「GUITARの東大」をはじめ、「ドラム義塾」「ベース義塾」「鍵盤技塾」「ヴォーカル技塾」「作編曲技塾」「レコーディング技塾」など、ポピュラー音楽を学ぶ為の様々な学科を運営する株式会社アダチ音研は、2003年の創業以来、「日本一のポピュラー音楽教育機関」を目指し、追及してきました。そのために必要な、レッスン内容、カリキュラム、教材・資料、インストラクターの人材育成、環境・設備に至るまで、受講生の上達、向上を第一に運営しています。

このストーリーでは、創業からの事業成長を振り返りながら、音楽教育に対するこだわりと、今後の展望についてご紹介します。

（※株式会社アダチ音研・代表取締役 安達 武）

父親の一言から誕生した「GUITARの東大」

株式会社アダチ音研が創業する3年前、2000年に、現代表取締役社長・安達武は、自身がアメリカボストンのバークリー音楽大学への留学で学んだバークリーメソッドを元に、ギターの演奏技術とポピュラー音楽には必要不可欠な音楽理論を教える「安達武ギター教室」を自宅の一室ではじめました。

新聞折り込み、近所へのポスティングなど、あらゆる宣伝をしましたが一向に生徒が集まりませんでした。

2003年、父親の「日本の大学のトップは“東大“だ。ギターを教えるトップならば”ギターの東大”だろう」という唐突なアイデアから、後の株式会社アダチ音研の筆頭学科である「GUITARの東大」が誕生したのです。

「GUITARの東大」という、一見冗談のような、それでいて芯を突いたネーミングが功を奏し、駅からバスに乗らなくては到着しない丘の上という立地にも関わらず、わずか一年で受講生数が50人にまで膨れ上がりました。

創業当初から掲げる「GUITARの東大」のポリシー

「GUITARの東大」のポリシーは、創業当初から掲げる文言に集約されています。

「どなたでも歓迎、誰でもすぐ弾けるようになります」私はこの手のお手軽ギター教室、学校、レッスンが嫌いである。

ギターは難しい！ちょっとシャレで触ったくらいでは絶対に弾けるようにならない！一生懸命がんばった証として一つの音楽の断片が弾けるようになるから楽しいのであり、意味がある！

音楽のために努力した者だけが初めてその向こうの「喜怒哀楽を感じる自分の音楽」と出会うことが許され、本当のギターが弾けるようになるのだと思う。

その志ある者には「年齢、性別」「器用、不器用」「上手、下手」など一切関係なく全てを受け入れ、私が培った最高と自負するノウハウにかけて絶対に裏切らず、共に歩み、そして教えていく！

これがGUITARの東大の精神である！

この文言は、代表・安達が当時抱いていた葛藤や疑問をそのまま文章にしただけで、これ自体は瞬間的に思いついたものでしたが、当時としては斬新で、またどこの教育機関もここまで言い切る風潮もなかったのです。

このポリシーは、GUITARの東大が日本で唯一無二の存在であった所以であり、現在、株式会社アダチ音研が運営する全ての学科においても共通した理念となっています。

（※GUITARの東大の理念が掲げられている2003年当時のチラシ）

受講生の上達を第一に考えて提供する「3つのこだわり」

「GUITARの東大」のレッスンへのこだわりは、「受講生の向上・上達を第一に考え、そのために必要なものを全て提供する」というものです。

法人化した現在もこの「こだわり」のもとに全学科の運営を行っています。

こだわり①：一対一（マンツーマン）で行うレッスン

学校などの1クラス30名、少人数制であっても複数の生徒に対するレッスンは、一人ひとりのニーズに応えることはできません。確実な習得・向上を目指すためには、一対一（マンツーマン）レッスンしかありえないのです。

こだわり②：レッスン時間は60分・月／2回がベストサイクル

前回の復習・確認、新たな課題の着手などの工程を踏まえると、1回のレッスン時間は60分がベストです。また、レッスン毎の間隔は隔週（月／2回）がベスト。毎週では次回までの課題を熟考する時間が取れず、月／1回では次回までの期間が長すぎてしまうのです。

こだわり③：教材・資料は自社開発のオリジナル

株式会社アダチ音研が提供するレッスンでは、市販の教則本を使いません。全学科、オリジナルの教材を開発・作成し使用しています。基本となる教材は勿論、受講生に合わせた教材や、インストラクターがレッスン内容と共に開発した新たな教材を含め、膨大な数の教材・資料を保有。現在も増え続けています。

この他にも、「年中無休・フリータイムレッスン制」で受講生の都合に合わせたレッスン日時調整や、「スタジオの無料貸し出し」など、徹底した受講生第一主義を貫いています。

（※一対一・マンツーマンレッスンの様子）

プロインストラクターのプライドを持って音楽を生業に生きることを目指す企業

これまでの音楽業界では、「レッスン業は演奏業よりも劣る」という認識が強くありました。その結果、レッスンの予定だった日に演奏の仕事が入れば、先生はそちらを優先し、レッスンを振替えたり、代講レッスンをすることが当然とされていました。

弊社は、その悪しき慣習を完全否定し、プロミュージシャンであると同時に、プロインストラクターであるというプライドを持って「音楽を生業として生きてくこと」を目指す企業です。良い演奏をする為に何をするか？を考えることと同様に、良いレッスンをする為に何が必要で何をするべきかを常に考え実行しています。

残念ながら、未だにその悪しき慣習を引きずる傾向が強い音楽業界の体質を変えていくことも、弊社の役割の一つだと考えています。

志を同じくするインストラクターが集結！運営への意思統一こそ良いレッスンを生む

一年後の2004年、受講生の増加と共に、安達に加え、同じバークリー音楽大学を卒業した後輩2名がインストラクターとして加わり、レッスン場所も現在のアダチ音研ビルに移転して、3名体制でのGUITARの東大がスタートします。

現在のアダチ音研ビルは、移転当初、代表・安達の自宅兼レッスンスタジオとして使用していました。3階建ての建物の1階部分を、レコーディングブースとコントロールルームに改築。完全防音のスタジオに改築したおかげで、ギター以外にも、ベースやドラムなどの演奏も可能となったため、バークリー音楽大学から帰国後に知り合ったミュージシャン仲間に声をかけ、ベース学科、ドラム学科を開講します。

その頃になると、ギターの受講生は更に増え、ギターインストラクターは3人でも足らず、更に2名が加わり、全学科総勢7名での運営がはじまります。毎月、定例会議を設け、レッスンの情報共有や教材開発、広告宣伝などの運営について議論し、意思統一を図っていきました。

株式会社アダチ音研設立。経営陣もミュージシャンという新しい音楽ビジネスモデル

2008年、「GUITARの東大」を法人化し、「株式会社アダチ音研」が誕生します。

音楽ビジネスで常に起こる事象は、経営陣とミュージシャンの対立です。どんな形態の音楽ビジネスであれ、「音楽が分からない経営陣」と「経営の分からないミュージシャン」という対立軸で、経営陣は音楽の基礎が分かっていない、ミュージシャンは経営の基礎が分かっていないという基礎的な根本問題を抱えているからです。

そんな音楽ビジネスにおける問題の解決案は二つしかありません。「経営陣がミュージシャンになるか」「ミュージシャンが経営陣になるか」だけです。

株式会社アダチ音研は、代表の安達を含め、スタッフ、インストラクター全員がミュージシャンです。これは音楽ビジネスにおける全く新しい形のモデルなのです。

（※全学科合同インストラクター会議・当時の様子）

「ビジネスができるミュージシャンを目指す。」の社訓を体現する組織運営

株式会社アダチ音研の社訓は、「ビジネスができるミュージシャンを目指す。」というものです。代表・安達はその社訓のとおり、スタッフ・インストラクターへ次々と権限を委譲していきます。

ただ楽器の演奏ができる、レッスンができるだけではビジネスとして成立しません。そのことを理解し、学習し、成長していくことをモットーに、「実技教務」は勿論、「接遇教務」「宣伝業務」「イベント運営業務」など、レッスン以外の業務に責任者を配置し、組織運営を行っています。

法人化以降、新たに「ヴォーカル学科」「レコーディング学科」「ピアノ・キーボード学科」を開設し、全7学科になったことで、これまで行ってきた定例会議も、各学科に責任者を配置した「分科会」へ改変。それぞれの学科に特化した議論を展開することで、より質の高いレッスンの提供へとつなげていきました。

スタジオは拡大し、音楽関係者との交流も広がる

全７学科を運営していく中で、アダチ音研本館ビル内の部屋を次々と防音スタジオへと改装。最終的に全９部屋のスタジオビルへと変貌を遂げます。おかげで自宅として居住していた代表・安達は近所のマンションへ引っ越しを余儀なくされました。

（※アダチ音研・本館ビル外観）

更に増え続ける受講生数に本館のスタジオ数でも追い付かなくなり、2017年、アダチ音研本館ビルから徒歩1分の場所に、アダチ音研2号館をオープンしました。２号館には、ギターレッスンスタジオが2室、ピアノレッスンスタジオが2室の合計4つの完全防音スタジオを完備。本館と合わせて、13室の防音スタジオを保有することになりました。

2018年10月、アダチ音研法人化10周年の節目に、関係者を招いたパーティーを開催。ミッキー吉野（ゴダイゴ・作編曲家）、是方博邦（ギタリスト）、など、著名アーティスト、ミュージシャンのほか、弊社にゆかりのある方々総勢100名にお集まりいただきました。

（※アダチ音研法人化10周年パーティーにて全インストラクターの紹介・挨拶の様子）

コロナ禍で生まれた、受講生ごとの専用レッスン動画商材

2020年、突如訪れた新型コロナウイルスの影響により、例にもれず弊社でも1カ月間の休業を余儀なくされました。ライブやコンサートなどエンターテインメントだけでなく、教育の分野も含めて音楽業界全体が大きな打撃を受けました。

そんな中でも、アダチ音研としての「こだわり」を忘れず、その信念の元に、巷のオンラインレッスンとは一線を画す全く新しいオンラインレッスンのシステムを開発しました。

アダチ音研が開発したオンラインレッスン「オンラインRX」は、通常のオンラインレッスンとは異なり、オンラインビデオ通話を使って受講生の現状やご要望を確認したうえで、それを元にその受講生専用のレッスン動画を作成し提供するというものです。

コロナ禍において外出ができない方や、遠方にお住まいでレッスンに通う事が困難な方々に広くご利用いただき、現在でも継続して受講いただく人気の商材となりました。

時代と共に進化する音楽教育企業を目指して

時代と共に、音楽の在り方と聴き方を含めた環境の変化に伴い、楽器を演奏する、歌をうたう、音楽をつくる、といったニーズや状況も変化し続けています。その中において、音楽教育というものがどのような効果を提供できるのか？私たちも時代と共に常に進化し続けなければならないことを常々痛感しています。

昨今は大手音楽教室以外にも、新たな音楽教室や個人指導者も生まれる中で、弊社はその先頭に立ち、常に進化の最先端を邁進できるよう、努めてまいる所存です。

地域に根ざした企業であるためにボランティア活動も実施

株式会社アダチ音研では、2022年から、地元神奈川県横浜市を中心に「地域貢献活動」として、様々なボランティア活動を実施しています。

これからは、自社スタジオでのレッスン事業に留まらず、弊社の事業が求められる場所に出向いて、様々な方々と交流しつながりを持つことが、新しい未来の発展に貢献することができると考えております。微力ながら、少しでも地域のお役に立てるよう、活動を継続していきます。

（※地域貢献活動として小学校で行ったボランティアの様子）

「音楽は人の手により生まれる」という視点を忘れずに、音楽の本質を伝え続けていきたい

弊社は、これまで培ってきた音楽教育ノウハウを基に、「受講生の向上・上達」を第一に、常に質の良いレッスンを提供できるよう、全学科で連携をとりながら、受講生のニーズに応えられるよう邁進してまいりました。インストラクターの質、人間教育にも注力し、マナー、接遇にいたるまで徹底した指導に取り組み、何処にも、誰にも真似のできないレッスンの提供を目指しております。

音楽は人が生み出し、人が奏でる、人と人とのコミュニケーションから生まれるものです。人工知能やデジタル化が進む音楽業界の中でも、音楽の本質を伝え続けていく所存です。

株式会社アダチ音研では、エレキギター、アコースティックギターをはじめ、ドラム、ピアノ・キーボード、ベース、ヴォーカル、作曲・編曲、レコーディング・DTMなど、ポピュラー音楽に関わるレッスンを、ジュニアからシニア世代まであらゆる世代の方々に提供しています。

また、全学科ともに無料体験レッスンを年中無休で随時受付・実施。ポピュラー音楽の楽しさを身近に感じてもらえるよう日々努めております。