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被災地の「いま」を伝える。情報発信が持つ社会的意義を再認識|スギヨ【プレスリリースアワード2025】

2024年1月1日に石川県能登地方を震源として発生した能登半島地震。輪島市や志賀町をはじめ、石川県内の多くの企業が深刻な被害に見舞われました。

1640年(寛永17年)創業の老舗、株式会社スギヨもそのひとつです。水産練り製品や加工品の製造・販売を行う七尾市内の全工場が被災。操業再開までに半年以上を要しました。

震災から約1年となった2025年2月、「能登での暮らしを諦めずに、復興に挑む人々」の姿を伝える映像をYouTubeで公開し、映像に込めた想いをプレスリリースで配信。「自社のためではなく、地域のために今できることを尽くす」真摯な姿勢が高く評価され、情報の公平性と信頼性を重んじた発信に贈られるパブリック賞を受賞しました。

【受賞プレスリリース】能登半島地震1年を越えて 復興へ歩む姿を映す 映像公開 株式会社スギヨ

【受賞理由】
YouTube動画を公開した、という非常にシンプルなプレスリリースだが、短いテキストながら思いと動画の内容がしっかり伝わってくる。動画もカニカマのキャラクターを活用することで、深刻になりがちな内容を気楽に見られる工夫をしている。ナレーションなしで音楽とテロップワークだけで見せる動画ながら、冒頭の一言だけのセリフがとても印象的。(小林 史憲)

能登半島地震から一年というタイミング。自社の為でなく地域の為に、いま出来ることを尽くす覚悟をもって、どうしても発表しなければと何か背負うものを感じさせる。一事業者であっても、こうした自主的な行動を受けて、風化させずに伝え続けて、被災地へ関心を向ける必要を感じられた。(三島 映拓)

株式会社スギヨ 代表取締役社長

杉野 浩也(Sugino Hiroya)

水産卸売業を経て、2015 年スギヨ入社。2019 年に取締役、2022 年に専務取締役就任。2025年9月に代表取締役社長就任。カニカマを世界で初めて開発した先代の会長、杉野芳人は祖父にあたる。能登半島地震からの復興に向け、地域と共に歩む決意でいる。石川県出身。

株式会社スギヨ 経営企画室 広報

水越 優美(Mizukoshi Yumi)

地元の新聞社、アメリカの日系雑誌社勤務を経て、2018年スギヨ入社。入社以来、広報として社内外に埋もれていたスギヨのストーリーを掘り起こし、応援してくださる方々と体験を共有しながら発信している。能登半島地震以降、広報に何ができるか模索中。石川県出身。

株式会社スギヨ:パブリック賞受賞

──YouTube動画をメインにしたシンプルな構成でありながら、力強いメッセージが高く評価された今回の受賞プレスリリースですが、配信した背景や目的をお聞かせいただけますでしょうか。

このプレスリリースは、能登半島地震からの復興に取り組む能登の姿を映した映像の公開が趣旨です。

地震から1年が経過しても、復興はまだ道半ば。それでも前を向いて生活する人々の姿を伝えたいという想いがありました。一方で被災地では、「時間の経過とともに能登のことが忘れられてしまうのではないか」という危機感が強くあります。私たちは、その現状を地元だけでなく全国へ伝えるために、プレスリリースという形で発信することを選びました。

弊社自身も完全復旧には至っていませんでしたが、取材の機会を逃さないように「震災から1年」というトピックで発信することが重要だと考え、結果的には2月になってしまいましたが、配信しました。

──プレスリリースを配信後、どのような反響がありましたか。

プレスリリースは32のメディアに転載され、YouTubeの再生回数も大きく伸ばすことができました。また、従業員も知らなかった奥能登の様子をプレスリリースや映像で伝えることができたと思います。

──プレスリリースを作成する際に工夫されたことがあればお聞きしたいです。

すべて視聴しなくても、プレスリリースを見てどんな内容なのかがわかるように、映像の一部を切り出した能登の方々の写真を並べました。写真を見ただけで復興に向けて前を向く姿が想像でき、たくさんの人がそれぞれの場所、それぞれの立場で力を尽くしていることが伝わればと考えたのです。

また、弊社の被災状況など関連するさまざまな情報はnoteでまとめ、そのリンクを掲載することで確認できるようにしました。

株式会社スギヨさま プレスリリースより
株式会社スギヨ プレスリリースより

──受賞プレスリリースに限らず、プレスリリースの配信後に意識的に行っていることがあれば教えてください。

プレスリリース配信で全体に向けて周知を図るとともに、お付き合いのあるメディアの方々にはメールで個別にご連絡し、各メディアの関心がありそうな切り口を補足することも心がけています

──最後に、受賞が決まってからの想いをお聞かせください。

今回制作した映像には、スギヨだけではなく出演した能登の人たちの想いが込められています。賞をいただいたことで、プレスリリースで伝えたかったことが読んだ人の心に届いたんだと実感でき、大切に書いてよかったと思いました。

出演者、制作チーム、従業員から驚きとともに喜びの声が上がり、多くの方に知っていただく機会を得たことが復興への励みになりました。

まとめ:地域に寄り添い、復興を後押しする広報PR

株式会社スギヨは、能登半島地震からの復興をテーマに、被災地で前を向いて生きる人々の姿を描いた映像を公開。その映像に込めた想いを伝えるプレスリリースが「パブリック賞」を受賞しました。自社の被災を語るだけでなく、地域に寄り添い、社会に問いを投げかける姿勢が高く評価された点が特徴です。

キャラクターを活用しながらも、誠実で温かな発信によって“風化させない”という使命を形にした同社の取り組みは、情報発信が持つ社会的意義を改めて示すものとなりました。

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この記事のライター

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『PR TIMES MAGAZINE』は、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」等を運営する株式会社 PR TIMESのオウンドメディアです。日々多数のプレスリリースを目にし、広報・PR担当者と密に関わっている編集部メンバーが監修、編集、執筆を担当しています。

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