住宅を買取再販する一番のメリットは、既存住宅でも元の物件に付帯している保証を承継できることだと考えています。良い住宅を、プロ意識を持ってより良くリフォームして、さらに新たなリフォーム保証や不動産としての保証もお付けしてご提供できるのです。そこまでしても販売価格は新築よりもだんぜんお得にご提供できます。

直近の事例では、そこにさらに政府の制度である「安心R住宅」※5に登録した物件を販売する機会があり、お客様にも非常にご満足いただくことができました。政府も近年、既存住宅への政策を強化しているところですが、現場の肌感覚からも、こうした安心感もあわせてご提供していくことが既存住宅の販売ではとても大切だと感じています。

◆新たな住まい手に引き継がれた事例紹介

横浜市内の買取再販案件は、商談開始から数日で成約に至りました。

売主様は16年前にパナソニック ホームズで新築をご購入いただいたお客様で、ご高齢の姉妹でした。高齢者住宅への転居をご希望されていましたが、売買仲介ではいつ売れるかわからず、高齢者住宅への転居計画が見通せないとのご相談でした。そこで、住宅流通推進センターで買い取らせて頂きました。売主様においては、スピーディーに現金化を実現でき、計画通りに高齢者住宅へご入居されました。

その後、パナソニック リフォーム株式会社が買い取った住宅をリフォームし、4月末より販売を開始しました。販売価格は周辺の新築（分譲）物件相場よりも低く設定しました。新築と変わらぬ美しい外観に加え、キッチンやバスルームなど水回りには最新設備にリフォームされた既存住宅は、非常にお買い得感のある物件に仕上げることができました。販売開始から間もなく、新しいオーナー様が見つかりました。

こちらのご家族は、3人のお子様のいる30代のご夫婦で、マンションにお住まいでしたが手狭になったため、戸建住宅への住み替えを検討されていたところでした。最新設備付きの既存住宅（建物面積約35.5坪４LDK＋WIC）は、コストパフォーマンスの高さが大きな魅力になったようです。

●買取再販　戸建住宅の第1号成約案件（リフォーム後の撮影画像）

志村は、買取再販事業を通じて「お客様の暮らしに貢献することこそが、本当に取り組むべき仕事だと思っています」と熱い想いを語ります。パナソニック ホームズグループは、社会の貴重な資産である既存住宅の流通を促進し、社会貢献を果たすためにも、着実な事業拡大を目指します。

▶関連リリースはこちら（パナソニック ホームズ　プレスリリースサイト）

▶パナソニック ホームズ不動産(株)買取関連サイト

・パナソニック ホームズ住宅買取

・マンション買取

※1：出典　国土交通省ウェブサイト（https://www.mlit.go.jp/common/001314574.pdf）平成30年住宅・土地統計調査の集計結果 (住宅及び世帯に関する基本集計）の概要　「既存住宅流通量の推移と国際比較」

※2：出典　国土交通省ウェブサイト（https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001348001.pdf）　我が国の住宅ストックをめぐる状況について（補足資料）「減失住宅の平均築後年数の国際比較」

●日本：総務省「平成30年住宅・土地統計調査」、国土交通省「住宅着工統計（平成30年計）」●アメリカ：U.S. Census Bureau「New Residential Construction」, National Association of REALTORS「Existing Home Sales」●イギリス：Department for Communities and Local Government「Housing Statistics」, HM Revenue & Customs「UK Property Transactions Statistics」●フランス：Institut national de la statistique et des études économiques （英語ページ）「Number of started dwellings」, Conseil general de l'environnement et du développement（英語ページ）「House Prices in France : Property Price Index, French Real Estate Market Trends in the Long Run」［注］イギリス：既存住宅取引戸数については、四半期ごとの取引額4万ポンド以上の取引戸数を暦年ベースで合計したもの。

※3：出典　国土交通省ウェブサイト（https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001348001.pdf）【資料２】令和元年度　住宅市場動向調査　～調査結果の概要～（PDF形式）「新築か中古かの選択理由について(p.8)」

※4：パナソニック ホームズグループの戸建住宅販売棟数（1963年～2020年度実績）

※5：国土交通省が創設。耐震性があり、インスペクション（建物状況調査等）が行われた住宅であって、リフォーム等について情報提供が行われる既存住宅に対し、国の関与のもとで事業者団体が標章（マーク）を付与するしくみ

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