毛穴汚れを “ハント”せよ。酵素※１洗顔パウダーが主力のsuisai beauty clearがあえて今バームクレンジング市場に挑む理由とは？

新商品

カネボウの「suisai beauty clear（スイサイビューティクリア）」は、毛穴汚れ落ちの良い酵素※１洗顔パウダーを看板商品に有するブランド。そんなスイサイだからこそ、メイク汚れはもちろん、毛穴汚れもしっかりと落とせるバームクレンジングを世の中に届けたい、という想いから誕生したのが、2023年3月11日に発売される「スイサイ　ビューティクリア　メルティハンターバーム」です。すでに多くのバームクレンジングが市場にある今、毛穴汚れに強いブランド、suisaiから新しいバームクレンジングを世に送り出すに至った背景について、商品開発の田中さん、宮尾さんがご紹介します。

※１酵素（洗浄成分）配合

“毛穴汚れ対策に強いsuisai”から出すに相応しいバームクレンジングとは

カネボウの「suisai beauty clear（スイサイビューティクリア）」は、「スイサイ　ビューティクリア　パウダーウォッシュN」「スイサイ　ビューティクリア　ブラック　パウダーウォッシュ」「スイサイ　ビューティクリア　ゴールド　パウダーウォッシュ」と3種類の酵素※１洗顔パウダーをラインナップに持つブランドです。

毛穴汚れ落ちの良い酵素※１洗顔パウダーを有するブランドとして、同じく毛穴汚れ落ちの良いバームクレンジングは「以前から開発に挑戦したい存在だった」と田中さんは語ります。

「酵素※１洗顔料とバームクレンジングとを洗顔に使っている層が増えているという調査結果※２もあり、発売したいと。ただ、すでに多くのバームクレンジングがあるなか、他社商品と明確に違うsuisaiならではの特長を打ち出さなければならず、この検討にかなりの時間を要しました」（田中さん）

※２　B‐Hive BCP購入者バーム期間併売率2020年１月～６月と2022年１月～６月比較

バームクレンジングの“王道”イメージは、ジャー容器に入った少し固い触感のタイプです。現在は同じジャー容器タイプでも触感がやわらかな生キャラメルのようなタイプ、チューブタイプなど、すでに多様な種類が存在しています。どのようなバームクレンジングを開発するかを考えた田中さんの開発チーム。そして、最終的に選んだのは王道タイプに挑むことでした。

王道タイプでいくことを決める直前に開発担当者として加わったのが宮尾さんです。カネボウの別ブランドから異動してきたばかりの宮尾さんは、クレンジングの開発に携わるのは今回が初めて。「市場調査をし、勝負を挑む決断をした」といいます。

毛穴汚れ・ぬるつきを共に残さない。この2点の実現に苦労

毛穴汚れに強い酵素※1洗顔パウダーを有するブランドとして譲れなかったのは、汚れ落ちです。メイク汚れはもちろん、毛穴汚れもしっかりと落とせるバームクレンジングを目指しました。加えて、バームクレンジングならではの特長である崩れる感触も重視したい。宮尾さんは次のように語ります。

「バームクレンジングは、固形の状態から崩れて、オイル状にとろけるのが特長です。suisaiではオイルクレンジングとは違うバームらしさを十分に感じられる商品を目指したいと思いました」（宮尾さん）

メルティハンターバームでは段階的にとろけながら肌に密着することで、毛穴の汚れをしっかりと絡めとれるものを目指すことに。また、油性成分が肌に残ることで生じるぬるつき感を払拭し、すっきりした洗い上がりを実現することを目標にしました。

この「汚れを絡めとる」ことと「バームならではのとろける触感」との両立が難しかったと説明する宮尾さん。両者はトレードオフの関係であり、どちらかを優先すると片方が損なわれてしまうのだといいます。

この両立を実現させたのが、すすぎ後の後肌がすっきりする油剤を複数のワックス成分で固める処方でした。研究所から提案されたこの処方で、バームが段階的にオイル状に崩れていく使用感が叶いました。

「提案された処方もかなり完成度の高いものでしたが、ここからさらに『あともう少し洗い上がりのすっきり感を出したい』『肌に密着吸着する時間を作りたい』とこだわらせてもらいました。こちらの要望に対して研究所の担当の方にさらに調整を加えてもらっています」（田中さん）

「限られた時間の中で、研究担当者へ調整依頼、試作、調整依頼のサイクルを何度も繰り返していただきました」（宮尾さん）

感触という認識を揃えるのが難しい要素に対し、研究所とのやり取りはリモートがメイン。田中さん、宮尾さんはオフィスで顔を合わせられる状況にあったため、実際に手に取って試しながらイメージを共有し、研究所とのやり取りを進めていきました。

そうして、できあがった完成品を手に取った2人は、これまでに試した試作品とは違う厚みやとろけ方に高揚。田中さんに“バームマスター”と呼ばれるほどバームクレンジングの調査を続けてきた宮尾さんも「これまでの試作品とは全然違うものができたと思い、テンションが上がった」と振り返ります。

毎日使うものだからこそ、こだわりのデザイン・使い心地を

メルティハンターバームは、香りでも“すっきり感”を実現しました。今回、採用したのはフレッシュレモン＆ミュゲの香り。様々な香りを試した結果、清涼感のある香りを採用したのは、香りからも洗い上がりのすっきり感を味わってほしいという想いが理由です。

「今回採用したレモン系の香りのほか、ミント系の香りの2種類から検討しました。ミントのほうが合っているのではないかとも思ったのですが、実際に使ってみるとバームの油の感じとレモンの強くすっきりした香りとの相性が良かったんです。試してもらった人たちからも『使っていて香りを楽しめる』と好意的な声が多く、レモンに決定しました」（宮尾さん）

田中さんは、「今回はパッケージデザインにも苦戦した」と語ります。

「特に難航したのが外装です。打ち出したい『毛穴汚れをすっきり落とすこと』は伝える前提として、suisaiのイメージでもある白や水色から生まれる清潔感、清涼感、さわやかさ、洗練されたおしゃれな雰囲気も守るにはどのようなデザインが適しているのだろうと」（田中さん）

最終的に決まったデザインは、白を基調としたパッケージに酵素※１洗顔パウダー同様に「毛穴汚れまで」のピンクの六角のデザインを採用。ブランドとしての統一感があるデザインです。箱型ではなく、ジャー容器を包むスリーブ状にしたのは、店頭で手に取った際、サイドから容器が見える安心感が理由だったといいます。

ジャー容器はシンプルイズベスト。まっさらな感じを出すため、パールホワイトを採用。シンプルに商品名が印字され、バスルームにも違和感なく溶け込むデザインです。

もう1点、今回こだわったのは付属するスパチュラです。よくあるアイスクリームのスプーンのようなものではなく、ギターのピックのような形状のものを採用。わずかに波打っているデザインで、蓋の裏に付けやすく、使う際には取り外しやすいスパチュラです。

「しっかりしたバームなので、握りやすいスパチュラですくえるようにしたかったんです。

ですので、持ち手部分の面積を十分にとった形を採用しました。

また、蓋裏への収納、取り外しもスムーズにしたかった。クレンジングは毎日のことですから、小さなストレスも感じないようにしたかったんです」（宮尾さん）

バームクレンジングに挑戦したことがある人も、挑戦できていない人にも、ぜひメルティハンターバームを試してほしい

メルティハンターバームはメイクをしていない日のTゾーンケアとしても使えます。宮尾さんは新しい使い方として、パック使いを紹介してくれました。

「毛穴汚れが気になるとき、メルティハンターバームを肌に広げ、30秒ほどおいてから水またはぬるま湯を加え、乳化させてすすぎ流してください。バームクレンジングの使い方で、パック使いをされている方がいることを知りました。メルティハンターバームはパック使いも念頭に置いた上で、設計しています。毛穴汚れに悩んでいる方に、ぜひ試していただきたい使い方ですね」（宮尾さん）

「肌になじませた後も密着するように膜感を保てるメルティハンターバームなのでパック使いがしやすいといえます」（田中さん）

今後も毛穴汚れ悩みに寄り添える商品開発に取り組んでいきたいと語ってくれた2人。バームクレンジングに挑戦できていない人にも、ぜひメルティハンターバームを使ってもらいたいと熱く思いを寄せてくれました。

2020年に入社した宮尾さんにとっては、メルティハンターバームへの思い入れは特に強いものがあったのだそうです。

「コロナ禍を経てようやく安定して出社できるようになり、最初から最後まで携われたデビュー作といってもいいものだったんです。また、毛穴汚れ対策に重きを置いたsuisaiで、バームクレンジングを出すことは、社内外からも高く期待されていたと思いますし、毛穴汚れ洗浄イメージが強いバームクレンジング市場で商品を出すことは私たちの使命であり、失敗もできないと強い責任を感じました。メルティハンターバームをスタート地点とし、さらに頑張っていきたいと思っています」（宮尾さん）

スイサイ　ビューティクリア　パウダーウォッシュのラインナップが拡充したように、チャンスがあればメルティハンターバームのバージョン違いの開発にも挑戦したいと意気込む田中さん、宮尾さん。多くの人が悩みを抱える「毛穴汚れ」にアプローチする、次なる商品の誕生も楽しみです。