チョコレートな関係（株式会社イノベーションスイーツ）の宍戸俊彦が試行錯誤のうえ生み出した熟成ガトーショコラ。その濃厚な味わいととろける食感は多くの方に支持されてきました。 味が変わる熟成ガトーショコラはどのように誕生したのか。さらにその進化の過程と共に、「チョコレートな関係」の挑戦をご紹介します。

小麦粉「不使用」のガトーショコラに挑戦

最近は小麦粉不使用のガトーショコラが世の中に増えてきました。しかし少し前まではガトーショコラのほとんどには小麦粉が入っているのが当たり前で、小麦粉を使わないものはまずお目にかからないものでした。

宍戸俊彦は小麦粉を使ったパサついて固くなったガトーショコラがどうしても好きになれず、美味しいガトーショコラを追求し続けた結果たどり着いたのが毎日味が変化する『熟成ガトーショコラ』でした。

きっかけは当時勤務してた札幌の飲食店でのこと。

ある日パテシィエが退職され、急遽調理の自分がメニューにあるガトーショコラを作らなければいけない環境になりました。

しかし全く作った事がない。作り方もわからない。

どうしようと焦りながら恐る恐るレシピを聞こうとしたら

『わたし、宍戸さんの前で何100回も作ってましたよね？』とバッサリ切られまして・・・

当時の自分はお菓子作りに全く興味が無かったのではっきり言えば全く見てませんでした。

そんな中、パテシィエが最後の勤務日にワンホールだけガトーショコラを焼いてくれ、『これを食べて勉強してください』と言い去っていきました。

しかし当時の自分には食べても作れるようになるとは思えなかったため、そのワンホールはお客様に提供して自分でガトーショコラにトライすることに。

このときせっかくなら普通と違うものを作りたいと思い、小麦粉不使用ガトーショコラへの挑戦が始まりました。

フレンチシェフからのダメ出し。修行の末見つけた新しい自分

最初は札幌ではじめてフレンチを開いたシェフに評価してもらおうと試食をもっていったのですが、手でちぎって匂いを嗅いだだけで、

『〇〇が多くて、✖✖が足りない、こういう作り方だろ？こういう感じでやらなきゃダメだ。』と全く食べてないのに材料から製法まで当てられました。

その瞬間、驚愕と共に全身鳥肌と武者震いに。その会話の中でたくさんのヒントが散りばめられていたことに気づき、毎日シェフのもとに試食をお願いしに通い続け、10日目に合格をもらうことができたんです。

自分は器用貧乏でわりとなんでもすぐに作れるという自負がありましたが、このときに小麦粉不使用のガトーショコラを作ることの難しさを感じながらも。合格をもらった時に新しい自分を見た気がしました。

試行錯誤の末に完成したレアなガトーショコラ

そこから最初の５年間は温度計なしのオーブンで昔の人のようにオーブンに手を突っ込んで温度を確かめながら不安定ではあるが美味しいと言ってもらえるものを焼き上げていました。

その中で、たまたまレアに焼けたガトーショコラがお客さんに大絶賛され、たまにできるレアなガトーショコラがすごく美味しいとお客さんの中で評判になっていきました。

そこでレアな状態を安定して出すために試行錯誤し、今の元となるガトーショコラが完成しました。

天狗状態から一転、一念発起して更なるレシピ改良に取り組むきっかけ

そこからガトーショコラの可能性を広げようと考えサツマイモなどのあらゆる食材を何百種類と組み合わせることに挑戦し、何を組み合わせるとどんな味や食感になるのか研究していました。

そして、はちみつガトーショコラが女性のお客様に高評価をいただいて人気商品となっていた時のこと、美味しいとの声をたくさんいただいて正直ちょっと天狗になっていた時期でもありました。

ある日、常連の甘いものが苦手な男性のお客様がガトーショコラを注文してくれた時のこと。（普段はお酒しか飲まない方ですが、周りが注文してるから頼んでみたとのことでした。）

「美味しいけど甘すぎて全部食べられない。」と残して帰られました。

目の前でこれを言われたとき、最初は「苦手なら食べなければいいじゃないか、、）とマイナス思考で考えてましたが、

甘いのが苦手な人でも食べられるガトーショコラを作ったらより多くのお客様に喜んでもらえるのではないか！と一念発起し、レシピ改良に取り組むことにしました。

「チョコレートな関係」と熟成ガトーショコラ誕生の経緯

その頃に勤めていた飲食店での評判が良く、その会社でガトーショコラ専門店をだそう！となって始めたのが、『チョコレートな関係』の始まりでした。

チョコレートな関係をオープンしてすぐの頃、元のお店で常連だったお客様が来店してガトーショコラを頼まれたのですが、その時に製造して５日目の物しかありませんでした。普通のガトーショコラだと4.5日で味が落ちるのが常識で、そのときには提供するつもりはなかったのですが、それでも良いと言われたので出したんです。

そうするとまさかの一言、「今まで食べたガトーショコラで一番美味しい！」と。

衝撃的な事実でした。日数がたったことで味が落ちるどころか濃厚さが増して美味しくなっていたのです。

この日をきっかけにお店では5日目を売り文句にすることにしました。

数日後、今度は遠方から来られていたお客様がテイクアウトをしたいというので、5日目に食べるのがおすすめです。とお持ち帰りいただいたときのこと。

そのお客様が１か月後に再来店したときに「7日目が美味しくてやばかったよ！」と言われました。

（まさか、、？）と思いながらも7日目のものを試してみるとたしかに美味しさが増していたのです。それから7日目をおすすめで出していたのですが、ある日冷蔵庫に入れておいたガトーショコラをすっかり忘れて10日目に気づいたときのこと。

（さすがにダメだろ。）と思いながら食べてみると、今までに食べたことのない衝撃的な美味しさでした。

それから１日ごとの味の変化を食べ比べてみると毎日味が変化することを発見。

このとき『熟成ガトーショコラ』という商品が誕生した瞬間でした。

意外に相性が良い！中トロ寿司ガトーショコラの発見

ある日たまたまおつまみに置いていたいぶりがっこをなんとなくガトーショコラと一緒に食べてみたんです。

そうすると意外にも相性が良い！

そこで梅干し、エノキの乾燥したやつなど様々な食材を試して友人を呼んで試食してもらいました。

その時に一番インパクトがすごかったのが中トロ寿司ガトーショコラ。

中トロとガトーショコラの相性の良さに舌鼓を打ちました。見た目のインパクトだけでなく本当に美味しいんです。

東京チョコレートショーで2000個完売！

オープンして半年たったころ、お客様が東京チョコレートショー2015年（ラフォーレ）の関係者だったようでお誘いいただきました。

そのときにマフィンくらいの小サイズですがガトーショコラを2000個完売することができました。

しかしその後、会社都合で北海道のチョコレートな関係は閉店。

その後、札幌の有名な締めパフェ専門店パフェで商品開発を行いながらガトーショコラを提供していました。

料理とデザートという挑戦を続けるきっかけとなった、ベーコンパフェの開発

実はチョコレートな関係の頃に、札幌のグルメ雑誌の取材を受けたときにガトーショコラ以外に何か取材できるものはないか？と言われたことがあり、そこで始めたのがパフェでした。

その時普通のものでは面白くない、と思いベーコンパフェを開発。雑誌を見て多くの方に来店していただけました。そこで100日間のあいだ、毎日違う日替わりパフェをやっていたんです。

この経験が料理とデザートという挑戦をし続けるきっかけにもなりました。

当時締めパフェ専門店で作ったパフェがグルメ雑誌の表紙に選ばれ評価を受けるなどして、札幌で締めパフェ文化を作り上げた第一人者の一人として活躍できたのではないかと思います。

しかしこの時のお店ではオーブンの違いの関係でどうしても出したい味を出すことができませんでした。前の味を追求したいという想いからこの職場を退職することとなりました。

特別なガトーショコラを多くの人に届けたいという想いで、「チョコレートな関係」を復活

それから数年の間、ガトーショコラを探求し続けていました。

もっと多くの人に熟成ガトーショコラを知ってほしい。他では絶対に味わえないこの特別なガトーショコラを多くの人に届けたい。そして料理とデザートの可能性をもっと広げていきたい。

そんな想いから仙台の地で「チョコレートな関係」を復活させ、今年4年を迎えました。

最近は小麦粉不使用のガトーショコラも多く世の中に出てきていますが熟成ガトーショコラと同じようなものは無いと思っています。よく見る小麦粉不使用ガトーショコラは火が入りすぎてる分、中心がへこんでおり、食感や味わいに均一性がないことが多いです。

一方で、熟成ガトーショコラは均一性を重要視することで生まれる、統一感のあるとろける食感、そして熟成による変化を楽しんでもらうために注文が入ってから焼き上げています。

チョコレートな関係はガトーショコラと、料理とデザートの可能性をさらに探求をするためにフランスの有名パティスリー出身のパティシエを迎え、進化し続けています。

地元では遅くまでデザートが食べられるお店として、今までになかったお店のスタイルとして地域に定着しています。地元のお客様だけでなく、北海道時代のお客様からも通販でも売ってほしいとの声が多く通販サイトも開設し、仙台に工場を造り全国に商品をお届けできるようになりました。

さらには地元百貨店、仙台駅での出品をしており旅の手土産としてもご利用いただいています。

これからも料理とデザート、そしてガトーショコラの可能性を探求し続けるとともに、お客様に驚きと感動を与えられる商品を目指して精進していきたいと思います。

熟成ガトーショコラ

65%マイルド、75%ノワールの2種類を展開

カカオの配分比率を変えることで異なる味わいに。

■公式オンラインショップ

65％マイルド

https://chocolatenakankei.shop/view/item/000000000001

75％ノワール 接待の手土産セレクション2023入選

https://chocolatenakankei.shop/view/item/000000000002

店舗情報

■チョコレートな関係 本店

〒980ー0803

宮城県仙台市青葉区国分町1ー6ー3 古拙ビル１階

営業時間：11:00～23:00

Instagram：https://www.instagram.com/chocolatnakankei/

熟成ガトーショコラを始めとするスイーツや、宍戸のプロデュースする独創的な締めパフェや、ランチにはカフェ飯も提供しています。

■チョコレートな関係 cafe&cake

〒980-0811

仙台市青葉区一番町2丁目6-17 内ヶ崎ビル2階

営業時間　10:00〜18:00

Instagram：https://www.instagram.com/chocolatnakankei_cafeandcake/

スイーツ工場とカフェを併設した店舗。フランスで修業をしたパティシエの作る独創的なスイーツをテイクアウトとカフェで提供しています。

カフェではアフタヌーンティーやパンケーキをご用意しております。

■公式ホームページ

https://chocolatenakankei.jp/

■公式オンラインショップ

オンラインショップでは熟成ガトーショコラをはじめとするスイーツの数々を全国にお届けしています。

https://chocolatenakankei.shop/

宍戸俊彦

情熱のガトーショコラ職人としてガトーショコラを進化させ続ける。

独創的な世界観で小麦粉未使用のガトーショコラを100倍楽しむ方法を日々探求。

料理とデザートの可能性を探求する独創的なスイーツは唯一無二。

過去にはバーテンダーとしての顔も持ち、独創的な感性で作られるオリジナルカクテルが評価され2013年には電子書籍でカクテルレシピ本を発売。

宍戸の独創的な世界観を感じるために日本だけでなく海外からの来客も多い。