NPO法人シングルマザーズシスターフッドは、シングルマザーの身体と心のケアを支援する団体です。ひとり親の女性がセルフケアし、自分らしく生きられるようにサポートしています。今回は、志を共にしながら活動を支えている女性たちを紹介します。

シングルマザーズシスターフッドの具体的な活動内容は、「セルフケア」「学び」「貢献」の３ステップ。オンラインで定期開催しているセルフケア講座では、ストレッチ、深呼吸、瞑想をして、フィジカル、メンタルの両方をケアしていきます。心と体が整った後は、自分らしく自立して生きるための知識やスキルを身につける「学び」のステップへ。講座を終えて、自信をつけたあと、今度は受講生のメンターやボランティアとして活動する「貢献」の場があります。何かを与えてもらう側から、自分の力を発揮する立場へとシフトします。「セルフケア」と「学び」で元気になったシングルマザーたちが他者へ「貢献」する機会を持つ。セルフケアから始まるポジティブな循環が生まれることを目指しています。

これらの活動を支えるのは、それぞれの分野で活躍し、自分自身の価値観や目標に芯を持ち、自立しながら生きる女性たちです。自身もシングルマザーとして子育てをした経験があったり、ジェンダーギャップに生きづらさを感じた経験があったり。困難に直面しながらも、乗り越えてきたメンバーです。

2023年5月～10月に開催の「シングルマザーズ デジタル キャンプ※」にも伴走し、講師として自分らしく生きるためのヒントを伝えます。知識やスキルを伝授してくれる5名の講師陣の経歴やコメントを紹介します。

※本講座は、2022年に一般社団法人グラミン日本が休眠預金等活用法に基づく資金分配団体として採択を受けて実施する「シングルマザーのデジタル就労支援」事業の一環です。そのため、対象となる10代～30代のシングルマザーの受講料は全額免除になります。

吉岡マコさん

第1回「自分らしく生きるための心と体をつくる」

第5回「シングルマザーの恋愛、互いを大切にするパートナーシップ」

第6回「人の心を動かすプレゼンテーション、３カ年計画」

第7回「リーダーシップ、合宿前オリエンテーション」、第8回＆最終回予行の講座を担当

シングルマザーズシスターフッドの代表理事を務める吉岡マコさんは、東京大学文学部で身体論を学びました。96年に卒業後も、同大学院生命環境科学科で運動生理学などを学びつつ、学外でヨガ、東洋医学、ダンスセラピーなど、さまざまなボディワークを学びます。

自らの経験をもとに設立したNPO法人マドレボニータで22年間産後ケアの普及や啓発に尽力。2020年に同法人の代表を退きシングルマザーを支援する団体を設立し、シングルマザーのセルフケアや自立支援、リーダーシップ開発など活動の幅を広げています。

コメント

「私自身も25歳でシングルマザーになり、生きていくことが大変だと実感したこともありました。一方で、同じシングルマザーの仲間や友達に支えてもらいました。仲間との連帯が、自分自身を成長させてくれたという経験があるので、講座は仲間と一緒に切磋琢磨する場であるということを重視しています。仲間と一緒に学ぶことで、自分にはなかった視点に気づけたり、仲間の頑張りに刺激を受けて頑張ろうと思えたり。グループのエネルギーというのは、すごく大きいです。

講座での「つながり」が、今だけではなく、子育ての過程でも、子育てが終わってからも、10年、20年と続いていくようなものになっていくかもしれません。今回、参加するシングルマザーの皆さんには、そういった「つながり」も是非、育んでもらいたいと思っています」

高橋ライチさん

第1回「自分らしく生きるための心と体をつくる」

第3回「健康的な対人関係を築く」

第5回「互いを大切にするパートナーシップ〜シングルマザーの恋愛〜」の講座を担当

NPO法人リスニングママ・プロジェクト代表の高橋ライチさんは、現在20歳と30歳になった娘さんをシングルで育てた経験があり、2011年の東日本大震災をきっかけに、オンラインで子育ての悩みを聞くリスニングママ・プロジェクトを開始しました。「共感的」に話を聴くことで「女性が自分らしく生きること」をサポートしています。他にも、育児支援コミュニティ「こぶたラボ」の運営や、カウンセラーやコミュニケーションスキルに関する講座の講師活動も行っています。

コメント

「感情というのは、制御するものでなく、大切にケアするもの、という考え方を一緒に学んでいけたらと思います。小手先のテクニックではなく、こうした本質的な考え方を身につけることで、感情やコミュニケーションに関わる様々なボトルネックを解消できるようになります。

価値観や生きていく上で核となるものを見つけ、大切することが、自分らしく生きるためのきっかけにもなるのではないでしょうか。意欲を持って参加するシングルマザーのみなさんを心より応援しています」

安藤真由美さん

第2回の「人生の手綱を自分で握る 〜マネーリテラシーの基礎〜」の講座を担当

ブリリアントライフ代表、一般社団法人ジェンダー総合研究所共同代表の安藤真由美さんはアナリスト、ファンドマネージャーとして20年以上勤務後、エグゼクティブコーチ・コンサルタントとして独立。女性のためのお金と投資の講座やジェンダー講座などを開催し、「コーチング」×「お金」×「ジェンダー」を軸に、女性が自分らしく生きていくことをサポートする活動をしています。

「このマネーリテラシー講座は、お金についてのみ学ぶものではありません。まずは、自分は本当はどんな人生を歩んでいきたいのか、何を大事にして生きたいのかに向き合い、そこから、自分にとってベストなお金との付き合い方を考えていきます。

コメント

お金まわりのことが整うと、想像以上に気持ちもスッキリしますし、将来を見越して前向きに進んでいけるようになります。この感覚は人生への満足感を上げ、自信にもつながります。今回の講座をきっかけに、漠然とした不安を解消し、自分らしいお金との付き合い方を見つけてもらえたら嬉しいです」

浜出理加さん

第４回「自分の価値を表現する~面接やプレゼンに備えて~」の講座を担当

株式会社グリーディー と一般社団法人1mm Innovation（ワンエムイノベーション）の２つの法人で代表を務める浜出理加さん。ピーチ・ジョンにて17年勤務後、東京と仙台の二拠点生活を経て、2017年5月株式会社グリーディーを設立。地方でも女性がクリエイティブに働く環境を目指し、アロマ製品の製造販売を手掛けています。

2020年には、女性のマネジメント経験を活かし、一般社団法人ワンエムイノベーションの運営をスタート。「女性のマインドを1ｍｍ変える」ことをテーマに、地方に住む女性の自立に向けたプログラムを展開しています。

コメント

「この講座を受けてすぐに大きく何かが変わるわけではないかもしれません。でも、少しだけ勇気を出して、プログラムに参加することも、実は、すごく大きなことだと思います。受講後は、自分が考えたものや感じたものを人に伝える工夫をしてみる、普段会わない人と会ってみる、いつもとは違うことを少しだけしてみる。1ｍｍだけでも行動を変えていったら、目標とする未来につながってくると思います。

普段は、忙しかったり、生活に追われたりして、目指してるところが見えなくなっている方こそ、プログラムに参加して、自分の軸を取り戻して欲しいと思います。こうした場に身を置いて、視野を広げると、人生の選択肢も広がります。心から応援しています！」

小泉しのぶさん

第7回「自分らしいリーダーシップ~自分らしくはたらく~」の講座を担当

NPO法人シングルマザーズシスターフッドの副代表理事の小泉しのぶさん。2020年にシングルマザーズシスターフッドのセルフケア講座にシングルマザーとして参加。その後、イベントやキャンペーン時に、参加スタッフの伴走的なサポートをするようになり、運営に加わるように。現在は、 グループリフレクションのメンター、エンパワメントプログラムやICTスキルを身に付けるための講師を務めています。

コメント

「皆一人ひとり輝ける力を持っています。私もシングルマザー支援の活動に参加する前は、1人で頑張ればいいという考えを強く持っていました。しかし、活動を通じて知り合ったシングルマザーの仲間がいたことで、頑張れたことが何度もありました。

このプログラムへの参加をきっかけに、支えてくれる仲間や、自分の悩みを打ち明けられる友人もきっとできるでしょう。自分の力や強みを見つけたい方、気軽に悩みを相談したり打ち明けたりできる仲間を作りたい方、ぜひ参加してみてください」

素敵な未来をつなげるために

多彩なメンバーが講師を務める「シングルマザーズ デジタル キャンプ」は、参加者の視野を広げ、ポテンシャルを引き出し、人生の質を高める、他にはない機会です。2023年5月～10月は、第1期のコースを予定しています。

今の自分を変えたいと願うだけではなく、変わることができると信じ行動することが、素敵な未来を切り拓きます。皆様の参加を是非、お待ちしております。