世はデジタル化が進み、不規則にゆらぎ変化する不確実な毎日が続きます。これからは、今後を見据え、果敢に挑むことで、業容の深化と変容を遂げていく必要があります。

日本リサーチセンターは、1960年に設立された民間の調査研究機関であり、マーケティングリサーチ（市場調査）、世論調査の実施、および、海外調査にも豊富な経験を有しています。

新事業YouGovとは

当社は、2019年10月にイギリスの調査会社YouGov社と提携し、彼らが開発したマーケティンングソリューションツールの日本での営業を開始しました。このYouGov事業は、従来の当社の受託型ビジネスとは異なるセールス型ビジネスモデルの事業でした。しかしその営業開始直後、コロナにより肝心の対面営業ができなくなってしまいます。今回はコロナ禍で奮闘したYouGov事業の営業の裏側をご紹介いたします。

YouGov社は、データの収集と分析を専門とするグローバルなリサーチ会社です。当社は、このYouGov社が提供するブランドトラッキングのための測定ツール「YouGov BrandIndex」と、消費者セグメンテーションとメディア・プラニングのためのツール「YouGov Profiles」の日本の総販売代理店となりました。

「BrandIndex」は、様々な業界のブランドの健康診断状況を、リアルタイムで見える化できるツールです。対象ブランドが一般消費者からどのように受け止められているかを株価グラフのように日々の動きとして指標で表すことができます。

　一方の「YouGov Profiles」は、生活・行動全般に関する約9,000人の1,100超の質問項目への回答データにアクセスが可能で、プラットフォーム上で属性別の集計やグループ比較、ビジュアル化等も簡単に行うことができます。

　しかしYouGov事業の営業開始直後、コロナにより肝心の対面営業ができなくなってしまいました。オンラインでの営業活動のノウハウが確立されていない上に、各企業のマーケティング予算は縮小され、セールスは苦戦を強いられました。

そうした状況の中、当社はコロナ禍に対応するため、従来の営業体制を大幅に変更することにしました。YouGov事業エグゼクティブリーダーの須貝育宏に、コロナ禍での営業活動について話を聞きました。

コロナ禍に直面し、YouGov事業はどのように変容していったのでしょうか？

【YouGov事業エグゼクティブリーダー：須貝育宏】

須貝　まずは、商談方法の変化ですね。従来の当社の営業スタイルは基本的には直接会って対面で商談するやり方が主流でしたが、WEB商談へ切り替えることにしました。これにより、時間的・地理的制約から解放され、より高頻度の商談を実施することができるようになったのです。

また、従来の対面型セミナーをウェビナーへ切り替え、かつ、そのウェビナーも他社との共同開催を意識的に行いました。そうすることで、お互いの顧客をシェアしながら、オンラインであるため企業の立地に関係なく、今までとは違った企業の方にアプローチできるようになりました。

さらに、商談機会の拡大のために、非対面の電話によるアポイントメントに加え、YouGov BrandIndexのデータを活用した「ブランド診断ホットライン」というサービスをＨＰ上で開始し、お客様に無料でレポート提供を実施する取り組みも行いました。これは、BrandIndexのデータを活用して、クライアント企業が関心のあるブランドの各種パフォーマンスの分析結果を無料提供する診断サービスです。

コロナ禍で各企業のマーケティング予算は縮小されていたため、このようなブランド診断の提供を無料で行うことで、集客やサービス周知の手段として多くの問い合わせを受けることに成功したのです。

今後のYouGov事業の展望は？

須貝　様々な取り組みの結果として、YouGovサービスの受注を達成することができるようになりました。それに加え、YouGov社と提供していることを知ったお客様から、当社のカスタム調査の発注をいただくことにも成功しました。現在もコロナは収束せず、依然としてビジネス環境は厳しい状況ですが、「コロナ禍だからこそ、消費者の日々の意識や行動変容のトラッキングが重要」と考える企業が数多く存在しているもの事実です。これからも、我々の提供するサービスのビジネスポテンシャルは大きいと信じて鋭意活動をしていきます。

【YouGov事業の詳細】

　https://www.nrc.co.jp/solution/nryougov/index.html

【日本リサーチセンターHP】

　https://www.nrc.co.jp/solution/nryougov/introduction/index.html