株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワンは創業36年のビジネス書を中心に刊行している出版社です。

今回は4月21日にローンチされる電子書籍の新レーベル「Discover Next D」について、開発担当者にインタビューをし、立ち上げの背景から今後の展望までお話しします。

電子書籍を読む方だけでなく、本を読むすべての方に読んでいただけると幸いです。

（写真左）中島：ebookカンパニーeコンテンツチームマネージャー

（写真右）斎藤：ebookカンパニーeコンテンツチーム

————新レーベルの立ち上げ、おめでとうございます！さっそく新レーベルの概要を教えてください。

中島：

私たちは4月21日に電子書籍の新レーベル「Discover Next D」をリリースします。

これは、従来の「紙そのままの電子書籍」ではなく、電子書籍の主要形式“epub”のデータ形式の特性を最大限に活用して、映像／音声／WEB／SNSなどと連携した、多様な体験価値を備えた電子書籍のレーベルです。

例えば、読書中、「動画だったらもっとわかりやすいのに。」、「著者の声が聞こえたらもっと引き込まれるのに。」、「気づいたことをすぐにSNSでシェアしたい。」などと感じたことはありませんか。

紙の書籍では夢のようだったそんなことも、この“epub”なら可能なのです。

このように、より「速く」「深く」「直観的」に理解できるコンテンツの企画制作を行うことで、紙の書籍を再現するということにとどまらない、デジタルコンテンツとしての可能性をとことん追求した新しい電子書籍の創出と浸透を目指します。

————「電子書籍の新しいかたち」、わくわくします！このようなレーベルの構想に至った背景はどのようなものだったのですか？

中島：

現状、文字もの電子書籍の市場はほぼ「紙そのままの電子書籍」で占められています。

しかし、電子書籍の主要形式“epub”はWEBサイト等と同じHTMLベースのフォーマットであり、それは紙の書籍の再現にとどまらない、より多様な体験価値を提供することができるコンテンツ形式です。

これまでも、各社単発で電子書籍にコンテンツを付与する取組みはあったようですが、いまいち盛り上がりませんでした。

そこで、ディスカヴァーの「コンテンツ」と「WEBを中心とした技術」を掛け合わせることで、過去の事例を超える作品を生み出していき、新たに市場を創り出すことを目指して、新レーベルの立ち上げに至りました。

斎藤：

過去に友人たちと電子書籍について話したとき、電子書籍の良い部分について「物理的な制約がない」ことと、「読もうと思ったときにいつでも読める」ことの2つの面を挙げる人が多く、これを聞いて、まだ電子書籍を「紙の書籍の代替物」としてとらえている人が多数なのだなと感じました。

「紙書籍の代替物」ではなく、電子書籍だからこそ手に取りたいと思えるコンテンツをつくることが必要だと思い、今回のレーベルへとつながりました。

————確かに、私も電子書籍を単体で意識したことはなかったかもしれません…。読者に新しい視点を提供できるレーベルなのですね！では次に、この「Discover Next D」というレーベル名はどのようにして決まったのですか？

中島：

このレーベル名にはいろいろな想いが込められています。

まず、電子書籍の次の形という意味の「Next」。

さらに読者の行動変容も表しています。読書の後のアクションにつなげてほしいという想いです。

「D」はもちろん、ディスカヴァーの「D」。さらに「Digital Contents」「Development」「Departure」などの意味も込めました。そして、ぜひ読者のみなさんにもこの「D」にいろいろな意味を重ねていただけたらと思っています。

小ネタですが、私が敬愛するDavid Bowieの復活作“The Next Day”のオマージュでもあります（笑）

斎藤：

先ほどお話しした「電子書籍だからこそ手に取りたいと思えるものを」という想いはロゴにも反映されており、そのため“e”が強調されています。

この“e”は電子書籍（ebook）も表しています。

電子書籍はebと略されることが多いのですが、b（book、つまり紙の書籍）のないeを強調することで、紙の本とは違う独立したコンテンツを提供していくということを表現しました。

————なるほど、素敵なレーベル名ですね！いろいろな想いを伺えてよかったです。ではこのレーベルの魅力を教えてください。

斎藤：

今までの一般的な読書体験ではできなかったようなアクションができるようになることが最大の魅力であると思います。

すでに数点リリースしているものを例にして説明しますね。

『世界のビジネス書50の名著』は世界的ベストセラーシリーズの1作で、ビジネスパーソンが読むべき世界のビジネス名著を要約し、まとめた書籍です。

こちらの電子書籍には、書籍で取り上げている50作品のうち、代表的な6作品に解説動画を付与しています。これにより、より速く深くインプットをすることを可能にしました。

シリーズ80万部を突破した五百田達也氏の3作品にもコンテンツを付与しています。

各書籍に付随するチェックテストをWEB上で行い、その結果から書籍の読むべき章を提案する機能や、目的に応じて読み進められる特別企画の目次を追加しています。これにより自分が読むべき箇所がすぐにわかり、より効率的に書籍を活用することが可能になります。

このように、様々なコンテンツの間をシームレスに移動しながら、より良質な情報を得られ、これまでにない読書体験ができる点が魅力です。

————なるほど、「速く」「深く」「直観的」に理解できるようになると言っていた点がよくわかりました。それでは最後に、レーベル含め、今後の展開を教えてください。

中島：

まずはこの「新しい電子書籍のかたち」が市場に浸透すること。「紙の書籍の代替としての電子書籍」ではない電子書籍の新常識を創出し、それが当たり前になった状態を目指していきます。

その結果、他社からも様々なコンテンツが出てくるような状態になるよう、先陣をきって取り組んでいきます。

また、年内にはレーベル独自の電子書籍を発売したいと考えています。

現状、まず紙の書籍があり、それにコンテンツを付与して販売していますが、紙の書籍の再現にとどまらないデジタルコンテンツとしての可能性を追求するため、電子書籍だからこそできる企画を立案し販売していきたいです。

————お話を聞けて今後がますます楽しみになりました！今日はありがとうございました！

【公式ホームページ】

https://d21.co.jp/NextD/

【ディスカヴァー・トゥエンティワンについて】

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