米農家の9割が「経営が苦しい」と回答。補助金なしでは7割が赤字。農機具・燃料・肥料の値上がりによる生産コスト上昇が主因。
米農家の実態調査第2弾。適正販売価格は「3,501円から4,000円」と考える米農家が37%
1万軒を超える生産者ネットワークと、認知度・利用率など9つのNo.1(※1)を持つ日本最大の産直通販サイト(※2)「食べチョク」を運営する株式会社ビビッドガーデン(本社:東京都港区、代表取締役社長:秋元里奈)は、全国的な米価格の上昇と供給不足が続く中、生産現場で起きている変化を把握・発信するため、米の生産者に対して緊急実態調査第2弾を実施しました。
今回の調査では生産コストの上昇や適正価格、経営状況に焦点を当てて調査を行った結果、90%の生産者が「経営が苦しい」と感じており、補助金を除くと約76%が「赤字」の状態であると回答。持続可能な経営を維持できている農家は一部に限られていることが分かりました。
食べチョクは日本最大の産直通販サイトとして、引き続き生産現場の実情を伝え、生産者・消費者と共に持続可能な米づくりを考えるきっかけを提供してまいります。
URL:https://www.tabechoku.com/feature_articles/rice_Investigation202505_02
前回「米の生産に関する実態調査 第1弾」プレスリリースはこちら
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000310.000025043.html

・調査実施の背景
米の販売時に決まる、JA全農などの出荷業者と卸売業者との間で交渉される「相対取引価格」(※3)は2004年ごろから20年以上横ばいの状態が続いていました(※4)。過去5年間の相対取引価格の平均値は約12,000円から16,000円(玄米60kgあたり)を推移しています。
2024年から米の価格が上昇を始め、2025年4月時点での相対取引価格は27,102円と、前年の水準を大きく上回りました。(※5)
また、スーパーなどでの小売販売価格(5kgあたり)は、2025年4月時点でおよそ4,200円となっています。(※6)

こうした状況をうけて、食べチョクは実態調査第1弾として米生産者の皆さまに「米価の上昇が生産現場にどのような影響を与えているのか」を伺い、プレスリリースとして発信しました。
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000310.000025043.html
その結果、多くの生産者が現在の価格水準を「ようやく適正」と捉えており、これまでの価格で持続的な経営を行うことは難しい状況だったことが分かりました。
今回は第2弾として、価格に対する意識や生産コストの実情、経営状況などをさらに深掘りしました。
米生産者が「適正」と感じる価格帯や、コスト上昇の具体的な内訳などを明らかにすることで、価格上昇の背景にある構造的な課題や、生産現場の持続可能性について、より多角的な理解が進むことを目指しています。
・米の生産者に行った実態調査第2弾の結果サマリー
■調査概要
調査対象:食べチョクに登録している全国の米の生産者
調査期間:2025年5月23日(金)~5月26日(月)
調査方法:インターネットによる任意回答
回答人数:121人
*生産規模の傾向:1ha未満21%、1ha〜5ha未満36%、5ha以上43%
■米の販売価格は「3,000円から4,000円」が適正と考える生産者が約63%
2025年4月以降スーパーなどでのお米の販売価格の平均が5kgあたり4,200円を超える状態が続いています。生産者が考える適正価格を聞いたところ「3,501円から4,000円」と答える方が36.9%、「3,001円から3,500円」と答える方が26.2%に上りました。
今までの価格が安すぎたと感じる生産者が多い一方で、現在の価格は上がりすぎておりコメ離れが加速することを不安視する声も寄せられました。

■米生産にかかるコストの上昇に90%の生産者が「苦しい」と回答
特に2020年以降のコロナ禍からコストの上昇を感じる生産者が増えており、90%の生産者が「経営が苦しい」と回答しました。そのうち13.1%は「廃業を考えるほど苦しい」と回答しており、経営状況の悪化に関して深刻な状態であることがわかりました。
具体的な上昇コストは農機具価格・燃料費・肥料代の高騰が大きいことが分かりました。


■経営状況について、補助金を除いて「赤字」と回答する生産者は約76%
2024年の経営状況について、43.9%が「補助金を含めても赤字」、32.6%が「補助金を含めると黒字」、23.5%が「補助金を除いて黒字」と回答しました(有効回答のうち答えたくない・わからない等の回答を除いたn=98)。
国や自治体が米の生産者に対して実施している補助金に依存した経営体制の生産者が多いことが浮き彫りになりました。
一方で、2025年の経営状況については、補助金を含めて「赤字」と回答する生産者は32.1%と減少しています。一部の生産者は今回の価格上昇で経営状況が好転している一方で、依然として補助金がなければ赤字となってしまう生産者が多い状況であることがわかりました(有効回答のうち答えたくない・わからない等の回答を除いたn=81)。


■直販を増やす生産者、約66%は産直通販サイトへの出品割合増を検討
令和7年産米について、直販を増やす予定の生産者は45.1%に上ることがわかりました。その内約66%は食べチョクなどの産直通販サイトへの販売割合を増加する予定であると回答しました。次いで大手ECサイトや自社ECサイト、直売所などへの販売割合の増加を検討している生産者が多い状況です。

・現在の農政に対する生産者の声
・長年続いてきた減反政策により米の生産量が減ってきている。突然供給量を増やす必要があると言われても難しい。(富山県・米生産歴10年以上)
・米の価格が上がりすぎていることに対して介入するのであれば、安くなり過ぎた時も価格調整を行ってほしい。生産コストに見合った価格保証が必要と感じる。(新潟県・米生産歴15年以上)
・老朽化した水路や担い手不足、地域の人口減少、高齢化による水路の草刈りなどの維持管理が困難になるなど個人の経営ではどうにもならない部分を国が支え、生産者がしっかり生産できるインフラを作る政策を行って欲しい。(富山県・米生産歴10年以上)
・備蓄米を安く販売することで、新米が収穫された時価格がどうなってしまうのか不安に感じている。最低賃金も毎年上がり続けており、人手は必要でも人件費が出せず雇用が出来ない状態。(愛知県・米生産歴20年以上)
・各設問について


<適正価格について挙げられたコメント>
・農機具、人件費が高騰している中で価格が上昇するのは自然なことで、担い手不足の解消にも繋がる部分はある(富山県・米生産歴10年以上)
・生産者が補助金無しで自力で利益を稼ぐとなると、今の価格でも難しいと思う。一方で購入者側の希望に合わせたらほとんどの生産者はお米の栽培をできなくなってしまう。(北海道・米生産歴15年以上)
・自身の田んぼでは10aあたり8俵くらい収穫ができる。仮に25000円/俵だと20万円くらいの売り上げになり、コストや人件費を合計すると丁度同額程度になる。(埼玉県・米生産歴15年以上)

<販売価格について挙げられたコメント>
【3,001から3,500円と回答した方】
・取引価格が上がる以上価格は上げないといけないが、消費者の負担も考えるとあまりに高すぎると厳しいのかなと思います。(茨城県・米生産歴20年以上)
【3,501円から4,000円と回答した方】
・生産者と消費者、双方のことを考えると上記の金額が落とし所だと思います。(兵庫県・米生産歴5年以上)








・食べチョクの米に関する取り組みについて
◾️産地直送で厳選米が毎月届く定期便「食べチョク お米あんしん便」
「食べチョク お米あんしん便」は、「安心して米を買いたい」という声に応える、定期便サービスです。食べチョクが全国から厳選した登録生産者の米を、毎月ご自宅へ産地直送でお届け。価格は解約するまで一定、在庫も事前に確保されているため、品薄や価格高騰の影響を受けることなく、毎月おいしい米を受け取ることができます。
詳細はこちら:https://www.tabechoku.com/subscriptions/rice
※ご好評につき新規注文受付を一時停止しています。再販を行う際は「通知登録」をいただいた方から優先的に、販売再開のご案内をいたします。
◾️お米特集ページ
食べチョクでは全国250軒以上の米の生産者が販売しています。米の品種ごとの特徴に合わせた商品の紹介や米生産者のこだわりなどを紹介する特集ページを開設しました。
詳細はこちら:https://www.tabechoku.com/ulp/rice/
▪️米の生産に関する実態調査 第1弾に関するプレスリリースはこちら
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000310.000025043.html
・食べチョクの「生産者非常事態サポート室」について
■概要
・新型コロナウイルスによる百貨店や飲食店・イベントなどからの仕入れ減
・盗難や除草剤散布などの犯罪による被害
・台風や豪雨などの自然災害
・気候変動や外部要因による価格の乱高下 など
上記のような要因に影響を受ける生産者状況を正しく把握・発信しサポートしていくために「生産者非常事態サポート室」を常設しています。
URL:https://www.tabechoku.com/feature_articles/sos_support_program
■サポート内容
(1)費用が高騰している生産者さんを応援する特集ページの開設
(2)SNSやプレスリリースによるリアルタイムな情報発信(#農家漁師からのSOS)
(3)予約商品などの出品サポート
(4)国・自治体が行っている補助金・助成金の情報発信(毎月)
・食べチョクが実施するサポートについて
食べチョクは、台風などの自然災害で被害を受けた生産者や、新型コロナウイルス感染拡大や物価高騰などの影響で経営環境が急激に悪化した生産者に対するサポートを行ってきました。
■2024年6月 さくらんぼの高温障害をうけて、さくらんぼ生産者へ支援プログラムを実施
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000273.000025043.html
■2024年1月 令和6年能登半島地震に関する支援プログラム実施
避難所への食材提供と被災生産者向け支援プログラムを開始。
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000249.000025043.html
■2023年8月 ALPS処理水放出開始に伴い、食べチョクが漁業者向けサポートを実施
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000231.000025043.html
■2023年7月 大雨による被災生産者向け支援プログラムを実施
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000226.000025043.html
■2023年3月 酪農家支援
対象商品1購入あたり100円を食べチョクから生産者に寄付及び食べチョクに新規登録する酪農家の審査体制を強化。
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000211.000025043.html
■2022年8月 東北地方を中心とした大雨被害
商品をすぐに販売できない生産者のために応援チケット500円の販売。
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000186.000025043.html
■2022年6月 物価高騰で経営環境が悪化している生産者のサポート
生産者の現状と値上げに関する消費者への理解を促す特集ページの開設や商品の値上げに伴う問い合わせのサポートを実施。
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000180.000025043.html
■2021年8月 大雨被害
1購入あたり300円を生産者に寄付・1口500円の応援チケットを販売
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000131.000025043.html
■2021年7月 新型コロナウイルス<緊急事態宣言>
「売り上げの早期入金」と「お酒の生産者応援プログラム」を実施。
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000123.000025043.html
■2020年9月 台風9号・10号
サポートを必要としている生産者の商品を特集・発信・予約商品の出品サポート。
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000071.000025043.html
■2020年7月 豪雨被害
特集ページの開設・1注文あたり300円を生産者に寄付・予約商品の出品サポート。
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000061.000025043.html
■2020年4月 新型コロナウイルス
フランスのフレンチシェフ率いる団体「一般社団法人CookForJapan」の全国のシェフとコラボして、「おうちで作れる本格レシピ付き食材」を販売。
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000044.000025043.html
■2020年3月 新型コロナウイルス <緊急事態宣言>
飲食店向けに、全商品10%を食べチョクが負担・購入いただいた飲食店を公式SNSで紹介。
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000039.000025043.html
■2020年3月 新型コロナウイルス <緊急事態宣言>
全商品の送料500円を食べチョクが負担する「生産者応援プログラム」を実施。
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000025043.html
■2019年10月 台風19号
りんごの被災農家のレシピと商品をシェフ団体「一般社団法人CookForJapan」と一緒に発信。
(※1)国内の産直通販サイトの中で「お客様認知度」「お客様利用率」「お客様利用意向」「Webアクセス数」「SNSフォロワー数」「生産者数」「生産者認知度」「生産者利用率」「生産者利用意向」の9つでNo.1を獲得。
プレスリリースURL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000295.000025043.html
(※2)産直通販サイト:生産者が消費者の自宅へ商品を直送することを特徴とする生産者特化型の通販サイト
(※3)相対取引価格とは、全国農業協同組合連合会(JA全農)などの出荷団体と卸売業者との間で、主食用米を取引する際の価格のこと
(※4)農林水産省「長期的な主食用米の価格の動向」より
https://www.maff.go.jp/j/seisan/keikaku/soukatu/aitaikakaku.html
(※5)農林水産省「相対取引価格の推移(平成24年産~令和6年産)」より
https://www.maff.go.jp/j/seisan/keikaku/soukatu/aitaikakaku.html
(※6)農林水産省「スーパーでの販売数量・価格の推移」よりhttps://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/r6_kome_ryutu.html
・食べチョクについて
⾷べチョクは、こだわり⽣産者から直接⾷材や花きを購⼊できる産直通販サイトです。日本の産直通販サイトの中で認知度や利用率などの9つのNo.1(※1)を獲得しています。
野菜・果物をはじめ、米・⾁・⿂・飲料といった⾷材全般と、花き類を取り扱っており、消費者が生産者に食べた感想を伝えるなど直接やりとりできることが特徴です。
また、好みに合う⽣産者を選んでくれる野菜定期便「⾷べチョクコンシェルジュ」など5つの定期便を提供。さらに、企業の福利厚生や販促キャンペーンに活用できる法人向けサービス「食べチョク for Business」や、ふるさと納税の返礼品として食べチョク生産者の食材を楽しめる「食べチョクふるさと納税」も展開しています。
2025年5月時点でユーザー数は110万人、登録⽣産者数は10,000軒を突破し、約5万点のこだわりの逸品が出品されています。
・URL:https://www.tabechoku.com/
・公式X(Twitter):https://twitter.com/tabechoku
・公式Instagram:https://www.instagram.com/tabechoku/
・食べチョクのコンセプトやストーリーがわかるサービス紹介動画
・ビビッドガーデンについて
代表者:代表取締役社長 秋元里奈
本社所在地:東京都港区浜松町1丁目7番3号 第一ビル4F
設立日:2016年11月29日
事業内容:全国の生産者から食材や花などを直接購入できる産直通販サイト「食べチョク」、ネットスーパー「食べチョク ドットミィ」、生産者の顔が見える冷凍食品ブランド「Vivid TABLE」の開発・運営
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