ピープル株式会社は、2023年4月13日に新しい形の株主総会をスタートしました。株主の方がお子様やお孫様と一緒に入場でき、会場には子ども達が自由に過ごせるスペースも設けられているという初めての試みです。

これまでも株主総会へお子様が入場することは可能でしたが、ピープルらしさを体現し、参加する株主の方にも実感してもらえる余地が多くありました。そこで、第46回定時株主総会からは、子どものプレイスペースやおむつ替え・授乳スペースを用意し、株主様とお子様が自然に会場にいられる場づくりを行いました。

「子どもの好奇心がはじける瞬間をつくりたい！」というパーパスを策定してからおよそ１年。社内のあらゆる行動に反映されるほど浸透し、今回の挑戦もそこに基づいて話す中で自然と決まった取り組みの１つでした。今回はあくまで第一歩目。今後もパーパスの体現を目指して作っていく、子どもまんなか株主総会を実現するまでの軌跡を本ストーリーでは伝えます。

（左から、実現を推進した広報担当の森本裕子と、代表の桐渕真人。2人からお話します。）

パーパス「子どもの好奇心がはじける瞬間をつくりたい！」に込めた思い

2022年４月、ピープルは創業から初めてパーパスを策定しました。その背景には、1982年の玩具創業から「子どもを観察し、商品開発すること」が好きであり、楽しみ、継続したいと考えているメンバーが多かったことが起点になっています。

例えば、ピープルでは、5営業日のうち3〜4日は社内のモニタールームに子どもたちがいます。モニタールームは会議室の隣にあり、真剣な会議が行われている中で「ギャー」と子どもの声が聞こえることが日常的にありますが、その子ども達の声に嫌悪感を示す従業員はいません。なぜなら、子どもが普段から過ごす中で生まれる興味・関心こそが、商品のアイデアにつながると全従業員が考えているからです。

ピープルでは、赤ちゃんや小さい子どもが本能的に意図せず行なっている事を、いたずらや悪意ではなく好奇心と定義しています。子ども達が持つ「これをしたい」という欲望は、その子の成長にとって次のステップに進むための必要なものだと信じています。そのため、そんな大切な好奇心を制限せず自由に発揮してもらおうと考える中で、「子どもの好奇心がはじける瞬間をつくりたい！」と策定するに至りました。

好奇心にフォーカスした行動は、商品開発に限ったものではありません。社内におけるさまざまな判断の場面で「それは子どもの好奇心を解放できるのか」といった話し合いがもたれています。社内にパーパスが浸透したことで、働き方など企業活動全般のあり方も見直されていきました。

子どもが会場にいるのは自然なこと。株主総会を、更にパーパスが体現された場所へ

パーパス策定後、初めての開催となる「第46回定時株主総会」。当日は多くのお子様連れの株主様が集まり、大人が会話している空間と同じ場所で子どもが遊んでいるなど、一般的な株主総会とは異なる様子でしたが、非常に温かい雰囲気となりました。

この取り組みは、開催に向けた執行役の会議で、森本が「株主総会に子どもたちを入場させる」というアイデアをだしたところから始まりました。

「以前、ベビーカーを押して株主総会に参加していた株主様がいらっしゃって、会場で少しお話しをしました。その際、お子様に当社のおもちゃを渡したところ楽しそうに遊んでくださって。その様子を見た株主様も『こんなおもちゃを作っているんですね』と喜んでくださいました。」（森本）

ピープルのおもちゃが子どもの手に渡ることで、「好奇心がはじける瞬間」が当時の株主総会でも生まれていたのです。このようなシーンを作っていくことが企業活動の根幹となるパーパスであり、それを少しでも多くの方に、身近に体感できる場を作れないかと前々から考えてきました。

そのような経緯もあり、株主総会に子どもを入場させるアイデアは自然に出てきたと森本は振り返ります。また、株主様がピープルの商品すべてを知っているとは限りません。日頃から支えてくださっている方々だからこそ、どれだけ子どもの好奇心をはじけさせる商品があるのか、またその魅力も伝えたいと思ったのです。

このアイデアは、全メンバーから滞ることなく受け入れられました。会社として体現していきたい理想像に基づいて考えれば、株主総会を子どもと共に実施することは至って自然なことだったのです。

パーパスをどれだけ実現できているのか口で話すよりも、実際に子どもたちが商品で遊んでいる姿を目で見てもらうほうが株主様に伝わりやすいのではないか。特にお子様がいない株主様は、子どもと触れ合う機会が少ないことも考えられるため、子どもを取り巻く環境を伝えられるかもしれない。さまざまな視点から見ても価値があると考え、新しい株主総会への取り組みはスタートしました。

お子様と一緒に参加でき、好奇心が受け入れられる場所へ。「子どもまんなか株主総会」実施の裏側。

当日は、55名の株主様に対して、約5分の1にあたる12組がお子様連れで参加。総会が中断することもなく、質問時には取り組みへの温かいコメントが多く寄せられるなど、新しい形として第1回は良い形で迎えることができました。

（当日の様子。議論が行われる空間と同じ場所で子ども達も楽しく過ごしました。）

株主様のお子様やお孫様が安心して参加でき、ピープルらしさが最大限発揮できる「子どもまんなか株主総会」を目指すべく、以下の取り組みを行っています。

• 会場内にキッズプレイコーナーを設ける
• 別室におむつ替え・授乳スペースを用意する
• ご要望に応じてピープルのスタッフが託児を行う
• 会場内にベビーカーを持ち込めるようにする

中でも、実施にあたって「子どもと同じ会場にいられる」という点は特にこだわりました。これまで株主総会の会場とは別に託児スペースを設けるケースはありましたが、お子様と同じ会場にいられる株主総会は先例がありません。その背景には、子どもが走り回ったり、泣いてしまったりしたら株主総会が中断されるというマイナスの要素が考えられるためでした。

しかし、普段から子どもと向き合い続けているピープルとして、「大人の都合」がアイデアを形にしない理由とすることは受け入れ難い部分があったのです。

「どんな場所でも、子どもがいれば騒いで当たり前。株主総会だからといって、子どもが泣いちゃっても親が謝る必要はないし、周りの人も自然なことだと受け入れられる、そんな株主総会があってもいいんじゃないかと考えています。株主総会に子どもを参加させると決まったとき、じゃあ騒いだらどうするのかという意見もありましたが、僕はあえて静かにさせるような対処はせず、ポジティブな声掛けによって、会場全体が自然とそれを受け入れられるような雰囲気をつくりたいと思いました。」（桐渕）

（会の冒頭、今回の趣旨を伝える桐渕。株主の方からは、拍手と共に受け入れていただきスタート。）

そうして迎えた株主総会当日。子どもが泣いてしまう、遊んでいる声が響くことも度々ありましたが、議長である桐渕も場当たり的な対策ではなく、普段から子どもと接するプロとしての柔軟な対応で問題無く進行されました。

さらに、総会中はプレイスペースで遊んでいた子ども達も「大人の都合」は気にすることなく、好奇心の赴くまま楽しさを爆発させていたのです。生後8カ月から4歳までという幅広い層の子ども達が集まり、初めて出会う子ども同士が交流し、友達ができたというお子様もいらっしゃいました。

（プレイスペースでは、ピープル社員が見守り、安心して株主総会へ集中することもできました。）

良い変化があったのは、子どもだけではありません。今までお子様がいることが理由で参加が難しかった方も、今回からは同じ条件で歓迎されたことにより、安心して参加ができたという声も届きました。

また、株主として重要な場に参加できるだけではなく、自分たちの投資先が手掛ける商品が実際に使われてる状況を間近で見れる新鮮さ。親の視点でも、普段は見ない子どもの様子が見れたりと、新たな発見やポジティブな反響が多く生まれる場となりました。

好奇心はやがて個性になり、素晴らしいアイデアを生み出す

今回の子どもと一緒に参加できる株主総会は、大人だけが参加する場所という株主総会のイメージを変えたくて取り組んでいるわけではありません。「子どもの好奇心がはじける瞬間をつくりたい！」。ピープルのパーパスに向き合い続ける中で、商品開発や働き方だけでない別の新しい形でパーパスが自然と体現されました。

子どもたちが好奇心に従い、自分の価値観を信じて成長することができれば、その人にしかない個性になる。大事に育てた個性は、のちに素晴らしいアイデアを生み出す武器になると信じています。

子どもたちの好奇心がはじける瞬間を作ることは、ピープルの創業時から多くのメンバーが共通して目指してきた目標でした。その積み重ねが子ども達の未来を明るくし、いずれは日本にイノベーションをもたらす可能性すら秘めています。

そんな思いが、初めての試みである「子どもまんなか株主総会」を成功させるまでにピープルのメンバーを動かしました。株主総会でもパーパスが体現され、多くの方に実感していただくことができた。そんな自信を元に、今後の株主総会も更に良いものへとチャレンジを続けていきます。

そして、これからも子ども達の明るい未来を目指し、ピープルはパーパスに根付いた行動を重ねていきます。

公式ホームページ：https://www.people-kk.co.jp/

コーポレート広報チームnote発信中：https://note.com/people_pr/