滋賀県米原市にある関西最大級のスキー場「グランスノー奥伊吹(旧称 : 奥伊吹スキー場)」を運営する奥伊吹観光株式会社。スキー人口が減少する中、2季連続で入場者数25万人超を実現している注目の企業です。積極的にスキー場への設備投資を行っていることを発表したプレスリリースは話題になり、「PR TIMES」の人気のプレスリリース(今月のランキング)にもランクインしました。また、雪のない時期には、ゲレンデの土地を活用したイベントの開催、グリーンシーズンに遊べるレジャー施設を運営するなど、経営の安定につながる施策を次々に展開し、4季連続で売上高も更新しています。
参考:【総額21億8千万円!スキー場への設備投資】「人工造雪機+人工降雪機」の増設「合計45基」で雪造り!エスカレーター6基新設!「グランスノー奥伊吹」は「11月22日〜4月13日」まで「5ヵ月オープン」!
本記事では、同社の広報PRを管轄する専務の草野穣治さんにインタビュー。厳しいビジネス環境下でどのように事業展開をしてきたのか、また集客につなげるためにどのような広報PRを行ってきたのかについて、お話を伺いました。
奥伊吹観光株式会社(滋賀県米原市):最新のプレスリリースはこちら
奥伊吹観光株式会社 専務
学年一人の小学校時代を経て、大阪学院大学経済学部を卒業後、祖父が祖業したスキー場事業に従事するため、地元滋賀へ帰り、奥伊吹観光株式会社(奥伊吹グループ)へ入社。レジャー施設から水力発電所まで多岐に渡るグループ運営事業の中で、「広報・広告宣伝、SNS運用、Webサイト領域まで幅広いすべての領域」の戦略的な活用を主導して、自社施設のPRを成功に導く。トヨタ財団国際助成プログラム参加。Webグランプリ「審査員特別貢献賞受賞」。
2季連続で25万人以上を呼び込んだ背景
──全国的にスキー人口は減り、経営が困難なスキー場も多いかと思います。「グランスノー奥伊吹」では、来場者数を増やすためにどのような取り組みをされているのでしょうか。
奥伊吹グループは私の祖父が1970年に創業し、スキー場やグランピング施設などのアウトドアレジャー施設をはじめ、観光リフトや道の駅の運営、建設業や水力発電など、幅広い事業を展開している会社です。
「グランスノー奥伊吹」は、祖父がリフト1基でスタートしたころから徐々にリフトやゲレンデの数を増やし、スキー場の規模を大きくしてきました。1980年代はスキーブームということもあり、多くの方が来場されましたが、90年代前半には下火になり、当社も含めどのスキー場も経営が非常に厳しい状況が続きました。そんな中でも私たちが大事にしてきたのは、「雪遊び」を楽しめる場所づくりです。降雪量が少ない年でも、行けばちゃんと滑れるゲレンデになるように、十数年前から人工降雪機を増やしてきました。自ら雪造りをすることによって遊べるフィールドをしっかり確保したことが、来場者数の増加につながった大きな要因だと考えています。
さらに近年では、施設内のレストランやショップをリニューアルし、初めてスキーをする若い方にも好まれるようなトレンド感のあるウェアやアイテムのレンタルを拡充しています。このように、スキー場としてのハード面だけでなく、ソフト面も含めて施設としての魅力を充実させてきたことが、お客さまに支持いただいている理由かなと思っています。
──来場者数の増加は、施設投資だけでなく、お客さまのニーズの変化にも対応されてきたからなんですね。
そうですね。おかげさまで2季連続で来場者が25万人を突破しました。5万人が来場すればスキー場としてやっていける、という祖父や父の代からすると、夢のような数字になっています。ここ数年はたくさんのご来場への感謝として、「総額5,000万円還元キャンペーン」という新たな取り組みも実施しており、PRにもつながっていますね。
またスキー場の充実とともに行ってきたのが、オフシーズンにおける収入源の確保です。広いゲレンデや駐車場を活用したイベントの実施、キャンプやグランピング施設を新たに展開するなどして、お客さまのニーズに合わせて事業拡大をしてきました。それに加え、当社はもともと建設業から始まっていることもあり、その関係でダムの維持管理や水力発電所の運営といったインフラ事業も増えてきています。これにより、年間通して事業が安定するようになってきたというわけです。
参考:総額「5000万円」還元キャンペーン!「食事無料で8時間 何度でも食べ放題」!「グランスノー奥伊吹」のスキー場にて「全5回の食事無料サービス」!1月24日(水)2月28日(水)3月12日(火)開催へ!
参考:「奥伊吹水力発電所」を建設開始!!CO2削減量「年間620t」!関西電力のグループ会社と「水力発電をスタート」へ!!
全国的な認知拡大に向けたプレスリリース
──さまざまな事業を展開する中で、広報PRではどのような点を意識されていますか。
今でこそ広報PRや広告宣伝を行うクリエイティブプランニングという部署がありますが、私がスキー場の受付やレストランなど、いろんなところにヘルプで入るのと同じように広報PRもみることになったのが始まりです。私自身、広報PRを専門的に学んだわけではないので、見よう見まねでここまでやってきたというのが実際のところですね。
当時は、テレビや雑誌などいわゆるマスメディア向けの広報PRや広告がほとんどでしたが、インターネットの普及とともにWeb上での情報展開の重要性が高くなっていることを感じています。例えば、スキーに慣れていない方は、ウェアのレンタルやレッスンの有無、食事や宿泊などといった不安要素がたくさんあります。事前情報を必要としている方が求めている情報を、しっかりと提供できるようにコンテンツを充実させているんです。また、時代とともにSNSや動画配信プラットフォームなど新しいツールがどんどん増えてきたので、そのときどきによく使われているものを選んで活用するようにしています。
プレスリリースも、当初は地元のテレビ局や新聞社にファックスで送っていたのですが、「PR TIMES」の配信サービスを知り、これなら地元だけでなく全国に施設の魅力を発信できると思い、積極的に活用するようになりました。広告はあくまでこちらが言いたいことを費用をかけて宣伝するものですが、プレスリリースを通じてメディアに取り上げられることで、また異なる効果が期待できます。近年では県外からのお客さまも増えてきましたし、スキー以外のイベントも開催しているので、全国への情報発信が重要だなと感じています。
──プレスリリースの配信機会はどのように決めているのでしょうか。
基本的には、スキー場のオープンに関しての配信は必ず行っています。また、新しい施設がオープンするときにも配信していますね。例えば、去年から今年にかけて米原市にあるキャンプ場「グリーンパーク山東」の中に、アスレチック施設「フォレストアドベンチャー・米原」や、世界の珍しいカブトムシなどと触れ合える「ビートルランド・米原」をオープンしました。それから、オフシーズンのスキー場を活用し、車の走行会や展示会などのイベントや、音楽フェスも開催しています。
これらは全国各地からファンの方が集まるので、メディアに取り上げられるように、プレスリリースで情報を発信することが必要です。イベント自体の認知度を高めるだけでなく、「このスキー場を活用すればいろんなイベントができる」ということを広く知っていただくためにも重要だと考えているんです。
参考:フランス発祥の大人気アスレチックが滋賀県米原市に誕生!大自然と友達になれる「フォレストアドベンチャー・米原」が「7月29日」(土)にグリーンパーク山東内にオープン!7月10日から予約受付スタート!
参考:【世界最高峰】スーパードリフト&FMX超絶バイクパフォーマンス!!「モーターゲームス2024」を8月24日,25日(土 日)「グランスノー奥伊吹」のスキー場「特設ストリートコース」にて開催!!
メディアと生活者双方に向けた画づくり
──プレスリリースを作成する際は、どんな点を工夫されていますか。
せっかくプレスリリースを配信するなら、「いろんなことを知っていただきたい」と、ついたくさん書きたくなってしまいます。私自身そうなのですが、文字ばかりではなかなか読む気にならないんですよね。そのため、施設やイベントの雰囲気が伝わる写真をたくさん掲載するようにして、見やすく魅力的なプレスリリースに仕上げるように気をつけています。
また、プレスリリースは主にメディア向けに活用していますが、一般の方も見てくださるので、作成時にはその点も意識しています。人工造雪機の設備投資に関するプレスリリースでは、スキー好きの多くの方々が雪への期待などについてSNSで反応してくださり、想像を超えて一般の方々にも情報が届いていることを実感しましたね。
参考:【総額21億8千万円!スキー場への設備投資】「人工造雪機+人工降雪機」の増設「合計45基」で雪造り!エスカレーター6基新設!「グランスノー奥伊吹」は「11月22日〜4月13日」まで「5ヵ月オープン」!
環境への貢献と時代に合わせた情報発信を
──最後に、「グランスノー奥伊吹」や奥伊吹観光さんとして取り組んでいきたいことなどお聞かせください。
ここ数年はハイペースで新しい施設をオープンしているので、広報PRに取り組んでいかなければならない対象がどんどん増えてきています。施設の規模も大小さまざまなので、それぞれどうPRしていくかが課題でもあり、やりがいでもあります。情報を得るための手段がひとつではなく、多様化してきたことに合わせて対応してきましたが、今後も時代に合わせながら、幅広く情報発信していくことを大切にしていきたいですね。
そして当社は企業理念に「2070年地域のこどもたちにスキーを」を掲げています。気候変動など、スキーを取り巻く環境は年々変化していますが、水力発電の事業ではグループ全体の総電力使用量を上回る量の発電ができるなど、環境へ貢献する事業展開も進めています。今後も企業理念の実現に向けて、あらゆることに備えたスキー場づくりをしていきたいと思っています。
まとめ:時代とお客さまの変化に向き合って進める事業と広報PR
季節変動の大きい事業を安定化すべく、スキー場のハード・ソフト両面の充実やオフシーズンでの新施設のオープンなどを積み重ね、成長を続けてきた奥伊吹観光株式会社。お客さまの希望と真摯に向き合い、どのような形で情報をお届けすべきかを、時代の変化に合わせて考え続けています。
今回のお話のポイントは3点です。
- 時代とお客さまの変化に合わせて施設の魅力を更新し、発信し続けることが集客拡大の秘訣
- イベント開催のプレスリリースは、イベントだけでなく施設の認知向上にも貢献
- 生活者も意識したレジャー施設の魅力を伝える画を充実させることがポイント
大型施設の運営をする企業や、季節性のある事業を展開する企業、観光・宿泊に関する広報PRの方は、参考にしてみてください。
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