愛知県に本社を置き、『マジカルチョコリング』で知られる「Heart Bread ANTIQUE(ハートブレッドアンティーク)」や『なめらかプリン』の「Pastel(パステル)」などのベーカリーやパティスリーを全国で運営する株式会社オールハーツ・カンパニー。かわいくて魅力満載の商品画像を掲載するプレスリリースをはじめ、メディアの心をつかむ広報PR活動に注目が集まっています。
本記事では、広報やSNS、アプリ運営などを担うセールスマーケティング室に所属の加藤友記さんと加藤美衣奈さんのお二人に、広報PR活動のポイントやメディアフックを意識したPR術などを伺いました。
株式会社オールハーツ・カンパニー(愛知県名古屋市):最新のプレスリリースはこちら
株式会社オールハーツ・カンパニー マーケティング本部
愛知県出身。大学ではグラフィックデザインを専攻。卒業後は新卒で株式会社オールハーツ・カンパニーに入社。入社当初はデザイン課で販促物の作成を担当し、現在はセールスマーケティング室において広報を担当する。プレスリリースの作成や配信、取材対応、メディアリレーションなどを務め、PRや販促物に使用する商品撮影も担う。
株式会社オールハーツ・カンパニー マーケティング本部
愛知県出身。大学では、商学部でマーケティングを専攻。卒業後は、株式会社オールハーツ・カンパニーに新卒で入社し現在3年目となる。セールスマーケティング室に所属し、ホームページや各SNS、Googleビジネスプロフィール、自社アプリの運営を担当。PRや販促物に使用する商品撮影も担う。
「おうちシーン」を届けて、ループをつくる
──本日はよろしくお願いします。早速ですが、貴社の広報体制を教えていただけますでしょうか。
加藤友記さん(以下敬称略):私たちは、セールスマーケティング室に所属しています。私は主にプレスリリースを書いたり、メディアの方からの取材対応をしたり、本日同席している美衣奈さんを含めた2名がSNSやホームページ、アプリの運営をしています。
加藤美衣奈さん(以下敬称略):よろしくお願いします。
加藤友記:もともと、広報PR活動を行う専任はいなかったのですが、『ねこねこ食パン』が2019年に生まれ、その後中部から関東、関西と全国に店舗数を拡大。広報体制を整えて対応していかなければならないと、動き始めたのを覚えています。
同じくらいのタイミングでコロナ禍になり、「おうち時間」を楽しむことが加速したことも重なり、『ねこねこ食パン』の検索数が急上昇。メディアの方からのお問い合わせが増えたことも大きなきっかけでした。
──『ねこねこ食パン』のメディア掲載をとても目にしました。話題づくりに向け、どのようなことを大切にしてきたのでしょうか。
加藤友記:私たちが運営しているさまざまなベーカリーブランド、パティスリーブランドの商品たちをより多くのお客さまに知っていただくことがセールスマーケティングのミッションのひとつだと思っています。
日々、商品たちの情報発信では「おうちシーン」をお届けすることを大切にしているんです。例えば、『ねこねこ食パン』は、そのままで食べていただいてもすごくおいしいですが、おうちでより楽しんでもらいたくて、新しい体験となるよう、アレンジ方法も提案しています。
商品を知って、試していただいた方々からまた世の中に発信される。そして新たな方に知ってもらい、試してもらう機会を得るように、ループを回していきたいな、と思っています。
自分の「おいしい」「かわいい」が一番のポイント
──巻き込みながらどんどんその輪が大きくなっていくイメージ、すごく想像できました。美衣奈さんはどのようなことを大切にしていますか。
加藤美衣奈:私たちの部署で商品のイメージ画像の撮影をしているのですが、「シズル感」は常に意識しています。
あと、自分自身の心が動くかどうか。「かわいい」「おいしそう」と感じたものは、やはり反響がありますし、自分のテンションが上がる、いいなって思う感覚を一番大切にしているかもしれません。ほかの企業さんが運営しているSNSやホームページ、アプリを見ては「この文章の書き方かわいいな」と日々チェックしています。
──プレスリリースの商品画像もやはり目に留まるものが多いですよね。
加藤友記:ありがとうございます。クリエイティブチームも一緒に入ってもらっているのですが、商品の撮影は力を入れていますね。
撮影に入る前に事前にどういうカットで取るかを密に打ち合わせをして、過去に配信したもののうち反応がよかった事例は「こういうふうに写真を撮ったことで反応が良かったのかもしれない」と仮説を立てながら共有しています。
また、先ほど美衣奈さんからもありましたが、「シズル感」は追求していて、自分自身がおいしいと思ったポイントをどう表すか、いかに写真に収めるか、試食にはそんなことを考えながら臨んでいます。
例えば、「ハートブレッドアンティーク」というベーカリーから出ている『のび〜るとろりんチーズフランス』という商品は、フランスパンの食感と、チーズが「とろん」としたところがおいしいポイントで、そこは確実に押さえたいな、と思って撮影しました。
──伸びてるところを捉えていますね。美衣奈さん、他にもありますか。
加藤美衣奈:かわいいの観点になるのですが、「ねこねこ」で人気の『ねこねこ食パン』『ねこねこチーズケーキ』は、横から断面が見える写真もあれば、上からのアングルで、できる限り猫の形に見えるようかわいさにこだわっているんです。
また、『にゃんチー』というチーズケーキは季節によって新しいフレーバーを展開しているのですが、毎回さまざまな写真でアプローチしています。
──すごくかわいいですね!これまで順調にきている要因を伺いましたが、反対に壁にぶつかったり、何か思うように進まなかったりしたことはありますか。
加藤友記:そうですね。先ほど申し上げた『ねこねこ食パン』が生まれて、店舗数を拡大したときから月日が経ち、コロナも一度落ち着いたことで、おうち時間よりも外食に関する話題が大きくなったタイミング。同じく取材もだんだんと落ち着いていきました。
メディアの方にどのような情報をお届けしたらよいか、そのほかどういうコミュニケーションをしたらよいのか、そんなことを考えた時期でしたね。
──どう乗り越えたのでしょうか。
加藤友記:これまでは、取材をいただいて終わっていたのですが、取材でお世話になった方に新商品が出た際のご案内をしたり、新商品を実際に食べてもらったり、プレスリリースを配信するだけでなくこちら側からのアプローチを増やしましたね。
紹介した商品が結構おいしかったので、今回もぜひサンプルとか送ってほしい、などとご連絡いただくことも増えました。
メディアリストとかも最初のほうは何もなくて、本当にゼロから始めたんです。取材を受けるにあたって、どんどんメディアの方とのつながりも増えて、今ではちゃんとメディアリストが機能するようになりました。
プレスリリースを配信して満足するのではなく、配信してからこそがスタートだと思っています。これからは、この辺りをもっと強化していきたいですね。
メディアフックとなる意外性・独自性を意識
──メディアの方からプレスリリースの「この部分に惹かれた」「目に留まった」など言われたことはありますか。
加藤友記:PR TIMESは一般の方にも見ていただけると思うのですが、まずはメディアの方にしっかりと情報を届けようとプレスリリースを配信しています。
取材のご連絡をいただいた際に、何を見てからのお問い合わせか聞くことがあるのですが、プレスリリースのタイトルに入れている「累計販売数」をはじめ、インパクトのある数字は興味を持っていただきやすいです。
最近ですと、「ハートブレッドアンティーク」の看板商品『マジカルチョコリング』を2個、板チョコでいうと10枚分も使ったとんでもない『マジカルチョコリングバーガー』という商品を発表したのですが、これは絶対カロリーを入れることで印象付けられると思い、タイトルを考えました。
参考:【モンスター級のチョコリングが期間限定で登場】「ハートブレッドアンティーク」より約5,890キロカロリー、板チョコ10枚分を使用した『マジカルチョコリングバーガー』が1月13日より土日祝限定で販売!
また、商品の集合写真を載せると目を留めてもらいやすいようで、実際にメディア露出の幅も広がっています。
参考:【European taste~ヨーロッパ各国を巡るラインナップ~】「バゲットラビット」より『ポムショコラブール』などヨーロッパのパン文化が手軽に楽しめる全6品が1月1日(月・祝)より期間限定で新発売
──新店オープンなど、商品のように画になりづらいものの場合、どのような点を気につけていますか。
加藤友記:新店舗の場合、オープン記念キャンペーンなど販促につながる情報を入れることはもちろん、「累計販売数」と同じく、「何店舗目」という数字がポイントですね。また、地域性を意識したキーワードを入れるように心がけています。
参考:ケーキ屋が作った、新体験アイススイーツも登場神奈川県5店舗目となる「ピネード 星天qlay店」が1月18日(木)グランドオープン!限定メニュー『星天qlay 発酵バターアイス』が数量限定で発売
|ピネード新店オープンのプレスリリースのポイント
「意外性:ケーキ屋が作った、新体験アイススイーツ」「地域性:神奈川県5店舗目」「希少性:限定メニュー、数量限定」とメディアフックが詰まっているタイトルによって、メディアにとっての複数の切り口を提供しています。また、加藤友記さんがおうちシーンを届けると話していたように、デイリースイーツとして紹介している「さらにおいしいチーズケーキ」の写真はどんなふうに楽しめるかが一目でわかる写真になっています。(PR TIMES 取材担当者より)
──SNS運用をする中でのポイントはいかがでしょうか。
加藤美衣奈:『マジカルチョコリングバーガー』は、SNSでもとても話題になりましたが、どんな情報も読んで楽しくなるように、そして「いいね」を押したり、何かアクションを起こしたくなるような仕掛けを文章に入れるようにしています。
また、SNSだけの話ではないのですが、コラボレーション商品は「すごく楽しみです」といった、多くのコメントを寄せていただくんです。過去に「パステル」と他社でコラボスイーツを展開した際は、匂わせ投稿をするなど、販売前に少しずつ盛り上げられるよう意識していました。
──コラボレーション商品は話題性がある一方で、プレスリリースは大変じゃないですか。
加藤友記:そうですね。最近だとネスレ日本さんとコラボレーションした『ねこねこ食パン loves ハートフルベアー』を発表したのですが、自社だけでなく両ブランドの良さが伝わるようなプレスリリースにできるよういつも心がけています。
また、社内確認だけではなく、先方のご確認もあるため通常よりも早めに動き、スケジュールには気をつけています。特に今回は試食会を行い、それを待っての情報解禁。配信時間の徹底など、この辺りにも気を配っています。
参考:『キットカット ハートフルベアー』とのバレンタイン限定コラボレーション!『ねこねこ食パン loves ハートフルベアー』が1月24日より新発売!初のくま型食パンも一部店舗で同日発売
──ありがとうございます。最後に、今後取り組んでいきたいことをお聞かせいただけますか。
加藤友記:広報体制も整え、現在の運用ができるようになりました。商品たちをより1人でも多くの方に届けられるよう、現在取り組みを継続すると同時に、新しいこともしていきたいと思っているところです。
加藤美衣奈:ブランドのファンの方々は「次はどんな商品が出るかな」といつも楽しみにしてくださっていると思います。同じフレーバーや食材を使っている商品であっても、異なるイメージを持っていただいたり、新しい情報を知っていただいたり、新鮮な気持ちで味わってもらえるように意識したいと思います。
まとめ:商品たちの魅力を伝える発信力
広報PRの専任者がいないところから、プレスリリースを出せば注目の的となる広報PR活動を展開する株式会社オールハーツ・カンパニー。特に目を引く商品画像は、自分たちが「おいしい」「かわいい」と思ったものや「シズル感」を大切に発信していることがわかりました。
加藤友記さんと加藤美衣奈さんが心がけている広報PR活動のポイントは3つ。
- 「おうちシーン」に寄り添い、楽しいのループをつくる
- 「シズル感」を大切にした商品画像へのこだわり
- メディアフックとなる意外性・独自性を意識する
このほかにも、数々のコラボ商品を広める広報術などは、全国に向けた新たな広報PR活動を考えている食品業界の方にとって、参考にしていただける事例ではないでしょうか。
PR TIMESのご利用を希望される方は、以下より企業登録申請をお願いいたします。登録申請方法と料金プランをあわせてご確認ください。
PR TIMESの企業登録申請をするPR TIMESをご利用希望の方はこちら企業登録申請をする