お茶の製造・販売を行う株式会社宇治田原製茶場(所在地：京都府綴喜郡宇治田原町、代表：安井 徳重)より、2022年1月に誕生した「京玄米茶 上ル入ル」。“玄米茶の原点”をコンセプトに開発した新しいお茶です。

プロジェクト発足から1年の歳月をかけて開発し、新発売から少しづつ認知を拡大。2022年9月からは京都タワーサンドに半年間出店し、12月からは蔦屋書店などの東京一部店舗で取り扱いが開始、2023年4月には大阪天満橋のさくらマルシェに参加するなど各地で人気を博すまでになりました。今回はそんな「京玄米茶 上ル入ル」の一体どんな部分が好まれているのか、他の玄米茶と比べて新しい部分、お客様と接する上で感じた生のお声や、思ったよりココがウケた！と思う部分などをお伝えいたします。

炒り餅をブレンドし、玄米茶の原点を再現

「京玄米茶 上ル入ル」が他の玄米茶と比べて“新しい”部分はなんといっても炒り餅をブレンドしているところです。一般的には炒り米をブレンドしている玄米茶が多いのですが、そもそも玄米茶のルーツを紐解くと、炒り米ではなく、炒り餅であったといわれています。昭和初期、京都のある茶商が鏡開きで割った鏡餅のかけらを見て「なんとかうまく使えないものか」と知恵を絞り、それを炒ってお茶に混ぜたことが原点なのだそうです(諸説あり)。さらに、炒り餅は炒り米よりも大きい分、お湯を注いだ際の香りのインパクトが強く、炒り米にはない香ばしさを楽しめます。玄米茶の原点を再現するためだけではなく、おいしさの実現のためにも炒り餅ブレンドにこだわる必要があったのです。またデザインと商品名にも“新しい”要素を持たせています。お茶のパッケージといえば、茶畑や湯呑が描かれていて、商品名は〇〇茶......という既成概念に縛られず、ブランドの成り立ちやメッセージを伝えるためには、どういうデザインや商品名が相応しいか? を追究しました。その結果、京都独特の住所表記である”上ル入ル”をヒントにした「京玄米茶 上ル入ル」という商品名と、デザイン(矢印と碁盤の目)に行き着きました。このように玄米茶のルーツである“京都”をコンセプトに、お茶の常識に囚われない新しいブランドが生まれたのです。

一般的なお茶とは一線を画するデザインが高評価

京都タワーサンドに期間限定出店していた際には、たくさんのお客様にご来店をいただきました。その中でも大勢の方にご注目いただけたのが、「京玄米茶 上ル入ル」のデザインです。 パッケージはもちろん、店舗の外観や試飲のトレーを見て、「おしゃれ！」と言ってもらえることも多々ありました。 そして茶葉を見せると、「これ何?」と、炒り餅の見た目に興味をひかれている方が多く、試飲提供をすると、「おせんべいみたいな香りだね!」と、炒り餅の香ばしさに感動してもらえることもしばしば。 炒り餅入の茶葉を見て、お菓子と思う方もいらっしゃり、「お茶です」と説明すると「なんと!」と驚かれることもあれば、「お茶か......」と残念がられることも。良くも悪くも一般的なお茶のイメージとはすこし異なる印象だったのかもしれません。また“京都発祥”や “宇治茶”のキーワードが好反応で、あらためて“京都”への関心の高さを感じました。 一方、外国の方へは説明が思った以上に難しかったです。ブランドストーリー等商品の成り立ちや商品の情報量が多く複雑であり、すべてを伝えるには販売スタッフの語学力が不足していました。今回のことを生かし、簡単に商品特性を説明できるようなキーワードづくりなど、海外の方向けの対応は今後の課題になったと考えています。

もの珍しいほうじ茶の玄米茶

お客様の反応を拝見して、意外に感じた点は、ほうじ茶の玄米茶そのものに珍しさを感じてもらえたことです。「京玄米茶 上ル入ル」で展開する2種類のお茶、東(煎茶ベースの玄米茶)、西(ほうじ茶ベースの玄米茶)を試飲提供すると、ほうじ茶ベースの玄米茶である西のほうがやや人気でした(6:4 くらい)。西は碾茶(抹茶の原料)の茎だけを厳選しており、通常のほうじ茶とは異なる甘さや香ばしさを感じられるところが、高評価の要因かなと考えています。玄米茶ファンが想像以上に多く、「いつも飲んでいる玄米茶と違うね、 日本茶専門店はあるけれど、玄米茶専門店は珍しいね」という声もいただきました。また驚いたのは、一般的にお茶をよく飲まれる世代(70 代以上)以外にも、30~40 代の方や、ときには 10 代の修学旅行生にも手に取ってもらえたことです。「お茶って、 若い人にも興味をもってもらえるんだ! 」と実感しました。「ペットボトルのお茶以外触れる機会が少ないのでは？」という私たちの勝手な思い込みを覆す好反応でした。京都タワーサンドという場所柄、おみやげものとして手に取る方が多かった中、地元の方も足を運ばれる機会があり、京都の方にも評価してもらえたことも励みになりました。

発展途上の「京玄米茶 上ル入ル」これからに向けて

今後、「京玄米茶 上ル入ル」を発展させるために色々な仕掛けを準備しています。例えば、季節限定商品(春のさくら、夏の水出し茶、秋のもみじ、冬の大福茶など)の開発です。季節に合わせて「京玄米茶 上ル入ル」 をより多くの方に楽しんでいただければと思っております。また違った視点では、幅広いニーズにお応えできるようオーガニックにこだわったアイテムも検討中です。その他、志を共にできるメーカーさんとのコラボ商品も前向きに考えていきたいので、もし興味を持たれたメーカーさんがいらっしゃいましたらご連絡いただければ幸いです。現在は京都タワーサンド店が終了し、直営店は構えていませんが、卸販売に力を入れ始めました。「京玄米茶 上ル入ル」のブランドに共感してもらえる小売店さんとつながり、玄米茶の原点というストーリー、そしてお茶のおいしさを全国に届けていきたいと思っています。公式オンラインショップでも購入できるので遠方の方はぜひ活用ください。「京玄米茶 上ル入ル」は生まれて1年程度のブランドであり、まだまだ知名度が低い状態です。もっと存在を知ってもらえるよう、積極的にメディアに出たり、SNSを活用したりしなくてはなりません。このPR TIMES STORYで語った内容以上に、まだまだ伝え切れていない情報や、想いがあります。今後はHPを改良して、ヒストリー、企業理念を盛り込むなど、より想いを伝えられるよう改良を重ねていきたいと考えています。