日本最大級のフォトウエディング・前撮りの口コミ情報サイト「Photorait（フォトレイト）」がリリースした新機能「スポット検索」の開発の裏側を、企画・開発を担当したメンバーに聞きました。

左から、

株式会社ウエディングパーク　Photorait本部　ディレクター／高橋 遊

Photoraitにてディレクターを担当。スポット検索では、開発ディレクターとして、開発ディレクションやクライアントからのデータベース収集などを担当。

株式会社ウエディングパーク　Photorait本部　エンジニア／日江井　風人

Photoraitにてエンジニアを担当。スポット検索では、開発エンジニアとして企画や開発に向けた仕様の設計から、開発業務全般を担当。

株式会社ウエディングパーク　Photorait本部　プロデューサー／松浦 歩美

Photoraitにてプロデューサーを担当。スポット検索では、企画や仕様から開発までのプロジェクト管理、クライアントや部署外メンバーなど、社内外の連携を担当。

カップルが、自分たちらしいフォトウエディングに出会う機会を提供したい

ーーまず、「Photorait」について教えてください。

松浦：「Photorait」は、日本最大級のフォトウエディング・結婚式前撮りのクチコミ情報サイトで、「フォトウエディングでブライダル業界をイノベーションし、日本の結婚写真の価値水準をあげる」という意義目標（最終的に成し遂げたい存在意義の目標）を掲げています。

コロナ禍で注目の集まったフォトウエディング。今後も、結婚式の代わりや結婚式の付帯サービスとしてではなく、主体的に選んでいただけるように、本質的な価値を伝えていこうと「ウエディングフォトの日」の制定やイベント、SNSでの発信などにも取り組んでいます。

ーー続いて、「スポット検索」がどんな機能か教えてください。

松浦：「スポット検索」は、ロケーションのカテゴリやスタジオの雰囲気から、カップルの求める撮影イメージにマッチした撮影場所やフォトスタジオに出会える検索機能です。

スタジオのある都道府県に縛られることなく、自由に撮影したいイメージからフォトスポットやフォトスタジオを探すことが可能になります。

▼プレスリリース

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000334.000019494.html

ーーどうして「スポット検索」をつくることになったのでしょうか？

松浦：「カップルのフォトスタジオ探しをもっと自由にしたい」という想いがきっかけです。

場所も雰囲気も自由に選べるフォトウエディングですが、実際の撮影は一部の人気スポットに集中していました。カップルには、「撮りたいイメージがあっても、どこで撮れるのかがわからない」という課題がありました。全国には素敵なスポットがたくさんあり、少し足を伸ばしてみたら、自分たちの理想にぴったりなスタジオやロケーションに出会えるかも知れません。

そこで、日本全国にある魅力的なスポットに出会える検索機能を開発することにしました。

世の中にないフォトウエディング撮影スポットのデータベースを作ることは、今後様々なサービスの展開にも繋がるのではないかという可能性も感じました。

他方で、“フォトウエディングで地域を活性化したい”という地方自治体のニーズや問い合わせも増えているため、全国の魅力的なスポットを紹介することで、社会貢献にも繋がるサービスにできるのではないかとも考えました。

地域活性化の第一弾として、熊本県人吉市でのフォトウエディングのプロモーションをお手伝いした際も、撮影モニター募集には当選倍率107倍という想像以上の大きな反響があり、今後関係人口の増加にもつながっていくのではないかと可能性を感じました。

▼旅するように巡るフォトウエディング【熊本県人吉市編】vol.1

https://www.photorait.net/special/370

今回の「スポット検索」は、自分たちらしく撮影したいカップル、事業所所在地に縛られずに集客をしたいフォトスタジオ、関係人口を増やしたいと考える地方自治体、それぞれにメリットがある開発になると考えました。Photoraitが掲げている「フォトウエディングでブライダル業界をイノベーションし、日本の結婚写真の価値水準をあげる」や、ウエディングパークの行動規範にある「日本を、もっと豊かに」の実現にも近づけるのではないかと感じました。

事業部のメンバーに伝えた時も、みんなが「この機能は絶対に欲しい！」「すごいことになりそう！」と、イノベーションへの期待にわくわくしたのを思い出します。

高橋：ウエディング業界は結婚式場やスタジオといった「施設」で探す意識があり、企画を聞いたときは、フォトウエディングの探し方の自由度も向上して、業界にも良い影響を与えられるんじゃないか、ユーザーからのニーズも高い検索機能になるんじゃないかという期待感がありました。

フォトスタジオとの「共創」で生まれる、「スポット検索」の魅力

ーー続いて、このアイデアを実現する開発でのお話を聞かせてください。

日江井：構想や企画の段階では「こうなったら素敵！」と思っていたものの、いざ仕様書や設計書に落とし込み動き出すと不安も出てきましたし、松浦さんや事業責任者の小林さんとも実現に向けてたくさん議論しました。

僕自身、既存の検索機能をなくして別の機能に置き換えるという経験はなかったので、開発が決定した時に改めて、すごいものをつくる実感が沸いたと同時に、「実現するんだ！」と覚悟を決めました。

開発を進める中で「スポット検索」機能開発への熱量が高まって、もっと時間が欲しい！もっと早く、もっと柔軟に、もっと良い技術スペックで、ひとつも妥協したくない！という想いが強くなっていきました。

楽しすぎて、寝る時の布団の中でまでずっと、「どんな風に開発しようか」とワクワクしていたくらいです（笑）。

例えば、“もっときれいなコードを書くにはどうしたらいいか”、“影響範囲が広いから、全ての開発にテストコード※1を導入してQAテスト※2の時間を楽にしたい”、“自分以外のエンジニアが触った時にもわかりやすく、バグが出にくいようにしたい”といったことをずっと考えていました。

（※1テストコード：開発したソースコードが想定通りに動くか試験するもの／※2QAテスト：開発が完成したものの品質を確認するもの）

ーー実現に向けての不安はありましたか？

日江井：「スポット検索」は、各地の撮影スポットをクライアントの皆さんが登録してくださることで初めて成り立つ機能です。自分たちが開発するだけでは完成しないので、「ちゃんと浸透するのだろうか」という不安がありました。

ーー浸透させるための工夫はありましたか？

日江井：営業メンバーとの連携はもちろんなのですが、「スポット検索」の機能追加にあたって、クライアント向け管理画面のシンプルな遷移や操作性にこだわった大幅なリニューアルを行いました。

機能の一つひとつに「本当に必要なのだろうか？」「本当に便利になるだろうか？」と自問や議論をしました。例えば、当初写真の削除を右クリックからも削除ボタンからもできる仕様を考えていたのですが、結果として迷わず操作できる削除ボタンのみを残しました。

高橋：今回の開発で、必要なものは残しつつ、テキストを減らしたり使用色を極力少なくしたりと、視覚的にもシンプルでわかりやすい管理画面になったと思います。

クライアントが写真を登録する「フォトギャラリー」の構造も、フォルダに格納していくイメージで、どのフォルダにどの写真を入れたか管理しやすくすることを目指しました。

ーークライアントからの反応はいかがでしたか？

高橋：営業メンバーを通してクライアントからの期待の声も多く届いています。サービスサイトの公開に先行してクライアント向け管理画面をリリースして撮影スポットを集めはじめたのですが、予想以上にたくさんのスポット登録申請が来ています。

リリースから約1か月で、現在申請いただき公開している撮影スポットは685箇所、ロケーションに紐づく写真は21,083枚、スタジオの雰囲気に紐づく写真も8,955枚にのぼっています。（2023年5月30日現在）

きっとクライアントにとって“自社の隠し玉”という場所もあったと思いますが、皆さんで一緒に業界を盛り上げていただけていると感じます。開発時の不安を吹き飛ばすほどに申請いただいて、本当にうれしいです。また、“管理画面の使い方がわからない”といった問い合わせが来ていないことも、UIやUXにこだわった結果だと感じています。

ーー最後に、カップルが活用する今後への期待を教えてください。

松浦：ちょうど新型コロナウイルスの分類も変わって人々の行動範囲も広がり、旅行の機運も高まっているので、コロナ禍で結婚のお祝いが出来ていなかったという方々にも、旅行とセットでフォトウエディングを楽しむなど活用していただければ嬉しいです。

高橋：「スポット検索」は、新しい視点でフォトスタジオとの出会いを実現できる検索機能です。「この場所で撮ってみたい」「こんな雰囲気で撮りたい」というワクワクした気持ちから探してフォトウエディングが実現したら、きっと撮影した方の満足度も高められるのではないかと期待しています。

日江井：ついに使ってもらえる！と感動しています。「スポット検索」を使うことで、写真やフォトウエディングとの出会い方が今までと変わってくると思います。自分の知らなかった場所や写真に出会えることで、新しい体験につながってくれたら嬉しいです。